DESTINY
あ「律子さんって〜運命の人って信じますか〜?」
あずささんはいつもこうだ。唐突に意表を突く質問を投げかけてくる。
律「運命の人、ですか?」
あ「ええ。この人とならば一生を添い遂げる事が出来るって言う殿方です〜。」
律「う〜ん、私まだ高校3年ですしそんな人はまだ……」
あ「そうなんですか〜?私なんて高校1年の時からずっと運命の人のこと考えて
どんな人かしら?こんな人かしら?ってずっと一晩中考えたり、
毎日がと〜ってもドキドキでした〜。」
律「そ、そうなんですか。でも私は今の自分で精一杯だからな〜。」
あ「わかりました。おねーさんが律子さんを恋に恋する乙女にして差し上げます〜。」
律「ええ〜〜〜!!」
社長「ふむ、なんか凄い事になったものだな。三浦君と律子君これから
どうなるのか楽しみだな。」
−−−LESSON1−−−
あ「は〜い、まず〜律子さんにはこれを見てもらいます〜。」
と1本のビデオテープを取り出す。
律「今時VHSですか〜?まあ古き映像も大事と言えば大事ですが。」
あ「では早速再生しますね。」
カチャ。ウィーーーン
悪代官「き、貴様は何者だっ!」
越後屋「お前はあの時の浪人!」
新之助「お前等の悪事、とくと見届けた。この親子の幸せを奪い、更に残された
子供の命を奪おうなどとは不届き千万!」
悪代官「浪人の分際で…ここを誰の屋敷と心得ておる!」
新之助「戯け者! 余の顔を見忘れたか!」
ジャーン!
悪代官「……う、上様!ははぁ〜〜〜。」
………………
律「あずささん…」
あ「どうしましたか〜?」
律「いえ、この時代劇が運命の人とどう関係があるんですか?」
あ「あら、この新之助様の素晴らしさがわかりませんか〜?」
律「は?えっとぉ……」
あまりの展開にこめかみを押さえる律子。
あ「例え時代劇だったとしても何かに憧れる事、これが大事なんです〜。」
律「いや、それは大分ずれてるような……」
あ「続けて大岡越前の第13部をそのままお勉強しましょう。」
律「か、か、か、勘弁して〜〜!!」
−−−LESSON2−−−
律「うう……なんでこの歳で時代劇のうんちく語れるまでに知識を吸収して
しまったのかしら……」
あ「喜んで貰えて私も教えがいがありますわ〜。うふふ♪」
律「喜んでませんっ!」
あ「じゃあ次のレッスンですね〜。」
律「人の話を聞いてくださいっ!」
いつものマイペースで我が道を突っ走るあずささん。
あ「では〜、早速近所の輸入雑貨屋さんで購入したこの紅茶をおいしく
頂きましょう。」
律「……はい?」
あ「紅茶で身体の中からリフレッシュです〜。私なんてこの間も紅茶を
買いに行ったら、ついお散歩してるワンちゃんを眺めちゃうんです
よね〜。つい後をつけてしまって、気付いたら知らないビルの前に
立っていたと思ったら…」
律「あずささん、ストップ、ストップ!!」
あ「はい、どうしたんですか〜?」
律「紅茶の話から完全に脱線してますよ。」
あ「あらあら。それで紅茶はとっても身体にいいんですよ〜。」
律「あずささん、それ間違ってますよ。紅茶の飲み過ぎはカフェインの
過剰摂取に繋がって、例えばおトイレが近くなったりなかなか眠れ
なかったりするんですよ。」
あ「そういえば私も最近そうですね。さすが律子さん。うふふ♪」
律「それじゃ駄目じゃないですか……」
−−−LESSON3−−−
律「こ、このままじゃあどんどんあずさ時空に引き込まれるわ。
ペースに乗せられないよう気を引き締めないと!」
あ「次のレッスンでは私と1日過ごしてもらいます〜。」
律「は?」
あ「と言う事で、お先に失礼します〜♪」
P「ああ、お疲れ様。」
律「えっ!?ちょ、ちょっとぉ!」
あ「ほらほら、律子さんおいていっちゃいますよ〜。うふふ♪」
律「そっちは駅じゃないですってばぁ!!」
あ「あら〜?可愛いニャンコちゃんがいらっしゃいますわ〜。」
律「いきなり道路に飛び出さないで下さいっ!!」
あ「あ、プロデューサーさ〜ん。」
律「って赤の他人じゃないですかっ!!」
−−−レッスンの成果−−−
あ「これでレッスン終了です〜。早速律子さんの運命の人を見つけてください〜。」
律「はい!」
あ「あら?プロデューサーさ〜ん。」
律「プロデューサー!」
2人して同時にPに声を掛けたと思ったら顔を見合わせる。
あ「あの、プロデューサーさん。明日お暇ですか〜?」
律「プロデューサー。明日暇ですよね?」
P「えーとあずささん、律子?」
バチバチバチバチ☆
あ「プロデューサーさん、明日お暇ですよね〜? (−−メ」
律「勿論明日、私と付き合ってくれますよね? (−−メ」
P「ええ……ああ……うーんと……」
こうして765プロにて新たな火蓋が切って落とされた。
春「あ、プロデューサーさん。昨日約束してた通り、明日よろしく
お願いしますね♪ケーキ食べ放題楽しみですっ☆」
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