【BROKEN MY HEART】

真「おっはようございまーす。」

 菊地真。彼女は765プロ所属の娘だ。
 容姿からよく男性と間違えられるが実はとても繊細な女の子だ。

律「おはようございます。」

 秋月律子。彼女は765プロの事務兼アイドルだ。
 その冷静な判断力によりいつも助けられている。

P「おはよう2人とも。今日のスケジュールだが……」

…………………………

律「ふぅ、今日も疲れたわね。」
真「姉さん。」
律「どうしたの?真。」
真「姉さんって好きな人いるの?」
律「な、なによ急に。」
真「姉さんまったくそういうのに興味無さそうなんだから。」
律「当たり前でしょ?今はアイドルに専念よ。そういう真はどうなの?」
真「ボク?ボクは…最近好きな人が出来たよ。」
律「そうなの!?おめでとう。で、相手は誰なのよ。」

 このこの!と軽い気持ちで真の腕をつんつんしながら聞いてみたのが失敗だった。

真「ボクの好きな人は……実はプロデューサーなんだ。」
律「えっ!?」
真「どうしたの姉さん。顔色悪いようだけど。」
律「う、ううんなんでもない、なんでもないったら。」
真「そう?ならいいんだけど。」

 聞かなきゃよかった。そんな後悔の念が押し寄せるそんな中……

真「プロデューサーはボクの物。姉さんなんかには絶対渡さない。」

 真は律子に聞かれないようにボソリと洩らしていた。

…………………………

律「はぁ………まさか真が好きな人がプロデューサーなんて……」

 そりゃあ私だって女の子、恋多き18歳。気になる人がいないでもない。

律「まったく同じ人を好きになるなんてねぇ……」

 ため息ばかりが漏れてしまう。

律「でもいつからだろう?真が私のことを姉さんって呼ぶようになるの。」

…………………………

律「あら?あなた新人の子?」
真「初めまして!ボク、菊地真って言います!」
律「ふぅん。ま、よろしくね。」
真「はいっ!ボク見た目がこんなですけど可愛いアイドル目指して頑張りますっ!」
律「律子でいいわよ。」
真「え?」
律「堅苦しいのは嫌でしょ?」
真「わかりました!秋づ……律子。」
律「ふふっ。一緒にがんばりましょ。」

 それから気づいたら私は真から姉さんと呼ばれるようになっていた。
 でも何故だろうか、最近真の様子がおかしく感じているのだ。
 まるで外堀を徐々に埋められるかのように。

ソシテワタシハミテシマッタ。

…………………………

律「おはようございま………!!」

 私はいつものように事務所に出てきていつものように挨拶を口にして入ったつもりが
 ……そこにあったのは真とキスしているプロデューサーの姿だった。

律「あ、あははは…わ、私……レ、レッスン行ってきますね……」
P「お、おい、り、律子!!」

 私は事務所から逃げるように走り去った。
 もう嫌!私の好きなものがみんな真に取られていく。
 気づくと私は公園にいた。

律「別に私プロデューサーの事なんて……」

 しかし脳裏に浮かぶのは先程の真とプロデューサーの姿ばかり。

律「私はプロデューサーなんか好きでもなかった。そうよ、そうに決まってる。
  私みたいな娘があんなだらしなくていい加減で大雑把で………」

 とにかくプロデューサーの悪い所、悪い所と考えていくがますますプロデューサー
 への想いが募っていく。

律「私これからどうすればいいのよっ!!」

 いくら考えても答えは出ない。
 私はこの日仕事を休んだ。翌日もその翌日も……
 休みの間プロデューサーから何度も電話があった。勿論出る気もなく、
 昨日からは携帯の電源も切った。

律「私、嫌な娘だよね……」

 自室のベッドで枕を抱きしめながら考えてた。
 やっぱり私なんかアイドルに向いてない。こんなことで動揺するようじゃこれから
 先やっていけるはずなんかない。

 ピンポーン。

 誰もいないのかしら?もう……

律「はーい。」

 ガチャッ。

律「真……」
真「姉さん。どう気分は?」
律「最悪ね。」
真「そうなの?それは良かったわ。」
律「は?」
真「私、前から姉さんのことムカついてたの。なんでも先輩顔吹かせて。
  だからボクは姉さんの物をみんな奪っていった。楽しかったよぉ。」
律「真、あなた何言ってるの?」
真「まだわからないの?プロデューサーを奪ったのは姉さんが好きだって
  知ってたからさ。」

 頭が真っ白だ。真の言っていることがまったく理解出来ない。

真「それなのに姉さんったらプロデューサーの事をちらちらと気にして
  もう馬鹿馬鹿しいったらないね。アハハハハ。」
律「ま、真は一体何がしたいの?」
真「決まってるじゃない。姉さんをとことん苦しめることさ。それがボクの
  生きがいだよ。」
律「ふふ………ふふふふ………」
真「姉さんなんて壊れちゃえばいいんだよ。」
律「ふふ………アハハハハハハハハハ。」

超BAD END





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