【こたつとみかん】

律「はぁ、やっぱりこたつっていいですよねー。」

 律子が急にこたつについて語り始めた。

Р「どうしたんだ?藪から棒に。」
律「いえ、ね。こう寒い時にうちに帰るとまっすぐこたつに入っちゃうんですよねー。」
P「まあその気分はわからないわけでもないな。」
律「本当、こたつで丸くなる猫になりたくなる気分ですよね〜。」
P「ん?律子、猫になってみたいのか?」
律「何言ってるんですか。人が猫になれるわけないじゃないですか。」

 はぁ?何言ってるんですか?と思いっきり蔑んだ視線で俺を見ないでほしい。

P「だがそれを可能にするアイテムがあると知ったら律子はどうする?」
律「馬鹿馬鹿しいです。そんな現実離れしたアイテム、あるわけないじゃないですか。」
P「まあそれが普通の反応だろうな。」
律「え?まさか本当にそんなのあるんですか!?」
P「あると言えばあるし、ないと言えばないな。」
律「どっちなんですか!ハッキリしてくださいよ!!」
P「じゃあ実際に体験してみるか?ただし途中でやめることは出来ないぞ?」
律「な、なんです?その罰ゲームのような言い方は……」
P「嫌ならいいんだぞ別に。この話はここでおしまいだ。」
律「む!いいです!やってやろうじゃないですか!!」

 こうして律子さんのとっても恥ずかしい恥ずかしい体験は始まったのでした。

…………………………
……………………
………………
…………
……

−−−表SIDE−−−
や「おはようございまーす。あ、プロデューサー!こたつなんかどうしたんですか!?」
P「おはようやよい。実はな、最近事務所に泊まることが多くてな…どうせならこたつで
  ぬくぬくとしながら仕事でもしようと思ってな。」
や「うっうー、こたつって暖かくていいですよねー☆。あ、おみかんもあるんですね♪」
P「結構暖かいぞ。やよいもどうだ?」
や「じゃあ少しだけ…ついでにおみかん1ついいですか?」
P「どうぞどうぞ。」
や「わ〜、暖か〜い☆」
P「このみかんも酸っぱすぎず中々の甘さだぞ?」
や「本当ですか!?はわ〜、おいしいです〜☆」
P「あとな、こたつにはやっぱりみかんに猫も必要だろう?」
や「もしいたら最強の組み合わせですねっ!!でも事務所に猫はいませんよね?」
P「まあな。でももしかしたらいるかも。」
や「そんな訳ないですよね?あっ!そろそろ私レッスン行ってきますね。」
P「おし、頑張ってこい!」
や「は〜い。じゃあプロデューサー、ハイターッチ☆」

 パンッ。

や「じゃ、行ってきま〜す。」

−−−裏SIDE−−−
律「ええっ!?本当にこんなのつけなくちゃいけないんですかっ!!」
P「律子がやると言ったんだろ?途中でやめることは出来ないと忠告も俺はちゃんとしたぞ?」
律「でもいくらなんでもこれは……」

 まあ尻込みするのも無理はない。律子が手に持っているのは猫耳に猫の手、猫足に
 猫のしっぽ。いわゆる猫セットと言うやつだ。

P「今更やめるなんて言わないよな?律子が言い出したんだもんな〜。」
律「う゛………」
P「律子はうそつきだったんだな〜。」
律「わかりましたよっ!つければいいんでしょ!!つければ!!」

 こうして猫律子が完成したのである。

P「おお〜。これはまた凄い……」
律「なんです?あんまりジロジロ見ないで下さい。」
P「違う。」
律「何がですかっ!!」
P「『あんまりジロジロ見ないで下さいニャ。』だ。」
律「なんでそんな恥ずかしい語尾をつけなくちゃいけないんですかっ!!」
P「だって律子は今猫だろう?」
律「…………もうやめていいですか?」

 タタタタタタ

P「ん?誰か来たようだぞ?」
律「え?え?え?早くこれを取って……」
P「そんなのじゃ間に合わん。こたつに隠れろ!!」
律「は、はいっ!!」

 急いでこたつの中に隠れる律子。

や「おはようございまーす。あ、プロデューサー!こたつなんかどうしたんですか!?」
P「おはようやよい。実はな、最近事務所に泊まることが多くてな…どうせならこたつで
  ぬくぬくとしながら仕事でもしようと思ってな。」
律「何言ってるんですか。私にこんな格好させる為だけに購入して!!」

 なんかこたつの中から小声で抗議の声が聞こえるが俺には聞こえない。
 聞こえんのだ!!

や「うっうー、こたつって暖かくていいですよねー☆。あ、おみかんもあるんですね♪」
P「結構暖かいぞ。やよいもどうだ?」
や「じゃあ少しだけ…ついでにおみかん1ついいですか?」
P「どうぞどうぞ。」
や「わ〜、暖か〜い☆」

 やよいの足がこたつの中に入ってくる。
 律子は感付かれないように俺の傍で小さく丸くなっているようだ。

P「このみかんも酸っぱすぎず中々の甘さだぞ?」
や「本当ですか!?はわ〜、おいしいです〜☆」
P「あとな、こたつにはやっぱりみかんに猫も必要だろう?」
や「もしいたら最強の組み合わせですねっ!!でも事務所に猫はいませんよね?」
P「まあな。でももしかしたらいるかも。」
律「えっ!?ちょ、ちょっと!!ただでさえ恥ずかしい恰好してるのにこんな姿を
  やよいにでも見られたら……」

 小声で必死に抗議をする律子。なんといぢめがいのある……

や「そんな訳ないですよね?あっ!そろそろ私レッスン行ってきますね。」
P「おし、頑張ってこい!」
や「は〜い。じゃあプロデューサー、ハイターッチ☆」

 パンッ。

や「じゃ、行ってきま〜す。」
P「おう、頑張ってこいよ〜。」

 やよいが出て行ったのを確認すると俺は迷わずやよいの食べ終わったみかんの皮を
 手元に持ってきて………

P「こたつに潜む猫はどこのどいつだ!!」

 とみかんの皮攻撃をこたつの中に仕掛けた。
 しばしの沈黙の後、それは現れた。

律「んっふっふ〜、なんか色々と楽しいことしてくれましたね。」

 なんかメガネが黄色っぽくなってるのは気のせいだろうか?うん、きっと気のせいだ。

律「いくら猫がみかんの皮が苦手だからってやっていいことと悪いことが……」

 ガチャン!

や「プロデューサー、おみかんもう1つ頂……」

 事務所内に沈黙が訪れた。
 そしてその沈黙を破るのはやはりやよいだった。

や「り、律子さん。その猫さんの格好、よ、よく似合ってますよー。じゃ、じゃあ
  いってきまーす。」

 凄い勢いで走る去るやよい。

P「は、はははは……まあ世の中事故はつきものだよな………」

 無言で窓に手をかける律子。

P「待てっ!律子早まるなっ!!」

 俺は全てを察して律子を背後から羽交い締めにする。

律「はなしてっ!もう私恥ずかしくて事務所にいられないっ!!死なせて〜〜!!」

 そんな事件があったせいか俺の買ったこたつはその日のうちに処分されてしまった。
 尚、やよいの口は思ったより硬かったようで他の娘には猫律子の事は知られていない
 ようだった。
 そして肝心の律子はと言うと………

律「最近なんかアピールするこれってものがないのよね〜。」
P「どうした?なんか困ってるのか?」
律「あ、プロデューサー。最近マンネリ化してきたというかなんか写真集の伸びが
  悪いんですよね。」
P「そうか。伸びを著しく伸ばす方法がない訳でもないぞ?」
律「なんかそこはかとなく嫌な予感がするんですけど……」
P「ところで律子はウサギは………」
律「却下〜〜!!!」





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