【G2】

 この世には恐ろしい物が沢山ある。その中の1つがこれだ。

伊「キャー!こっちに来ないでったら!!真、なんとかしなさいよ!!」
真「ボ、ボクの方に来るなーー!!」
律「二人とも落ち着きなさい。プロデューサー、その棚に殺虫剤がありますから
  何とかして下さい。」

 カサカサカサッ!

や「わわわっ!プロデューサー、こーーんなにおっきかったですよっ!!」

 やよいが人差指と親指で6cm位を表現する。かなり大物だな。

雪「みんなどうしたの?」
真「雪歩、来ちゃダメだっ!」
雪「え?真ちゃん、なんで?」

 カサカサカサッ!雪歩の1m先で例のアレが走り去る。

雪「ま、真ちゃん、頑張って……」

 そそくさと事務所を退去する雪歩。まあそれが一番安全だろう。

律「プロデューサー、何やってるんですかっ!早くなんとかして下さいよ!」
P「律子の方がアレの近くにいるんだから律子がやればいいじゃないか。
  こうプシューと。」
律「い、嫌ですよ!飛んできたらどうするんですか!」

 ふむ、やはり律子も女の子なんだな。まああれは男女問わず好きな人はほぼいない
 とは思うがな。

伊「ど、どうでもいいからアンタ達早く何とかしてっ!!」

 伊織はカウンターに上がってガタガタと震えている。

や「律子さん、どこかに新聞紙ないですかー?」
律「やよいそれは駄目よ。誰が潰れたアレの始末するのよ!」

 カサカサカサッ!

真「わわわっ!コッチくんな!!」
律「ってこっちに進路変更するんじゃなーい!!」

 まさに阿鼻叫喚とはこの事だな。

P「えっと律子、この棚だよな?」
律「そ、そうだから早くー!!」
P「はいはい……これだな。」

 俺は例のアレに目標を定めていざポチっとな。
 シュー……プスーッ……プスーッ………あれ?

P「律子〜、出ないぞ〜。」
律「うそっ!?プロデューサー、アレなんとかして下さい!!」
P「なんとかと言われてもな……」
や「律子さん、私殺虫剤買ってきますっ!!なので……その〜……
  お金貸して下さい〜><」

 カサカサカサッ!

律「な、なんでもいいから早くしてっ!!」

 ガチャッ!

春「みんなおはよ〜ってどうしたの?青ざめた顔して〜。」
伊「どうしたのじゃないわよっ!!」
真「この状況を見てわからないの!?」

 いや、この状況を一目見てわかれは無理だと思うぞ。

律「Gよ!Gが出たのよっ!!」
春「はぁ、Gですか。えっ!?ゴキですかっ!?」
P「ああ。とりあえず春香、急いで殺虫剤を買って来てくれないか?事務所の
  は切れてしまったんだ。」
春「わ、わかりました。急いで行ってきますね!!」

 カサカサカサッ!

春「わわわっ!私の足元にいますよ!!」

 奇妙な春香のダンスが……まあこの展開ならきっとこうなるだろうな……

春「あっ……とっと…わ、わわわっ!!」

 まあ予想通りか。俺は転びそうになる春香をしっかりと抱き止めた。

春「あ、ありがとうございますっ!」
P「とりあえず春香、急いで買ってきてくれ。」
律「頼んだわよ、春香!」
や「うっう〜、私も一緒に行ってきます〜。」
P「頼んだぞ。」

 カサカサカサッ!

真「プロデューサー!ボクもう駄目かも……」
P「まったく、仕方ないなぁ………」

 俺は真の近くに行ってひょいっと真を抱っこした。

真「えっ!?ちょ、ちょっとプロデューサー!みんな見てますよ!!
  ボク恥ずかしいです………」

 俺は真の抗議を無視してとっとと事務所から運び出す。

真「あ、ありがとう……ございます……」
P「あと2人連れてくるから待ってろ。」

 俺はまたもや事務所の中へ。

律「プ、プロデューサー………」

 律子がもう涙目になっている。ところで伊織は……

伊「…………」
P「おい、伊織?」

 揺さぶってみるが反応がない。伊織の方がまずそうだな。

P「律子、悪いがもう少し耐えてくれ!」
律「えっ!?ちょ、ちょっと!!」

 俺は律子の声を無視して伊織を外へ運びすぐに踵を返した。

 カサカサ、カサカサ…
 まだどこかにいるようだな。

律「プロデュー…サー……」

 部屋に入った途端律子が俺に抱きついてきた。
 む、胸の感触が……

P「お、おい律子大丈夫か?」
律「も、もう駄目……私、耐えられない……」

 カサカサカサッ!

律「もうヤダー!!」
P「おわっ!!足元にいやが……ちょ、ちょっと、律子俺を盾にするな!押すな!
  待て待て待て!!」

 プチッ!

P「あ……」

…………………………
……………………
………………
…………
……

律「プロデューサー、手紙届いてますよ。」
P「……あ、ああ。」

 俺は手紙を受け取ろうとするがうまく受け取れない。

P「律子、あのなぁ…」
律「な、なんです?」
P「その…な、その釣り竿につるして手紙を渡すのはやめて貰えないかな?」

 結局俺はあの時、Gを靴の上とはいえ踏んでしまい悲しいかな事務所のみんなに
 敬遠されているのだった。

おわり。





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