【1/n】

P「おっはよ〜。」

 俺はいつものように出社をして自分の席に着くととある事に気が付いた。

P「お、律子の販売グッズか?よく出来てるな。」

 机の上に複数置かれていた高さ4cmくらいの律子の人形らしきものを持ち上げる。

P「ふむ、よく出来てるな。細部までよくここまで再現出来たもんだな。」
律「こら〜!!下から見るなーー!!」

 律子の声がしたような気がして周りをキョロキョロとしてみるが律子の姿はない。
 なんだろ?

律「だーかーらー、いつまでも私を摘ままないで下さいよ!!」
P「へっ?」

 俺はその声に従い手で摘まんでる律子の人形を見るともぞもぞと動き出し、

律「やっと気付きましたか、プロデューサー。」
P「うわっ!!」

 俺は思わず手に持っていた律子人形を机に投げ出した。
 するとどうだろう、机の上の他の律子人形が動き出して投げ出した律子人形を受け止めた。

律「危ないじゃないですか!もうちょっとで大ケガするとこでしたよ!」
P「って律子!なんでこんな事になってるんだ?」
律「そんな事言われてもわかんないですよ!ただ……小鳥さんから貰ったお茶を飲んだら
  眠くなって……気付いたらプロデューサーに摘ままれてたんです。」
P「その肝心の小鳥さんは……見当たらないな……」

 とりあえず俺は机の上の律子を数えてみると26体いる事がわかった。

P「1つ質問していいか?」
律「なんでしょ?」
P「さっき別の律子も動いてたけど……もしかして他のもしゃべったり出来るのか?」
律「ええ、出来ますよ。一応混乱しないように私が代表としてしゃべってますけど。
  どうやら感覚とかも共有出来るみたいですね。」
P「じゃあ……それぞれに名前つけた方がいいか。」
律「ええ、私もその方がいいと思います。これを機にいい考えがありますので。」
P「いい考え?」
律「ええ。せっかく26人にわかれたんですよ?感覚が共有って事はそれぞれで
  レッスンをしたら凄い事になりません?」
P「ふむ、つまり1日で26日分のレッスン効果があるって事か?」
律「そうです。こんなチャンス逃す訳にはいきませんよ。」

律A「と言う事で私はボイスレッスンお願いします。」
律B「私はダンスレッスンです。」
律C「私は伝票をやっつけるわ。」
律D「私はポーズレッスンね。」
律E「私は歌詞を覚えようかしら。」
律F「ミーティングをしたいわね。」
律G「今度の取材の調査を行うわ。資料を用意して下さい。」
律H「私の事……好き?い、いえ、アイドルとしてですからね!勘違いされちゃ困りますよ!」
律I「雑誌のサンプルこの間貰ってましたよね?チェックさせて下さい。」
律J「どうもここのダンスがおかしいのよね。ちょっと見て貰えません?」
律K「そういえばよくもさっき投げてくれましたね。そこに正座!」
律L「今度の衣装どうします?」
律M「前回のライブの反省会がまだなので早くやっつけましょ。」
律N「歌詞レッスンをお願いします。」
律O「ポーズがどうも決まらないのよねぇ……」
律P「表現力をもっと磨きたいわね。レッスンをお願いします。」
律Q「流行に関して今の歌で問題ないかチェックしましょ。」
律R「そういえばさっき私のパ、パンティ……見たでしょ?この変態!!」
律S「演技力レッスンをお願いします。」
律T「他の人の歌も研究する必要あると思いますけどどう?」
律U「もっと売り込むために秘密の情報でも雑誌社にリークしてみません?」
律V「そろそろ新曲が欲しいわね。」
律W「月電子へのタイアップ企画、どうなりました?」
律X「並みだけど、CDの売り上げをまとめません?」
律Y「子ファンクラブを作ってもっともっと売り込みましょ。」
律Z「供の好む歌をもっと増やしません?」

 ……もう何が何やらわかんないぞ……

律全『プロデューサー、聞いてます!?』
P 「は、はいっ!!」

律A「大体ねぇ、プロデューサーは人の話をちゃんと聞いてない節があるんですよ!!」
律B「伝票もすぐ間違えるし。」
律C「変な目で私の事見てる時あるし。」
律D「その寝ぐせ、早く直した方がいいですよ。」
律E「よれよれのスーツ、どうにかなりません?」
律F「その無精髭もどうにかなりません?」
律G「お願いですからグラビアの仕事は減らして下さいよ。」
小H「子さんに囲まれて幸せ♪」
律I「ケジュールはどうなってるんですか!」
律J「ッスン早くやりましょうよ!」
律K「悪。なんで私がこんな目にあわなきゃならないのよ!」
律L「校にも行けないじゃないですか!」
律M「で、伝票はまだですか?」
律N「なんかまだ眠そうですね。ハリセンで目、覚まします?」
律O「早く元に戻れるように考えて下さいよ!」
律P「このままでいいやとか考えてないでしょうね?」
律Q「このままじゃ仕事にも行けないじゃない。」
律R「私こんなじゃ家にも帰れないわよ!」
律S「亜美に見つかったら何されるかわからないわね。」
律T「ま小鳥さんに一杯食わせられたわ……あとで折檻ね。」
律U「や感じとか思ってるんならどうにかして下さいよ!!」」
律V「食るものなんかありません?」
律W「もこのままだったらどうするんですか!聞いてます?」
律X「ゴてる訳じゃないですからね。私だって早く戻りたいんですから……」
律Y「どうしてこんな事に……」
律Z「早く何とかして下さいよ!!」

 お、俺そこまで悪いことしたか?

律H「あの……私、まだしゃべってないんだけど。」
P 「へ?でも26人分の話を聞いて………ん?なんか1人だけ服違うような……」
小H「いや〜ん、プロデューサーさんの視線が私に……あ〜ん♪」
P 「悪の元凶の登場と言う訳ですか。ってか小鳥さんもですか。」
小H「悪だなんてそんな……」
律全『小鳥さん!早く元に戻して下さいよ!!』
小H「そうは言っても……私も律子さんと同じようにお茶飲んじゃってこうだし……
   この大きさじゃあアレ重くて持てないし。」
P 「残りの小鳥さんはどこにいるんですか?」
小H「はい、せっかく身体が小さくなったのでみんなで更衣室に行きました。」
P 「ヤバイ!みんなの貞操が奪われてしまう!!」
小H「いくらなんでも私はそんな事まではしませんよ。」
律A「そんな事よりどうやって元に戻るんですか?」
小H「ああ、それなら私の机に置いてある打ち出の小槌くんHYPERで頭を叩けば
   1体ずつ元に戻れますよ。」
P 「ああ、これですね。じゃあ律子軽く叩くからな。」

 ピコン。叩くと律子が1体消えて1体ちょっと大きくなった律子が現れた。

P 「この調子で残り24回叩けばいいんだな。」

 ピコピコピコピコピコン。

律子「ふぅ、本当に酷い目にあいましたよ。」
P 「まあこれで元に戻れたし一安心だな。」
小H「あ、あの〜、私は?」
律子「そうそう、小鳥さんは私が責任を持って元に戻して差し上げますね。」

 そう言って勢いよく打ち出の小槌くんHYPERを振り回す律子。

小H「あ、ちょ、ちょっと私用事を思い出したので……」
律子「問答無用!!」
小H「あっ!ちょっと許して、律子さんっ!!」
P 「ふぅ、ああはなりたくないわな。さてと一息入れて仕事を始めるか。」

 俺は自分の机に置いてあったカップのお茶を喉に流し込み作業を開始しようと……
 ポンッ!

P全『ありゃ?』
律子「プ、プロデューサー!?」

 律子を見ようとするが縦縞の高い山で律子の顔が見えないぞ?
 と言うかなんで律子を見上げなくちゃならないんだ?

PA「お、俺…ま、まさか……」
小鳥「あいたたた……律子さん、そんなに強く叩か…キャー!プロデューサーさん可愛い〜♪」
PF「おお!お、俺を摘ままないで下さい!小鳥さん!!」
PV「律子〜、早く俺を元に戻してくれ〜〜!!」
律子「ん〜、どうしようっかな〜♪」
PZ「律子〜〜〜><」





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