【CHOCOLATE PHILOSOPHY】

春「それではこれからお料理教室を行いたいと思います。まずは
  アシスタントをお呼びします。律子さーん。」
律「はぁぁぁぁ。」
春「律子さん、そんなに大きなため息つかないで下さいよ〜。」
律「そんな事言われても……」

 明日はとうとうバレンタインデー。765プロのみんなでチョコレートを
 作って社長やプロデューサーにプレゼントしようということになって
 料理と言えば春香!という流れで何故か私がサポート役に。

律「大体私があんまり料理得意じゃないの、春香も知ってるでしょ?」
春「大丈夫ですよ。お料理は愛情さえこもっていればバッチリなんですから。」
律「愛情ねぇ……」
春「律子さん、好きな人とかいらっしゃらないんですか?」

 その言葉で脳裏に浮かんだのはプロデュー……

律「ないない!そんな訳ない!!」
春「ええっ!?そんな可哀想ですよー。お父さんとかきっと心待ちにしてますよ?」
律「え?あ、ああお父さんね。」
春「律子さん、誰のことを考えてたんですか?」
律「え、ええっ!?だ、誰も考えてないったら!!」
春「またまた〜。」
律「いいから早く進めるわよっ!!」

 まったくもう。

春「えーとまずはチョコレートを溶かします。その時には必ず湯煎で溶かして下さい。」
律「あー、ちょっと伊織!!何チョコレートをまとめて鍋に入れてるのよ!!
  亜美と真美はつまみ食いしない!!」
春「チョコレートに熱を加え過ぎると苦くなっちゃうので手早くして下さいね。」
律「だから伊織は湯煎しなさいってば!!あずささんは1かけらずつ入れないで下さい!!
  やよいはよだれを拭く!!」
春「チョコレートが溶けたら湯煎から上げて下さいね。今回は生チョコを作るので
  生クリームをチョコとおんなじくらいか少し少ないくらい入れて下さい。」
律「真、なかなか手つきいいじゃない。雪歩もなかなかね。……千早はやる気なさそうね…
  歌でも歌いながら作ってみたらどう?」
春「あれ?生クリームに刻んだチョコを入れてから湯煎するんだっけ?失敗失敗。」
律「ちょっと、春香〜。」
春「わわ、わわわっ!」

 どんがらがっしゃ〜〜ん。

律「は〜る〜か〜〜。」

 私の全身はもうチョコまみれ。どうしてくれるのよ!!

春「あいたたたた……すみません律子さん。こんな事になるなんて……」
律「いいから早く起きなさ………で、亜美は何私の胸の上のチョコをなめてるわけ?
  ちょ、ちょっとやめなさいってば!!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

春「なんとかチョコ出来ましたね♪」
律「うう……私は人としての何かを失った気がするわ………」

 あれからやよいはチョコの香りで暴走するわ雪歩は地面に潜るわ散々だったわ。
 千早はず〜〜っと暗い歌を歌いっぱなしだし、途中から小鳥さんが乱入して
 食べてばかりだし。

春「じゃああとはこの冷やしたチョコにココアパウダーをまぶして包んだら
  完成です♪」
律「ところで……いつ冷やし終わるの?」
春「それはもちろん明日の夕方くらい…はっ!?」
律「バレンタインはもう明日なのよ〜〜〜!!」


教訓:チョコの製作は計画的に。





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