2000年8/10〜17  北海道(道東)の山  


 所属山岳会の山行で道東の山に行った。マイクロバスに23名を載せて往復フェリー、夜行で7泊8日という大遠征である。
北海道の山行は去年に引き続いて2度目、参加者のうち私とリーダー2人を含む9名は2度目なので、気心の知れたメンバーが多く、心強い。
 先ずは8/10夜11時に池袋をマイクロバスで出発。補助席まで使い、通路も荷物で一杯である。
 バスはまず新潟を目指す。フェリーが新潟発、小樽着だからだ。朝4時過ぎには弥彦山・多宝山に着く。もう夜明け間近である。
 バスの外にでると、涼しい。ここから足慣らしにこの山に登るのだが、去年は弥彦山に、今年は駐車場から見て反対側の多宝山に登る。
バスの中にはまだ眠っている?人もいるが、お散歩感覚の山なので、リーダーはのんびり歩き出す。
運動靴でも登れる山だ。カラスウリの白い花と、珍しいナンバンキセルという植物がたくさん見られた。
 これが大収穫。あとから遅れたひとたちも到着して、みんなでまたバスに戻る。
  フェリーは新潟港を10時過ぎに出航。それまでにコンビニで買出しをして、フェリーターミナルの冷房の効いた屋内で乗船を待つ。
結構家族連れが多く、フェリーも人気のようだ。去年も同じフェリーだが、とても大きく(2万トン)揺れもなく、きれいで設備も整っている。
 団体で乗船する。部屋は1つは私たちのメンバーで貸切状態、もう1室は他の乗客と同室である。
(16人部屋・・・といってもゴロ寝。)
 売店、ゲームコーナー、ビデオの上映、お風呂、屋外ジャグジー、レストランなどがある。展望デッキ(船内)にはゆったりとしたソファーがあって、ここでゆっくり休む(寝る?)ことができる。私のお気に入りの場所でもある。
 今回はやや揺れたが、揺れたといっても前回、余りにも静かで全く揺れなかったため、揺れに敏感になってしまったようだ。 午後はみんなでミーティング、そのまま飲み会へ?発展解消。
 けっこう女性陣もお酒に強いようで・・・。(ちなみに私は飲めない体質。)私は早めに寝るが、お風呂は人気である。

 小樽到着は早い。朝4時である。去年は北海道も異常気象で猛暑・酷暑だった。朝4時に地面に降り立ったとたんにム〜ときて、既に30度あったのだから。今年は・・・涼しい!!
 去年のメンバーが口々に「涼しいね!」と喜びの声を挙げている。去年はここから見える小樽の余市岳に登ったが、今年は道東までバスで長距離移動が待っている。
 コンビニで朝食・昼食を仕入れてバスで阿寒湖に向かう。大変なのはドライバーのS社長とリーダーIさんのみで、みんな(私を含む)は当然のように眠りの続きをむさぼりはじめる。今日はこれから雌阿寒に登るのだから。
昼からの登山なので暑さと疲れでバテそうな気がする。
・・・昼近くなると、だんだん阿寒湖が近づくが、雌阿寒はなかなか見えない。手前にある山に隠れてごく近くまで来てもまだ見えない。
 ようやく姿が見えたときは、みんなため息とともに「エ〜。あんなに高いの?登れるかしら。」
いつもいつも同じことを感じるが、誰でも同じようだ。

 雌阿寒岳は噴火していたので、このところ登山規制中だったが、今年6月に解除されたので、登れることになった。
今日の宿はこの登山口にあり、下山が遅くなっても心配ない。こういう気配りはIリーダーの綿密な計画の賜物である。
  登り始めると、意外と涼しい。1合目からずっと表示がある。いつのまにか山頂に近づくとザレている。火山らしくなってきた。


砂礫に咲くイワギキョウ

 山頂の火口壁を回り込むように登ると山頂の表示がある。ツバメがたくさん飛んでいる。火口の中では所々から噴煙があがっていて、硫黄臭い。
  風が強く、砂が容赦なく顔にたたきつけ、痛い。しばらくいると、寒くなってきた。気温も14度前後、風を計算に入れれば体感温度は10度以下、寒いはずだ。
集合写真を撮って下山。まずは初日の行程を無事にこなしてほっとしたところである。
  宿は貸切となり、温泉だ。部屋まで硫黄くさい。みんなは内湯と露天風呂の両方を試している。
今日は体も動かしたし、布団の上で寝られるので、熟睡できるだろう。
 翌日は雄阿寒に登る。朝は4時起き、5時出発なので、用意されたおにぎりを宿で食べてから出発。毎日この繰り返しとなる。
朝(に限らず)あまり食欲のない私にはとてもおにぎり2個は食べられない。残りを持って歩いても、たいていは食べる気になれず、無駄にしてしまうので非常に罪悪感を感じる。しかし何か食べないと歩けないし・・・。
 何とか1個をクリアして出発。雄阿寒の登山口は朝霧で幻想的な光景の中、歓声を上げつつ太郎湖・次郎湖から上り始める。
 「頂上まで5キロ」の表示がある。う〜ん、5キロねえ・・・。
まだ寝ぼけた体で登っていくと、みんなは樹林帯の中で小さなランを見つけては写真を撮ったりしている。
 そのうちにいつの間にか結構登ってしまうものだ。木々のむこうに昨日登った雌阿寒が見えてくるともう嬉しくなってしまって、疲れも吹っ飛ぶ。
撮影タイム。景色がいいと登りも苦にならない。
 地図で見れば、頂上へは一旦下降してまた登り返すようだ。山頂付近はさすがに日陰がなく暑い。
が、登りついた頂上からは、これから登る山々が360度見渡せるという、大変なご褒美が。
  原生林のむこうに斜里、羅臼、(といってもこの時点では私には今ひとつ確信が持てないが、それらしき頂)に向かって写真を撮る。
みんな大満足である。あとはルンルン下山。
今日も大移動が待っている。オホーツク海の見える場所まで行くのだ。
 途中で斜里が素晴らしい姿で私たちを追ってくる。長く裾野を引いて、美しい。そして、高い!またしても一同で「登れるかしら!?」・・・登らなきゃ。
 斜里にサヨナラするとようやく海が見えてくる。
カモメも飛んでいる。オシンコシンの滝に寄ってもらい、観光気分。
 ソフトクリームを食べた。今日の宿はウトロである。
すべて温泉つきで、これも楽しみの1つである。いよいよ明日はメインイベントの羅臼岳。ヒグマも怖いが、歩きでのある山だ。
 地図を念入りに眺め(てもやっぱり実感がわかないが)明日に備える。

 朝のおにぎりはだんだん拷問のように迫ってくる。う〜ん、勘弁してくれ〜。岩尾別から登る。途中未舗装の道の両側は深い原生林である。なんとエゾシカの家族がノンビリと草を食べている。
 大自然の懐深く入ってきたという実感が湧く。その分ヒグマがこの山に確かにいるという感覚も濃厚になってくるのだが・・・。
 一軒宿、その名もホテル「地の涯(ハテ)」にはすでに宿泊者(=登山者?)と我々より早出の先客の車で超満員でびっくりする。さすがは百名山である。
 登山口の木下小屋から登りはじめる。すぐに注連縄(しめなわ)が張ってある。神様の領域なのだろうか・・・。うっそうとした森で、今日は「頂上まで7200m」と登山口に書いてあった。7キロ。これは遠い!
 今日は日差しが照りつけ、暑い。
 さすがの私も1枚脱いで半そで1枚になる。私の大敵は暑さと急登である。このダブルパンチでは登頂も覚束ない。
日焼けと虫刺されの危険をおしての?半そでである。
 ヒグマは今にもそこここから出てきそうな気がしたのは初めのうちだけで、前も後ろも登山者だらけ。
 シャイな彼?には会いたくても会えない賑やかさでした。

 途中の水場で、手ぬぐいだけ濡らして首筋を冷やすと心地よい。
北海道の沢水はエキノコックスという、キタキツネに寄生する回虫の一種に広く汚染されているため、湧き水をすぐその場で飲む以外は危険で飲用に適さない。
 弥三吉清水も銀冷水も飲まないのが正解のようだ。・・・「極楽平」とは名ばかりの山道を過ぎてもまだまだ山頂は遠い。
 そのうち、樹林帯から追い出されて雪田の残る大沢に出る。振り返ると知床5湖(のうち2〜3湖)が見える。休憩。
 上にはたくさんの花が咲いていてきれいだ。濃い紫が鮮やかなエゾツツジや、サクラソウのようなかわいい花も見られる。
チングルマはもう花は散ってヒゲをなびかせている。お花の撮影場所をめぐっては争いまで起きている。カメラを持つと強い・・・。

 岩場を登りきるとようやく見晴らしのきく羅臼平に出る。
出るが、左に硫黄岳などの連山、右に目指す羅臼岳が・・・遥か遠くに鎮座している。何だかようやくここまで辿りついたのにまだまだの感じがする。
気を取り直して、最後の登りにかかる。23人中、荷物をデポしたのはたった二人、私を含め、みんな重い荷物のまま頂上を目指す。




             
     羅臼平より山頂をめざす


 ここからは道の左右に海が見え、北方領土の国後島も見えてくる。暑いのが辛いだけだ。・・・ゆっくりハイマツの中を登っていくと、「岩清水」が待っていた。
 これは岩壁から清水が幾重にもしたたり落ちてくるもので、これは飲んでも大丈夫。冷たくて本当においしい。やっと生き返る心地がする。
 あとは岩場の連続だ。どうやらストックが一部故障したようなので使えない。登りはいいが、下りが不安だ。
 ・・・大勢の人が(ほとんどは極楽平に荷物をデポしているので空身で)登っている。大きな岩を登っていくが、足取りの危なっかしい人も見受けられる。
 上には虫がいる、と教えてくれるひともあるが、これは去年もいた虫のことだろう。黒くてコガネムシのミニチュア版みたいな形の7ミリほどの甲虫で、黄色い汁をだし、ぶんぶん飛んでいる。
 一杯いるので体にもとまるし、岩の上にもいる。ザックを背負い直すときは要注意である。
  山頂は見晴らしもよいが、余り広いとはいえず、混雑してきたので少し降りることになるが、結構足場が悪く、ボーっとしていると怖いこともある。岩場を降りきらないところで日陰を見つけて休憩。
 お昼やおやつを食べる。絶景かな。
両手に海、前に硫黄岳などの知床の山々。頑張った甲斐があるとはこのことだ。
 休憩後、また岩場を降りていると、上から悲鳴が聞こえる。あとで聞くと、男性がまっ逆さまに落ちたそうだ。怖い怖い!巻き込まれたらもっと怖い。・・・ またしても岩清水で一休みして、極楽平経由で下山する。
 よく歩いたが、充実感で一杯だ。あれだけ遠いと思った道も下りとなると何だかとても短くなるように感じる。(といってもこれはやはり長かった。)
 平地だとしても往復14キロ、これが山道だから・・・。人間の足は素晴らしい。
朝5:20に登り始めて、下山したのは14:20だった。行動時間は9時間になる。しかし目下だれも故障者はいない。
足並みも揃っている。すごい。
  今日も少し移動がある。明日はもう1つのメイン、斜里が待っている。今日の宿は小さいので公共施設の大きなお風呂に寄ってから宿に入る。
小さな食堂の二階が民宿になっている。
 ここは夕食が大変豪華?だ。ごはんも真っ白でおいしい。おかずは魚尽くし。ホッケの煮物が珍しく、刺身も新鮮、味噌汁もおいしく、みんないつも以上にお代わりをして食べている。
 リーダーは3杯もお代わりしてる。ごはんがおいしいと疲れも吹き飛ぶ気がする。近くの広場で盆踊りをしているので、リーダーは出かけていく。元気だなあ!
・・・我々は部屋で尽きることのない荷物整理をしている。何となく、出したり入れたり。全然減らないのが不思議だ。

 さて今朝もおにぎり。1個の3/4食べるのがやっと。今日はコースタイムは昨日より短いのでちょっと油断したようだ。
 斜里は行きに沢コース、帰りに新道となる。清岳荘から登りはじめる。
 雲行きが怪しい。とにかくロングスパッツをつけて渡渉?に備える。すぐに道は沢を渡り、また戻りと渡渉を繰り返す。
 所々は岩にしがみついたり、鎖やロープに頼って登っていく。・・・雨が降り出したので、余計に条件が厳しくなる。
合羽を着てしまうと誰が誰かわからなくなる。他の登山者も多いので、抜きつ抜かせ?つ行くうちに列の間に他の登山者が入りこみ、先頭と随分離れてしまう。
 最後尾は女性のMリーダーなので、4人ほどまとまって登ることになる。
濡れた岩の上を登ったり降りたり、激しい流れを石伝いに渡ったり、結構スリルもあり、人によっては危険も大きい。
 少し緊張する。本来なら、左右のたくさんの滝をめでながら涼しく歩いていくはずが、雨の中、合羽のせいで身動きがとれず、足は上がらず、暑い。
 すべるので前の男性は岩から落ちそうになるし、予想以上に大変だ。

 ・・・ようやく上二股で新道と合流するが、なおも沢は続く。沢を離れ稜線に出るとこんどは強風が待っていた。左へ曲がって尾根を登る。
 めがねが曇ってよく見えない。やはりめがねのMリーダーと「めがねは不便だよね。」と言いながら登っていく。
 しばらく歩くとようやく山頂に着くが、強風とガスで何も見えず、吹き飛びそうだ。砂粒が容赦なく顔を打つので痛いし、目も開けていられない。
 何とかリーダーが集合写真を撮ってくれて、ともかく降り始める。さっきの稜線まできて、脇のほうで風を避けて休憩する。
 下りは山道の新道コースを取る。まだ雨。
このコースは随分と登らされる。うっそうとした原生林の中で、今度こそヒグマが出そうだ。
 写真撮影の人や合羽の脱ぎ着で、列の途中に間が空くと、森の中で孤立した感じがする。怖い。
 あわてて後を追って走らざるを得ない。こういう場合、列の後方は大変である。昨日壊れたストックを騙し騙し使っているが、短いので前傾姿勢となり、ちょっと不安定だが、何もないより遥かにマシである。ともかくも孤立しがちな後方部隊だった。

 登りに飽きた頃、休憩時に顔に違和感を覚える。虫に刺されたらしい。まずい!他の女性も何人か刺されて見る見るうちに腫れ上がっていく。
 あの腫れは数日治らず何とも始末が悪い。どうしよう!・・・2箇所もさされたらしい。ともかくも急降下が延々続くようになると下二股は近い。
 泥だらけになった頃、ようやく合流地点へ。リーダーとも合流。あとは渡渉を繰り返しつつ清岳荘にもどるだけだ。
 この頃には雨もようやく上がりかけて、合羽は着ている者、脱いだ者、まちまちだ。・・・ようやく登山口へ。今日は5:30出発、13時だった。行動時間7時間30分。
 これからまた移動。とはいえ、大物はすべて登り終えたので、みんなの表情も明るく、「満足」と顔に書いてある。
 私たちは最後だったので、清岳荘でバッジやTシャツを買う暇もなく、顔を洗ってトイレに寄ると、もうバスに向かってさっさと行かないと、みんなを待たせてしまうことになる。これから川湯に戻って明日は摩周岳。バスで摩周湖の下見?に出かけるが、「霧の摩周湖」で何も見えない。・・・本日のお宿は「ホテル川湯パーク」。ホテル!みんなの期待が高まる。

 部屋は広く、5人で一部屋。親しいメンバーばかりで一室となり、盛り上がる。夕食はなかなか盛りだくさん。
それにしてもみんなの食欲はものすごい。体調も考えて、それでもいつもよりはたくさん食べるのだが、残すものもあり、「何で食べないの〜?」といわれると辛い。(偏食ではなく少食なんです!)
 アルコールも入って大声で歓談?しているので、他の宿泊客の視線が痛い。ともかくも明日で山も終わり。大変な山ではないので気は楽だ。温泉に入ってゆっくり休もう!

 毎日5時出発。今日も霧の摩周湖のようだ。駐車場からも何も見えない。ともかく歩き始める。虫に刺されたところは意外と腫れていない。
 塗っていたいつもの軟膏のお陰だろう。さらにその上からステロイドの軟膏も塗ったし。こういう場合にはステロイドも役に立つようだ。お岩さんにならずに済んだ。
 今日も涼しい。帰りまでに摩周湖は見えるだろうか。・・・まさに散歩道をどこまでも歩いていく感じ。霧で涼しい。
 木々の間をすり抜けたりくぐったりしながら時々開けた場所に出ると、夏の名残の花と初秋の花が微笑んでいる。今日は花を探す余裕もある。
 ハイキングコースといってもいいだろう。ツリガネニンジンやヤマハハコ、リンドウも咲いている。カメラでパチリ。昨日は雨で写真を撮れなかった。・・・延々歩く。
今日も7.2キロの行程だ。ようやく急登にかかり、ガレて危ない頂上に着く。何も見えない。仕方ないので帰路につく。まだガスっている。急坂を降りれば、またどこまでも平坦な道が待っている。
 ところが、歩いているうちに霧が晴れてきた。振り向くと突然摩周岳が見えてくる。随分と立派な姿だ。湖面も見えてくる。みんなカメラを向ける。深い青い湖が全容を現す。



           
        湖をバックにした摩周岳

 あっというまに霧は消え、カーテンを開け放ったように素晴らしい光景がどこまでも目の前に広がる。ちょっと進んでは歓声が上がり、パチパチ。
湖を約半周するので、山も湖も角度がどんどん変わる。
・・・しかし、今度は暑くなってきた。
日陰が無い。暑い。駐車場はまだか?!
 どこまでも道は続く。まだまだ。振り返ると摩周岳も遠い。あんなに遠い所まで行くのだ、と行きに見えていたら、ショックを受けたことだろう。霧に感謝。
 まだかまだか、もう疲れた、と散々文句を言ううちにようやく終点。車でぎっしりだ。しかし私たちはこれで「終わり!」と言えてもドライバーの”社長”はこれから遠距離移動。ご苦労様です。いつも安全運転で、とても有難い。
 これから室蘭まで走る。フェリーは深夜11:30出航。 日勝峠を越え、札幌を越え、バスはひた走る。

・・・帰りの船はやや小ぶり。あまりきれいではなく、食べ物もいまいち。ともかくも、きれいなフェリー・ターミナルで比較的豪華?な食事をして、乗船。
 すぐにお風呂に直行!数日ふりの洗髪。やっとほっとする。あとはまたまたゴロ寝。
・・・ところが、船の揺れること揺れること!!!大波小波で棚の荷物はあっちへズズズ、こっちへズズズ。寝ている本人も「わ〜揺れるなあ!」だいじょうぶかなあ。台風崩れの低気圧のせいらしい。
 船室もギシギシ音をたててしなっている。
・・・いやな予感のまま朝になる。やっぱり大揺れ。
 とても朝食が入りそうにない。それでもリーダーは食事に行った。・・・リーダーが食事から戻って来ると「寝ていると揺れに体が合ってしまってかえって辛いよ。」というので、気合を入れて起きてみる。
 なんとか食堂へ向かうが、揺れのため、まっすぐに歩けない。
食堂ではMさんたちが食事をしている。椅子が動かないように何と紐で床に縛り付けてある。
 しかし、揺れているものの、窓のない部屋でゴロゴロしているよりはずっと気分がいい。海が見える。波が豪快に立っている。

ともかく洋食のセット(高い!たいしたものは出ない。)を食べ始める。・・・朝,パンだと何とか食べられる。
 ここで去年同様のコメントを!「朝食で一番おいしかったもの、それはオレンジ・ジュースです!」
・・・気分が変わらないうちにさっさと食べてしまう。これで少し安心。
 あとは展望デッキに行って、昼寝の続きとしよう。ソファのうえでしばし睡眠タイム。
 昼近くなるとようやく揺れもおさまって、みんなも動き出し、ほかに行くところもないので、何となくこのデッキに集まり、三々五々歓談する。
 リーダーもここで寝ていた。(お疲れさまでした。)
 確かに波もだいぶ静かになって、普通の揺れに近づいてきた。

 2時からミーティング。みんな満足そうだった。交通費、宿泊代、その他(船内の食事と、山行中の各自のお昼代以外)全てで何と6万円ほど。格安である。日数はかかるが、フェリーの強みでもある。
また、リーダーの諸般の手配・配慮には本当に頭が下がる。全くのボランティアなのだから。
 こうして船は夕刻6時に大洗に着いた。これから池袋まで戻る。
翌朝から早速仕事(夏期講習)で、ちょっとこたえたが、大満足、充実の山行だった。


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