その昔、スロヴェニアのバレンタインデーは・・・


2月14日はバ レンタインデー。
スロヴェニアでも例にもれず、恋人たちがプレゼントの交換をして、愛を確かめ合う
日となっていますが、それは近年のこと。
イギリスやアメリカの文化の影響を受けて広がった習慣です。
もっと昔、スロヴェニアでのバレンタインデーは、ちょっと違っていたようです。

その昔、スロヴェニアでは、早春に【鳥の結婚式】と呼ばれていた祝日が
いくつかあり、その一つが2月14日のセント・バレンタインデーでした。

【鳥の結婚式】というのは、鳥たちが愛を交わす日という意味で、命に感謝し、
護国豊穣を願うお祭りの日だったのでしょう。
毎日厳しい仕事に明け暮れているワインの醸造家たちにとっても、この日は大切な祝日だったとか。
家々では、お母さん達が、鳥の形をしたかわいらしいパン菓子を焼いて、庭や近くの林の木にかざったり、
近所の子供たちにプレゼントしたりしたそうです。
恋人たちのロマンスだけに限らず、命や、大自然もひっくるめた一回り大きな
【愛のお祭り】だったのですね。

バレンタインのお祭りにパン菓子をプレゼントしていたというのが、
スロヴェニアらしくて素朴でいい感じです。
そういえば、スロヴェニアに昔から伝わる【メドゥニクルヘック】というハチミツとライ麦で作るパン菓子も、
元々は恋人たちが愛する相手に気持ちを伝えるプレゼントのために焼いて贈ったものでした。
ハチミツたっぷりの艶々の生地は、出来たてを食べてもなかなか美味ですが、何年も飾れるように作ってあり、
年数が経つほど飴色になって、素敵な壁掛けとしてずっと持っていられます。
ピカポロンツァの店にもいくつか飾ってありますので、じっくり見てください。

ともあれ、大好きな人に何かをプレゼントするって、とても自然で、気持のいいこと
です。お菓子はもらった人をハッピーにしてくれる不思議な力があるので、
そんな贈り物にぴったりのものですよね。

 


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