【ピンク】
伊「律子、ちょっとお願いがあるんだけど。」
珍しく伊織から声がかかる。
律「伊織がお願い〜!?午後雨かしら?」
伊「アンタ、もしかしてケンカ売ってる訳?」
律「そんな訳ないじゃない。で、用ってなに?」
伊「そ、そのね、来週の水曜日ね……」
来週?来週の水曜日って確か3/25よね?
律「プロデューサーの給料日よね?」
伊「そんなのはどうだっていいわよ!」
違うのかしら他…他……あっ!
律「伊織は何を贈るの?」
伊「そ、それで困ってるからお願いしてるんじゃないの!!」
やっぱり……やよいの誕生日プレゼントで困ってる訳ね。
律「豪華なプレゼントでも贈ればいいじゃない。」
伊「嫌よ!そんな事したらやよいに嫌われるじゃない!!」
律「じゃあディナーに招待するとか……」
伊「それが出来れば苦労しないわよ!!」
まったくああ言えばこう言うんだから。
律「じゃあこう言うのはどう?」
ひそひそひそひそ…
伊「バッ!バカ言ってるんじゃないわよ!!そんな恥ずかしい事出来る訳ないじゃない!!」
律「でもやよいはきっと喜ぶだろうな〜。」
伊「ホ、ホントに?」
律「大体8割くらいの確率でね。」
伊「なによ、その8割って。」
律「まあ良く言うでしょ?当たって砕けろって。」
伊「でも私がそんな事するの……」
律「やよいがま っ て る わ よ。」
伊「うっ………」
−−−3/25高槻やよい生誕の日−−−
律「やよい、お誕生日おめでと。」
や「あっ、律子さん。ありがとうございまーす☆」
律「これどうぞ。」
や「わ〜、なんだろう?これ開けてもいいですかっ!?」
律「ええ、いいわよ。」
やよいが袋を開けると中から……
や「ええっ!!ネ、ネ、ネックレスですかっ!!こんな高そうなもの受け取れないですっ!!」
律「そう言うと思ったわ。」
私はやよいにレシートを見せた。
や「えええっ!!こんな高そうなのに500円しかしないんですかっ!?」
律「凄い掘り出し物でしょ?やよいも段々大人になっていくんだからおめかししてみないとね。」
や「私、まだあんまり興味ないんですけど……そうですねっ!私もがんばってみますっ!」
律「その意気よ。」
や「うっうー、じゃあ早速つけてみてもいいですか?」
律「ええいいわよ。」
たどたどしい手付きでネックレスを付けるやよい。
や「ど、どうですか?」
律「よく似合ってるわよ。」
や「うっうー☆律子さん、ハイターッチ☆」
パンッ!!
や「イェイ!!私とっても嬉しいです〜。」
律「喜んでくれて私も嬉しいわ。」
とその時、コートに身を包んだ伊織が入って来た。
この陽気にコート……本当にやる気ね。
伊「や、やよい!誕生日おめでとう!それでプレゼントなんだけど…わ、私を食べて!」
ふぁさっとコートを脱いだ伊織の身体にはリボンが沢山巻かれていた。
勿論素肌の上から……際どい部分は大きなリボンで覆われている。
や「………………………」
伊「ど、どう?」
や「り、律子さーん!い、伊織ちゃんが〜!!」
伊「ええっ!!」
や「伊織ちゃん、この陽気でおかしくなっちゃったのかもしれないです〜。
春になると変な人が出てくるってよく言いますけど、伊織ちゃんがこんな、こんな…」
伊「ちょ、ちょっと!律子!!全然言ってた事と違うじゃない!!どうしてくれるのよ!!」
律「あちゃあ。2割に引っかかっちゃったのね。」
伊「引っかかったじゃないわよっ!!どうしてくれるのよっ!!」
や「伊織ちゃん、早く服着ないと風邪ひくよ?」
伊「う……い、急いで着替えてくるわ。律子、待ってなさいよ!!」
−−−数十分後−−−
伊「律子、どう落し前つけるのよっ!!」
律「と言われても……伊織がやったんだし……」
伊「やったんだしじゃないわよっ!!やよいにもし嫌われでもしたら……」
律「それはきっと大丈夫よ。ただ距離は大分離れたかもしれないけど。」
伊「ふ、ふ、ふ、ふざけんじゃないわよっ!!大体あんなんで喜ぶ奴なんかいる訳
ないじゃないっ!!」
律「そうかなぁ?前にダーリンにしてあげたらすっごくよろ……はっ!?」
伊「ふふ〜ん。アンタ、随分とらぶらぶな様子ね〜。」
律「あああああ、伊織、い、今のは内緒に……」
伊「どうしようかしら?面白い情報を入手したものね〜、にひひっ。まさかあの固い
律子がねぇ。」
律「この秋月律子、一生の不覚だわ……」
伊「で、やよいとの仲、もちろん取り持ってもらえるわよね?」
律「そ、それは……」
伊「あらぁ〜?みんな〜知ってる〜?律子ってね〜。」
律「わー!わー!わー!い、伊織タンマタンマ!!」
伊「じゃあなんとかしてくれる〜?」
猫撫で声でしゃべる伊織。
律「わかった、わかった。わかったわよっ!!じゃあ早速買い物行くわよっ!!」
伊「ところでアンタいつプロデューサーにその格好したの?」
律「もうその話題には触れないで〜〜!!」
戻る
ホームへ