うなとと。
社長「ちょっとキミ、今晩少しいいかね?」
Р「ええ、まあ大丈夫ですけど…なにかあったんですか?」
社長「ハハハ、何も身構えることはない。たまにはキミと
食事でもと思っただけだが…迷惑だったかな?」
Р「いえ、そんな事は……」
社長「なら問題なかろう。悪いが私はもう出てしまうので後で
こちらに来てくれたまえ。」
渡されたメモを見ると中野にある食事処と時間が書かれていた。
社長「ああ、そうそう。律子君にも一緒に同席するよう伝えてくれたまえ。」
Р「? わかりました。」
社長「ではまた後でな。」
…………
Р「と言うわけなんだ。」
律「社長直々の呼び出しですかぁ。またプロデューサーがへまやらかした
とかじゃあないでしょうね?」
Р「俺もなんかそんな気がしてきてな……」
律「あっはっはっは、何神妙な顔して言ってるんですか。
そんなわけないでしょ?だったらなんで私が一緒に呼ばれるんですか。」
Р「言われてみるとそうだな。まあ行ってみればわかるだろう。」
律「そうですよ。まあせいぜい『仕事頑張っているかね?』程度の話ですよ。」
Р「まあそうだといいがな。」
−−−夕方、中野にて−−−
Р「ここか。」
律「ん〜〜いい香り〜。」
待ち合わせの場所はウナギ屋さんだった。
今も焼けたウナギのこうばしい香りがする。
律「さてと、社長は…っと。」
暖簾をくぐるとカウンターに見覚えのある黒いシルエットがあった。
社長「おお、君たちか。遅かったな。すまんが少々待ってくれたまえ。」
そう言うと店員と二、三言話し、席を立つ。
どうやら二階へあがるようだ。
社長のあとを追って二階にあがる俺たち。
店員に案内されテーブル席に座る。
社長「君たち、わざわざ呼び出してすまなかったな。」
Р「いえ。それはそうとなんの御用でしょうか?」
律子と共に身を乗り出す。
社長「おいおい、今朝言ったではないか。一緒に食事でもと。」
Р&律「…へ?」
社長「最近君たちも忙しくて大変だろうと思って呼んだのだよ。
ああ、お代は既に払ってあるからな。」
なんだ、本当に食事だったのか……
律「じゃあなんで私にも来るように声掛けたんですか?」
律子の疑問ももっともだ。
社長「765プロきってのトップアイドルの律子君にも精力をつけてもらいたくてな。
君たちのメニューは私が見繕っておいたから安心してくれたまえ。」
Р「は、はあ。」
律「そういうことですか。ならば。」
ごそごそとポシェットの中の財布を漁る律子。
いつも思うんだが、やよいとお揃いで買ったカエルポシェット、
律子には似合わないよな……
律「すみませーん、これで肝吸い追加して貰えませんかー。」
律子が財布から出したのはこの店のクーポンチケットらしい。
社長「ほう。律子君もここにはよく来るのかね?」
律「たまたまリサーチした時に印刷しておいたんですよ。」
…いつも思うんだがなんのリサーチなんだ?
律「…何か言いました?」
Р「え?お、俺?」
律「ええ、なんかとっても何か言いたそうだったけど。」
P「そそそ、そんな事ないさ。はっはっは。」
律「まあ、そういうことにしておきましょうか。」
最近律子が妙に鋭いな……
店員「お待たせしました〜。」
社長「おお、来たか。律子君にはこのひつまぶし。キミにはこちらだ。」
律「わあ、社長。私の好みよくわかってますね〜。」
P「…………」
社長「キミ、どうしたんだね?」
P「いや、その……」
律「プ、プロデューサー…それ……すごい量ですね……」
そう俺のところに出されたのはウナギ丸々一匹使ったうな重だった。
社長「キミの事だから特に精力が必要だろうと2つ頼んでおいたぞ。」
な……なんだって〜〜〜!!
Ω ΩΩ
P「ぐ、ぐふぅ…」
社長「私の少ない小遣いからなんとか捻出したんだ。おいしく全部食べて
くれたまえよ。」
律「そのウナギ…すごく……大きいです……」
その晩、俺は食べ過ぎで逆に苦しむことになった。
社長〜〜!!
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