【本日ハ晴天ナリ】

律「じゃ準備はいい?」
や「はーい、大丈夫でーす☆」

 今日は事務所の不足備品の買い物にやよいとお出かけ。
 別にプロデューサーでもよかったんだけど今頃は……

P「くそっ!どうやっても計算が合わんな。おーい律子〜ってさっき出かけたか…」

 ってどうせこんなとこでしょ。まったくもう。

や「えへへ〜☆」
律「やよいずいぶん楽しそうね。」
や「だってお買い物ですよっ!こんなに楽しい事ないですー☆」
律「そう?まあやよいが楽しいならいいけど。」
や「やっぱりお買い物はみんなで仲良くですねっ☆」
律「そうね。少しでも荷物持ちが多いと楽と言えば楽ね。」

 きっと今頃は……

P「ハ、ハ、ハックション!!誰だ?俺の噂してるのは……」

 ってとこかしら?ふふっ。 

や「で、律子さん。今日は何を買うんですか?」
律「まずは文房具屋で各種精算書の購入ね。それからステージ用の化粧品に、
  社長用のコーヒーにお客様用のお茶っ葉に……」
や「わー、沢山買うんですねー。よーし頑張ってお店の人と相談して値切っちゃおー☆」
律「ちょ、ちょっとやよい。」

 クスクス。
 周りを歩く人たちから笑いが漏れる。

や「なんですかー?」

 やよいは何のことわかってもなくきょとんとしている。

律「ま、これがやよいのいいとこかしら?」
や「??…なんだかよくわかんないですけどそうなんですか?」
律「じゃさっさと買い物終わらせるわよ。」
や「そうですね☆」

…………………………

店「おっ、やよいちゃんじゃないか。今日も元気かい?」
や「はいっ☆もちろん今日も元気でーっす☆」
店「いい返事だねー。じゃあこれ持ってきな。」

 店主から渡されたのはみかん1袋だった。

や「えっ!?い、いいんですかっ!?」
店「やよいちゃんはこの商店街のアイドルだからね。どんどん頑張ってよ。」
や「うっうー。私がんばりまーっす☆」
律「よかったわね、やよい。」
や「うっうー。後でみんなで食べましょー☆」

 全身で喜びを発するようなやよい。みているこっちもうきうきしてくるわね。

店「あら、やよいちゃんじゃない。今日も元気ね〜。そちらお姉さん?」
や「こんにちは〜〜☆こちらは律子さんって言って私の先輩ですっ☆」
律「秋月律子です。いつもやよいがお世話になってるようで。」
店「あーら。お世話になってるなんて。やよいちゃんはこの商店街のアイドル
  なんだからそんな大したこと……そうそう、この御煎餅持ってきなさい。」
や「ええっ!?いいんですかっ!?」
店「何言ってるんのよ。どんどん食べてどんどん頑張りなさい。」
や「うっうー、私がんばりますっ!じゃあハイ、ターッチ☆」

 パーン。

や「私もっともーっとがんばりますねっ☆」
店「応援してるから頑張んなさいよ。」
や「はーい、わかってまーっす☆」
律「ねぇ、やよい。」
や「どうしたんですか?律子さん。」
律「いや、そのね……いつもこんななのかな〜?ってちょっと疑問に……」
や「この商店街通るといつもたくさん物が貰えて大助かりですっ☆」
律「はぁ…やっぱり………」
や「どうしたんですか?律子さん。」
律「やよい、あなたアイドルでしょ?もっとしっかりしないと。」
や「アイドル……そうですねっ!もっともっとみんなに元気をわけないと☆」
律「いえそうじゃなくてね……」
や「でも律子さんいつも道端でもらってますよね?」
律「あ、あれは普通に配ってるポケットティッシュでしょ?」
や「貰えるものは貰っておかないと勿体ないですよっ。」
律「まあそれはそうだけど……」
や「ただより安いものはないってよくいいますよねっ!」
律「それは違うわよ。ただより高いものはないが正解よ。」
や「うう〜、また間違えちゃいましたぁ……やっぱり私って馬鹿なのかなぁ…」

 本当にころころと表情が変わるんだから。

律「そんなことないわよ。まだやよいは中学生でしょ?これからよ、これから。」
や「本当…ですか?」
律「本当よ。だからちゃんと胸を張って、お買い物の続きしましょ。」
や「うっう〜。じゃあ私荷物たくさん持ちますねっ☆それと……」
律「どうしたの?おやつを買って欲しいとか?」
や「いえ、そうじゃなくて…その……変なお願いなんですけど……」
律「?」
や「今日だけ……おねえちゃんって呼んでいいですか?」
律「へっ?」
や「私いつもお姉ちゃんお姉ちゃん言われてて頑張ってきたんですけど律子さん
  みたいなおねえちゃんがいて欲しいな〜とか思って……駄目ですよね……」

 ちょ、ちょっと、そんな子犬みたいな目でうるうると見つめられたら……

律「べ、別にいいけど……」
や「ほんとですかっ!!」
律「ただ、今日はお買い物するんだからちゃんと荷物は持つのよ。」
や「はいっ☆……おねえちゃん。」

 んもう、この娘ったら可愛いんだから。
 いい子いい子。

や「わわっ、ふわ〜。おねえちゃん。」
律「さ、じゃあ戦場に向かうわよっ!!」
や「はいっ!おねえちゃん☆」

…………………………
……………………
………………
…………
……

P「おいおい、ずいぶんと買いこんできたなぁ。」
律「これくらい普通ですよ。」
P「やよいは荷物重くなかったか?」
や「全然へーきでーっす☆おねえちゃんと一緒だったし。」
P「おねえちゃん?」
律「あーっ!!そうそう伝票ちゃんと出来ました?どうせまだ出来てないんでしょ?」
P「……ぐっ……何でもお見通しって訳か。」
律「そんな事だろうと思いましたよ。でもまあ3時のおやつの後にしましょ。」
P「おっ、なんか買ってきたのか?」
律「それは…」
や「後でのお楽しみでーっす☆」

律&や「ねー。」





戻る
ホームへ