横尾山 2002年6月29日

信州峠(林道経由)〜横尾山〜信州峠(登山道)


梅雨というのに週末の山行はここ3回ともお天気は何とか持っている。
今日は横尾山。山梨百名山である。
バスは信州峠へ。今日は登山道のピストンではなく、珍しいお花を求めて林道歩きから。1/25000図では私の持っている平成10年版には実線で載っているが、少し古いと記載がない。道は峠のすぐ先にあり、広い林道で、「入山を禁ず」と大きな看板が・・・。(山菜取りをしてはいけません、ということらしい。罰金10万円とある!)

 ゲートをくぐって歩き出す。平坦で雑談に花が咲く。
確かに山菜には疎い私でも分かるくらい、道の両側に一杯・・・。でもタラの芽は大分詰まれている。かわいそうに、枯れてしまうまで芽を摘むのは登山者ではないと思いたい。
とはいえ、こんなにあるので、つい「天麩羅にしたらおいしいだろうなあ。」と考えながらも、普段から私は摘まない主義なので。

 車も通れる広い道だが、結構お花が咲いている。ヤマオダマキ、アザミ、今週もクリンソウ!下の方はもう花が終わっているが。

<クリンソウ>

 とにかく道なりにどんどん歩くと目の前に横尾山が見えてくる。特に登山道があるわけでもないそうで、Iリーダーの「さて、ここらから登りますか。」に従って、間伐の後の丸太を跨ぎながら山に分け入ってみれば、イチヤクソウの葉がいっぱい。
一生懸命に踏まないように気をつけるが、さすがに・・・ごめんなさい。
所々にベニバナイチヤクソウが咲いているのを見ながら道なき道を行く。

 すぐに傾斜が急角度になって、横尾山に向かって斜面を一気に上っていく。

<えっちら おっちら・・・> 

 雨の後でもあり、滑る急斜面であえぎながらも登っていく。今日おろしたばかりの白い夏用ズボンも裾が泥だらけ。ヤブ漕ぎで、引き裂きを作らないように注意する。この斜面には所々に赤い巡視路用の杭が打ってある。
 結構きつい登りが続くが、ようやく上から「稜線に出たよ〜!」と声がする。
確かに前方が明るくなってきた。

 最後のひと頑張りで飛び出したところは実は頂上直下といってもいい稜線の登山道だった。あれ、という間に頂上へ。
頂上には山梨百名山 横尾山とある。皆さん順番に記念撮影。
今日はちょっとガスっているので展望はあまりよくないが、ひとまず昼食休憩に入る。

<頂上にて>

 まだツツジも咲き残りがあり、アヤメやグンナイフウロの紫色が目を楽しませてくれる。ただ、小さな虫が多い。そろそろ虫除けスプレーの季節だなあ。

さて、下りは登山道。山頂がなだらかなので、しばらくは高原漫歩気分で歩ける。
カヤトの明るい道だ。惜しむらくは展望が殆どなく、目の前のミズガキ山もうっすらとしか見えない。でも、目の肥えたみんなは次々と珍しい花を見つけていく。
「あれ、これムラサキじゃない。」・・・ムラサキ?

<名はムラサキでも白い花>

 後で調べると、何とまず見られない花なんだそうで、根を紫色の染料にするためにこの名がついたそうだ。
このカヤトはオレンジのツツジにアヤメやキンバイ?、グンナイフウロに、僅かに花芽の出始めたヤナギランにギボウシなど、お花畑だ。

 晴れていれば景色も素晴らしいであろうこのカヤトで、今日の参加者の自己紹介をして、最後の展望を楽しみ、信州峠へ向かって林の中に入っていく。
湿ったコケと濡れた石でやや急降下する道は滑りやすい。
 やや暗い涼しい山道を降りていくと、時々ミヤマカラマツの白い花がかわいらしい。しばらく行くと、今日もギンランが。

 信州峠に降りると、もう1団体が降りてきた。私たちより後に頂上に来て、もう降りてきたということは、かなりの早歩き。お花はゆっくり見られましたか?・・・バッジをつけているのでツアーらしい。私たちが見つけた花の名を告げると非常に羨ましがっていた。

 Iリーダーのお話では、山ではゆっくり歩くこと、これが事故防止には一番ということだった。下山時、特にもう30分で到着、というあたりが一番危険で、そこでもう一度休憩を取るのが大切という言葉に深く頷いた。
 時々無意識のうちにもピークハントだけを目的に山行に申し込んでしまうことがある。山、高きがゆえに尊からず、ピークをめざす過程をこそ楽しまなくては。
花を愛でるこころが事故防止のポイントだろう。

 何のために山に来るのか、もう一度考えさせられるよい機会となった。


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