二王子岳    2001年6月22〜23日


 本日で夜行日帰り(夜行1泊を含む)3週連続。さすがに疲れがたまっているようだ。二王子岳は新潟にある。山頂からの飯豊の眺めがすばらしいということで、期待を込めて申し込んだ。
 とは言え梅雨の真っ盛り。覚悟は決めていたが・・・。

 しかし早朝(4時前)にバスの中で食事をしたため、何だか胃が重く、気分がすぐれない。いやな予感がする・・・。
今回は希望者が多く、50名も。マイクロバス3台で当の参加者が一番びっくりした。

 まずは二王子神社から登り出す。今回は往復コースである。立派な社殿があり、風格を感じさせる。雨は降りそうにない。ありがたい。が、地図で予測したものの、のっけからなかなかの登りが続く。1時間30分後にはだんだん登りが辛くなってきた。このままでいくとマズイな、と思いつつ、いつ調整しようかとそればっかり頭の中で考えた。

 山は登り始めは鬱蒼とした暗い森だったが、すこしずつ明るくなり、ブナなども混じるようになった。

 とうとう我慢できなくなって、急登の途中で立ち止まってしまった。後ろから1/3あたりを歩いていたので、周囲は強い男性ばかりだ。「荷物もとうか?」と声を掛けてくださったが、何とか休めば歩けそうだったので、「休憩したら先頭へ行きます。」と返答した。

 待ちに待った休憩で先頭へ。毎度おなじみのメンバーと合流。Iさんも「朝から車酔いみたいで、冷や汗が出て、本当に辛かった。」とおっしゃる。お互いに「今日はいきなり急登が続くしね」と慰めあって先頭をゆっくり歩かせてもらう。

 そのうち気分もよくなり、おしゃべりする余裕も出てきた。天気は曇り。道端に緑色のフンがそこここにある。何のフンだろうね、と言いつつ登る。そのうちにリーダーが、「道の先に猿がいるぞ。」「え、どこ?」「あそこ。」

 サルは1匹で、常に一定の間隔でまるで我々を先導しているようだ。時々立ち止まって「考える人(いや、サル)」のポーズ。あれれ・・・。もしかして・・・。
予感は的中。サルが「考えて」いた場所に真新しいフンがあった。この時期葉っぱを食べているのだろうか。

 8合目を過ぎると、雪が残っている。サンカヨウやシラネアオイなども咲いている。雪田を何度も横断して9合目。ガスがかかって肌寒い。霧で服が濡れる。そんな中、私にとってはじめての花、ヒメサユリが沢山さいていた。

 この花は東北地方に咲くそうで、それはそれは可憐な花だった。
しかし、視界はあまりきかず、山頂からの眺めは諦めた方がよさそうだ・・・。
道が平坦になり、ようやく「山頂だ」の声が。鐘があって皆が撞くが、私は遠慮した。

 見えるはずの飯豊は心眼で。できれば来月飯豊に登って、今度は二王子岳を見たいものだ。
山頂で集合写真。これまたぼ〜っとしてだれが誰だか分からない。

 寒くて外にいられないので、狭い避難小屋にとりあえず入る。全員は入りきらない。ここで座って早いお昼。

 下りはさっきの道をまた戻るだけ。朝5時から登り始めたので下山といってもまだ10時。地元のハイカーがだんだん登ってくる。余りの大集団に仰天している。(すみません。)「え、あの3台のマイクロバスで来たんですか?」「東京から?」「50人も!」・・・すみません。お騒がせしました。

 「油こぼし」という斜面も、下りでゆっくりおりればあとは危ないところはない。ここでちょっと離れたところにリーダーがランを見つけた。「コケイランだね。」と言う。あっ、これは先週太平山で見たランだ!名前が分かってよかった。

 登山口が近づくと「そろそろ危険タイムだから気をつけてね。」と言う。気の緩みと疲れで、もうすぐ到着、という時間帯が危ないからだ。(何を隠そう、私も降りてきてまさに「登山口」の標識のまん前でツルと滑ったことがある。)

 ともかくも何とか社が見え、無事下山。流れ出る水を水筒に汲んでお土産とする。(柔らかくて、本当においしい水だった。)


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