鳴神山 2001年4月22日


鳴神山登山口〜鳴神山〜花台沢の頭〜金沢峠〜観音橋

 3週間ぶりの山行となった。前回は雪だった!3週間たったとは言え、春真っ盛りだ。例によって池袋からマイクロバス。リーダーはお花に詳しい優しい女性のSさん。行程も4時間程度、ということもあり、コブ付き登山である。(母が一緒!)

 登山口では車が5台くらい停まれるが、もう一杯。鳥居がある登山口から登りはじめる。暫く歩くといろいろなスミレが咲いている。お目当ての鳴神スミレを探し始める。紫、薄紫、白と大きさも様々。パチパチ写し始める。

 鳴神スミレの純正種はめったにみつからず、ヒトツバエゾスミレが「鳴神すみれ」と呼ばれているらしい。花は大きめ、薄ピンクで、葉はミツバのようにぎざぎざして分裂している。

<これがヒトツバエゾスミレ?>

 そのうちに道は舗装になったりして急になり始めた。昨日来風邪気味の母が厚着のせいか汗をかいている。一旦休んで水を飲ませ、袖をまくらせる。「まだ大丈夫!」と言っているが、今日は怪しい・・・。

 みんなは三三五五撮影しながら坂道を登っていく。母の息が切れてくる。1枚脱がせ、少し荷物を持つよ、と言うが、「そのうち休憩だろうから、大丈夫。」と答える。しかし、このペースではみんなには楽々で、お花見しながら歩いているので、休憩は当分なさそうだ。しかも、見ればどんどん急坂になっている。

 「今日は体調が悪いから、だめだね。」と引導を渡して、ザックを降ろさせた。どうせ母のザックはそれ程重くない。それで2つ私が持つことにした。

 母は山へ出かける私の様子が余りにも楽しそうなので、「それなら私も!」と山を始めたばかりである。そして、山へ行きたくて仕方ない。
 しかし年も年だし、普段スポーツクラブで毎週エアロビ初級程度をしているとはいえ、山は超初心者。

 幸い所属の会では「初心者向き」「家族向き」「亀さん歩き」などというランクの山行が増えて、これらなら母を一人で送り出せるが、それ以外は基本的には同伴することにしている。

 特に去年の八甲田・岩木山で母としては初めての素晴らしい体験を数々重ねたため、すっかり山の魅力にとりつかれてしまった。
 さらには私の友達がみんな親切で、リーダーも皆さん親切で、ガレ場を歩けない母が、「特別待遇」(空身で5人掛かり!)で登らせて頂いたのだが、本人は自分が必死だったので、それがどれだけ特別だったかの認識が今一つである。
 「行きたい山と行ける山は別だ。」ということが分かっていない。

 それ以来、私も母に大分ブレーキをかけてはいるのだが、本人は至っておおらかに考えている。今日も、多分途中でバテるだろうことは昨夜から予測していた。それで、今日は覚悟の上で私が母の歩荷である。

 私が2つ背負っていると、何人もの方が「荷物を持ってあげましょう。」と声をかけて下さる。ありがたいことだ。が、今回は私も体調がよいのでお礼を言ってお断りした。が、これもみんなに無用の心配をかけている訳で、かなり心苦しい・・・。

 例年は花粉症の薬で体調が悪い(去年は私が他の方にザックを背負っていただいた。)が、幸い今年は薬がマイルドなのか、辛くない。訓練と思って歩く。が、歩きにくいので、前に背負うことにした。(後ろに自分の、前に母の。サンドイッチマン状態。)

 稜線に出れば山頂はすぐだが、急坂が続き、長い列の最後尾になってしまう。空身でストックをついて、母はやっと登っている。稜線からは右手に折れてすぐに鳴神山の山頂。赤ヤシオがきれいに咲いている。双耳峰になっており、右手は少し岩っぽく、左はなだらかな山頂。展望も素晴らしい。

<鳴神山山頂よりの眺め>

 遠く皇海山まで見えるという。

 分岐まで戻るが、前にザックを背負っていると足元が見えず、下りは危険なので、降りる前に、中身だけ全部私の方に詰め替え、母のはウインドヤッケと水筒のみ。かさ張るので、ちょっと見は中が空とは分からない。

 風が強いので風除けを着て、昼食。最後に降りたので、一番最後に店開き。

 あとは尾根伝いに小さな起伏を昇り降りして集落へ降りる。母には細かいアップダウンが応えるようだ。足元がフラフラしていて危なっかしい。最後の下降にかかると、なんとまだまだスミレがたくさん咲いている。しかしもうフイルムが無い!残念!

 下りは延々舗装が続く。滑りにくいように横に並行に細かい溝が掘ってある。が、クッションがないので歩きにくい。民家の屋根が見えてくるころ、珍しくウラシマソウ(釣り糸を垂れる浦島太郎のイメージ)があった。

 観音橋まではコンクリートの道が続く。もう完全に一般道である。「バスがここまできてくれたらなあ!」なんてみんなぼやいている。左手に見える里山は、暗緑色でワンパターンの杉林と、思い思いに新緑に輝く雑木林(なんて呼んだら失礼ですね。)にくっきりと分割されている。どちらが美しいか、言うまでもない。

 本当にとりどりの若緑色で、写したかったのだが、わが目に焼き付けて本日の山行を締めくくった。

(注:図鑑を見ると、ヒトツバエゾスミレの葉は分裂していないとあるので、これは違うものかもしれません。
 しかし、他のどのスミレにも似ていないのですが・・・。

 元々ヒトツバエゾスミレの片親?がエイザンスミレらしいので、エイザンスミレに近い形になった亜種なのでしょうか・・・。

スミレは難しいですね!)


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