【こなもん屋人情歌】

 今日はTV出演。ただこの番組は色々と悪名が高く、あまり出たくはない
 番組であった。

羽「えー、今日のゲストは秋月律子さんと三浦あずささんでーす。」
律「どうもです。」
あ「こんばんはです〜。」
国「秋月さん制服可愛い〜。」
律「そりゃあ現役女子校生ですから。」
森「アズミールもセーラー服似合ってるよ。」
あ「あ、それはどうもありがとうございます〜。」
羽「では今回の金額はこちらです!!」

 提示された金額は35000円だった。

律「ちょっと!値段高すぎません?普通1回の食事は1000円前後……」
あ「まあまあ律子さん、落ち着いてください〜。」
羽「そして今回のおみやはこちらでーす。この店特製のショコラケーキセットです。
  私の分を含めて6人分と今回はスペシャルなので視聴者10名様にもプレゼント
  でーす。」
あ「ちょ、ちょっと!!なんでそんなに……」

〜〜〜中略〜〜〜

羽「では発表します。4位は……岡山さんです!」
岡「よっしゃあ!」

 そして残された国武と律っちゃん。

羽「今回はビリがおみやになります。国武さん、秋月さんのどちらかの肩をトントン
  された方が全員分の食事代を自腹で払わなければなりません。」
律「なんで私が残るのよ〜……」
岡「やっぱり食べなさ過ぎとちゃう?」
国「俺は食べすぎだよなぁ……」
森「いづみは律っちゃんだと思うな。」
律「そ、そんなぁ……ううん、絶対私じゃない、私じゃない。」
あ「律子ちゃん頑張って〜。」
羽「では発表します。」

 デロデロデロデロデロデロデロデロジャジャンッ!
 トントン。無情にも律子の肩が叩かれる。

全員「あ〜〜〜!」
羽「と言うことで今回のスペシャルは秋月さんにゴチになりま〜す。」
律「うぅ……そんなぁ……」
羽「では秋月さん、気分が落ち着いてから伝票を御確認下さい。」

 机に突っ伏して30秒程、律子は歯を食いしばって伝票を開く。

律「えっ!?に、26万2800円!?」
羽「今回秋月さんは10万円お持ちですので16万2800円足りません。」
あ「あのぉ…律子さん、私がお貸ししますね〜。」
律「すみません、あずささん……」
羽「では岡山さん、お願いします。」
岡「秋月さん、ゴチになります!」
全員「ゴチになります!!」

 番組の収録としてはここでおしまいだが律子はあまりのショックで立てないでいた。

P「おい、律子もう収録は終わったぞ?」
律「プロデューサー……すみません……まさか…」
P「そんなに落ち込むな。」
律「で、でも……」
P「まあそこまで落ち込むなら俺の家で一旦ミーティングしようか。」
律「……はい……」

 よっしゃあ!!これであんなことやこんなこと……

…………………………
……………………
………………
…………
……

 リツノートを閉じて私はプロデューサーを睨み付ける。

律「誰が家に行くか〜〜〜〜!!」

 スパーン!!

P「ごふぅっ!!」
律「大体私は商家の娘ですよ?食事の値段でこんなことになる訳ないじゃないですか!!」
P「いやわからんぞ〜。そして落ち込んで……」
律「行かんわ〜〜〜!!」

 スパーン!!
 しかし後日……

羽「では発表します。」

 デロデロデロデロデロデロデロデロジャジャンッ!
 トントン。

全員「あ〜〜〜!」
羽「と言うことで今回のスペシャルは秋月さんにゴチになりま〜す。」
律「うぅ……そんなぁ……」
羽「秋月さんは食べ過ぎです。+25000円オーバーは番組史上初です!」
律「ど、どーしてよ〜〜〜!!」





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