櫛形山  2001年7月11日

池の茶屋林道終点〜奥仙重〜裸山〜アヤメ平〜北尾根(見晴台)


 アヤメで有名な櫛形山。1度訪れたいと思っていた。混むというので平日の山行となった。今日は母も一緒である。多分今日はno problemだろう。

 マイクロの運転手さんが山道に不慣れなため、櫛形林道を回って下山口を確認してから池ノ茶屋林道へ向かう。ワインディングはきついものの、私は車に強いので何でもない。どんどん高度を稼いでいる。ありがたや、ありがたや。

 池ノ茶屋林道に入ると未舗装なのはもちろん、デコボコで、運転手さんはおっかなびっくり徐行する。道端には白いヤマオダマキや、ピンクのホタルブクロ、紫のクガイソウ、と花ざかりである。期待感が高まる。天気もどんどんよくなって、夏本番を実感させる。

 しかし、この狭い林道で一体何台の車やマイクロ、タクシーとすれ違ったことか!平日というのに(自分たちは棚に上げて!)大した人出である。やっぱり、アヤメは凄いんだろうな。・・・終点で降りる。女性はトイレに長蛇の列。立派(すぎる)看板がドーンと立っている。

 さて、登り出すとしばらくは急坂だが、花がお出迎え。クガイソウはトラノオみたいな形で、紫の長い尻尾のような花だ。「九蓋草」という名のごとく、五重の塔ならぬ七八重に葉が階層をなしている様子からそう呼ぶと聞いて、納得。ただし、林道では紫で満開だったが、ここのはまだ開いておらず、従って白っぽい、短い尻尾である。

 目に付くのは白いヤマオダマキ。そこここに咲いている。うつむき加減でなんとも慎ましやかである。(見習わないと、ね。)

 次いで多いのはグンナイフウロ。「グンナイ」とは山梨の地名で、ご当地ものだ、とリーダーが教えてくれた。紫のフウロだ。しかし、アヤメは殆ど見当たらない。・・・しばらく歩いて平坦な道になった。奥仙重だ。ここでお昼。
 母と一緒にビニールを広げる。珍しくパイナップルを凍らせて持ってきたが、パッキングがまずくてびしょびしょ。ま、冷たくておいしいからよしとしよう。

 食べ終わったらアヤメを求めて再出発。道端には大きなヤグルマソウの葉っぱや咲き終わったマイズルソウの葉っぱが沢山。
 平坦な道なので、母に花の名前の特訓をする。
「これは何?」「えーっと、これは・・・」 なかなか出てこない。仕方ないか。

 ・・・そのうちに登山道にロープが張られるようになると、アヤメさまのお出ましだった。 普通なら、この数だけで「うわ〜!」と大歓声があがるはずだが、大した反応はない。どうやらこんなもんじゃないらしい。楽しみだ。

 バラボタン平にも沢山あるが、もう咲き終わったものや、実をつけているものも混じっている。日当たりがよいので、もう盛りはすぎてしまったのかな。ゆっくり左右と下に目を向けながらも、のんびり通り過ぎて裸山へ。

 わ、これは・・・。アヤメ, アヤメ, アヤメである。野性だけあってスレンダーな立ち姿。リーダーが思わず「いずれがアヤメかカキツバタ、だな。」と漏らしたのは、我が女性陣を指したものであろうか!?

 さすがに素晴らしい。鑑賞したり、写真を撮ったりするためにしばらく休憩となる。みんな思い思いにレンズを向けている。よく見ると下のほうに鮮やかなテガタチドリも見つかる。

 テガタチドリ 
   
アップでどうぞ。

 大満足。時期もぴったりで、天気も最高、言うことなし。

 あとはアヤメ平でほかの珍しい花をhuntingする。ときどき緑色の地味なランがある。キソチドリ、とか。アツモリソウは・・・それらしき葉のみ。乱獲されてしまったらしい。残念だ。

 下山は北尾根へ。降りだすと、センジュガンピなる白いコスモスのミニ版のような花が咲いている。シソ科らしい、小さい紫の花の穂をつけた草もあるが、よく分からない。道は小石も多くて滑り易く、たちまち母が遅れだす。仕方ないので、先頭に出させてもらう。
慎重に、とは言っているのだが、脚力もないので、下りで転んでは、という思いと、もう少し速く歩けるといいんだけどな〜という思いが交錯する。

 途中いくつもレンゲショウマのまだまだ固いつぼみがあった。8月にはきれいに咲くだろうな。アヤメが一段落した静かな櫛形山もいいかもしれない、と思って歩いていた。


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