人気者なんです

律「ちょっと、雪歩!雪歩!」
雪「きゅ〜」

 今日はとあるライブの友情出演と言う事で参加が決まっており、
 1曲披露する予定だった。だが雪歩が体調不良で倒れてしまった。

Р「くっ!こんな時に!」

 しかしぼやいていても仕方がない。

小「プロデューサーさん、時間ですけど……どうされます?」
Р「そうだな……」

 既にデュオと言うことで告知していた為、今更変更は出来ないが……

Р「もはやここまで……か…」
律「プロデューサー、雪歩なんですけどやっぱり駄目そうです。」
Р「そうか……」

 歯がゆいとはこの事だ。売り出すチャンスをみすみす逃す事になろうとは。

律「プロデューサー、ちょっと耳を貸してください。」

 律子は俺の耳元でとんでもない事を言い出した。

Р「いや、それは……しかし……」

 俺は小鳥さんを見ながら否定した。

律「でもそれしかないでしょ?ハッタリなら任せて下さい!」
Р「だがな、リスクが大きすぎる。」
小「プロデューサーさん、律子さん、私雪歩ちゃんの様子見てきますね。」

 小鳥さんが行こうとしたところを

Р「待って下さい小鳥さん!」

 俺は意を決して律子の案を飲んだのだった。

小「はい、なんでしょ?」
Р「こんな時になんですが、ちょっとカチューシャ取ってみてくれませんか?」
小「ええ…構いませんけど……」

 大人の魅力と言うか、大した仕草といった訳でもないのに妙に色気を感じる。
 これが律子だったらなぁとか考えつつ、

Р「律子。」
律「ええ。」

 阿吽の呼吸で行動する俺達。むぅ……
 そして律子がブラシを手に小鳥さんの髪をすく。

小「あの…プロデューサーさん、律子さん。これは一体……」
Р「ふむふむ。」
律「ね、いけそうでしょ?」
Р「ああ、これ程似てるとは思わなかったよ。」
小「あのぉ…お話が見えないのですが…」

 戸惑う小鳥さん。まあとんでもない事を言おうとしてるんだからな。

P「小鳥さんには雪歩の代わりにステージに立ってもらいます。」
小「あ〜、そういうことですね…………………ええ〜〜〜〜〜!!」

 素っ頓狂な声を上げる小鳥さん。

小「で、でも私そんな歌とかダンスとか…」
律「この間一緒にやったじゃないですか。」
小「あ………」

 前に律子と一緒にとある理由で「THE IDOLM@STER」の振り付けを
 練習してたのである。

P「それにほら、鏡見て下さいよ。」
小「あら?なんか本当に雪歩ちゃんみたい。」
律「でしょ?大丈夫。小鳥さんならいけるわ!」
小「これなら私にも!っていける訳ないじゃないですか〜><」
P「大丈夫、小鳥さんならいける!」
律「小鳥さんなら大丈夫ですよ。雪歩の代わり、頼みますよ?」
小「うう、騙されてる…間違いなく騙されてるよ、私…」
律「ほら、小鳥さん!早く衣装に着替えて!!」
P「頼みましたよ、小鳥さん!」
小「う〜><」

−−−舞台にて−−−
A「今日はなんとスペシャルなゲストを呼んじゃってます!!」
B「それじゃあみんな、準備はいい?『ティンクルベリー』さんで〜す☆」

 わぁぁぁぁ!!

律「ど〜も〜律っちゃんで〜す。」
小「雪歩です〜。」
A「なんと!今日は特別に『ティンクルベリー』さん達にも1曲歌って頂きます。」

 わぁぁぁぁ!!

B「なんか小耳にはさんだんだけど、雪歩ちゃんさっき倒れたとか聞いたけど
  大丈夫なの?」

 小鳥さんに全ての観客の視線が集まる。

小「あ、あ、あ……大丈夫だもん!雪歩は元気一杯だよ〜!!」

 うぉぉぉぉぉ!雪歩ちゃ〜ん!!律っちゃ〜ん!!

P「おいおい…小鳥さんめちゃくちゃノリノリじゃねーか……」

 舞台袖で聞いていた俺は今の質問にドキドキものだったがなんとか切り抜け
 たらしい。

A「じゃあ早速」
B「歌ってもらいましょうか?」

 わぁぁぁぁ!!

律「歌うのは勿論、私達の代表曲!」
小「魔法をかk」

 スパーン!!

小「いひゃい!!」
律「違うでしょ!もう…じゃあ気を取り直して、THE IDOLM@STER!」

律「もう伏し目がちな昨日なんていらない♪」
小「そうこれから始まる私たちの伝説♪」

…………………………………
…………………………
…………………
…………

−−−公演後−−−
α「今日の律っちゃん可愛かったよな。」
β「雪歩ちゃん、なんかいつもと少し違わなかったか?」
γ「ティンクルベリーサイコー!!」

…………………………………

P「2人ともお疲れ様。」
律「どもっ!」
小「も、もう足ガクガクです〜><」
P「小鳥さんやれば出来るんじゃないですか。」
律「私もビックリですよ。」
小「うぅ…なんでこんなことに……」
P「なんだかんだ言いながらもしっかり踊れてましたし。」
律「この分だと雪歩の影武者としてまだまだ頑張れそうですね。」
小「それはもう勘弁して下さい〜><」

−−−後日、社長室にて−−−
律「社長、予想通りうまく行きましたよ。」
社「うむ。音無君にもいい加減765プロの為に頑張ってもらわんとな。」
律「ところで先程作曲家の方から曲と譜面を『社長に』と頂いたんですけど
  新曲ですよね?」
社「ああ、音無君のデビュー用の曲だ。」
律「さっきちらっと譜面は見たんですけど、『神様のバス停』でしたっけ?
  なんかちょっと変な曲ですね。」
社「そうかね?まだ私も曲を聴いていないのでなんとも言えんがまあなんとか
  頑張ってくれるだろう。」
律「新たなライバルの出現ってとこですね。ふふ。」


おしまい。


注:ティンクルベリーとは?

正式には『Twinkle☆berry』。ギタドラで魔法のタルト、人気者なんです等
の曲を歌った関西出身の高校生2人組のユニット。
……うん?高校生??>音無小鳥(2X)
ちなみにアイマスユニット風に8文字に変換したかったのでトゥインクルベリー
じゃなくティンクルベリーになりました。





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