えびフリャー

P「春香、お前どう思う?」
春「本当に不思議ですよね。ポーズレッスンの時、後ろで見てますけど
  アレ、急にぴょこんって動くんですよね。」
P「ああ。俺が右のカメラを指定すると必ず動くよな。」
春「あれはやっぱりエビでも仕込んであるんじゃないですか?」
律「2人ともどうしたの?」
P「わっ!なんでも、なんでもないぞ!」
春「そそそそそうですっ!なんでもないですっ!」

 怪訝そうな顔をする律子。

律「2人して何か悪巧みしてるんじゃないでしょうね?」
P「いやいやいやいや、そんなはずある訳ないじゃないかハッハッハ。」
春「さっ、ポーズレッスンの続きやりましょうよ!」

 こうしてポーズレッスンを再開した。

律「こっちのカメラですね。」

 ぴょこん。

律「う〜ん、こうかな?」

 ぴょこん。

律「カメラはこっちね。」

 ぴょこん。

春(う〜、やっぱり動いてますよっ!!)
P(どうみても動いてるよなぁ)
律「ちょっと!2人とも一体どこ見てるんですかっ!!」
P「えっ!?い、いや……エビ、そう!エビフライが食べたくなったな〜と。」
春「そうそうぴょこんぴょこん動く活きのいいエビですねっ!!」

 何故かこの発言で律子がエビフライを作って御馳走してくれることになった。

春「プロデューサーさーん……」
P「まさか律子の手料理を食べる事になるとはな…」
春「わ、私たち悪くないですよねっ?律子さんのあの…そう、エビフライが
  いけないんですよね?」
P「そ、そうとも!あのエビフライが俺達を誘惑してたんだよ!多分…」
春「ううっ…」
律「はい、出来ましたよ。」

 出された皿には沢山のエビフライ(ちょっと焦げ目)が乗せられていた。

P「……」
春「……」
律「さ、食べてみて下さい。」
P「あ、ああ」
春「い、頂きます。」

 サクリ。

P「お?ちょっと焦げ目だがいけるな。」
春「おいしいですよ!律子さん!」
律「そ、そーお?じゃあ私も食べてみるわね。」

 サクッ(ぴょこん)

 律子が一口エビフライを食べた瞬間俺達の時は止まった。

律「うん、思ったよりうまくいったわね。と言う事はあと30秒くらい早く
  あげればいいのね。」

 サクサクサク(ぴょこぴょこぴょこん)

春「(小声で)プ、プ、プ、プロデューサーさーん!」
P「(小声で)あ、ああ…う、動いてるよな……」

 そう、律子がエビフライを噛み締める度にぴょこんぴょこんとアレが動くのだ。

律「二人ともなに固まってるのよ。」

 そんな2人に目もくれず自分の大作をつつく律子。
 サクッ(ぴょこん) サクッ(ぴょこん)

P「あぁぁぁぁ……」
春「律子さん!!」

 おもむろに声を荒げる春香。

律「ん?なに?」
春「実はその…」
P「待て、春香。それに触れるな!」
春「で、でもぉ…」
律「ちょっと!一体何なの?」
P「じ、実は……」

 俺達は素直に白状してポーズレッスンの時、今エビフライを食べている時に
 律子の三つ網みがぴょこんぴょこん動いている事をしゃべった。

律「ああ、その事ね。」
P「その事って律子、自覚あったのか!?」
春「まさか自由自在に動かせるってわけじゃあないですよね?」
律「実はね、私には髪の毛を自在に動かす能力があるのよ。」
春「…………へ?」
P「おいおい、いくら世の中に特殊能力を持っている人がいると知ってても
  それはないだろう?」
律「本当にそう思ってます?まあ見てて下さいよ。」

 そういうと律子はおもむろに三つ網みを動かし始めたのだ!!

P「うおおおお!!」
春「ええっ!!も、もしかしてあそこにエビが仕込んであるんですかっ!!」
律「そんな訳ないじゃない。これよ、これ。」

 律子の手元には小さなコントローラが握られていた。

P「これはなんだ?」
春「ちょっといいですか?」

 のヮのがさり気なく律子からコントローラを手にとってボタンを押す。

 ぴょこん。

春&P「あっ!!」
律「そういうことよ。」

 つまりこういうことだ。律子はちょっとしたいたずらのつもりで通販で
 購入したとあるキットを三つ網みの中に隠してぴょこんぴょこん動かして
 みんなを脅かしていたらしい。

P「何故そんな事を?」
律「だってそうじゃない。みんなでエビフライ、エビフライ言うから
 『ならばエビフライの逆襲を見せてやる!』ってつい仕込んじゃったのよ。」
春「それでぴょこんぴょこん動いてたんですね。」
P「わかれば大した事じゃないな。」
春「一件落着ですね。」

 そういいつつエビフライをつまむ俺達。

律「本当にそれで済むと思ってるんですか?」

 ゴゴゴゴゴ!
 うん、どう見ても律子が怒っているようにしか見えない。

律「と・こ・ろ・で。誰の頭がエビフライですって?」
P「ま、待て律子!は、話せばわかる!!」
春「そそそそうですよっ!別に悪気があって言った訳じゃ…」

 その後の展開は御想像にお任せします。


春「プロデューサーさんの所為で酷い目にあっちゃいましたよぉ…」
P「春香がエビフライ、エビフライ言うからだろ?」





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