夜叉ヶ池と三周ヶ岳   2005年6月19日

コース:[福井県側ルート]
登山口5:18〜5:55夜叉ヶ滝〜6:04トチの大木〜7:48夜叉ヶ池8:00〜9:26三周ヶ岳9:40〜11:05夜叉ヶ池11:35〜夜叉ヶ滝〜13:20登山口


金曜日の夜の新宿は、山へ行く人たちのバスで一杯だ。それでも、何となく格好を見るだけで我々のグループは見分けがつく。皆、山慣れているからだろうか・・・。

今回は福井・岐阜県境の伝説の池、夜叉ヶ池と三周ヶ岳。特に玉三郎の映画で有名になった夜叉ヶ池に是非という人でバスは2台となった。
夜10時に出発するも、登山口着は朝5時を過ぎた。遠路遥々来るだけの魅力がある池なのだ。

降りたとたんにキョロロロロ・・・と尻下がりの赤ショウビンの声。わ〜見たいなあと思うが、トイレに行って、歩くしたくをして、ストレッチをしているうちに出発となる。

立派な石碑と大きな鳥居をくぐって、左へ入って行く。

暫くは沢沿いに歩いて行くが、緑が瑞々しくて、
何となく木も草も伸び伸び育っている感じがする。

ショウジョウバカマの花が終わって
長い茎が沢山。それから
かわいいコアジサイが
微妙な色合いでずっと続いている。

イワウチワ(というよりはトクワカソウか。)の葉もピカピカだが、
もうすべて実になっている。
雪解けの頃は一面にお花が咲いていることだろう。

しかし、沢沿いの道は滑りやすく、濡れているので
足元には十分注意が要る。
滑って沢に落ちたらただでは済むまい。

水平に近い道を歩いていると沢音が涼しげ。

最初のポイントは夜叉ヶ滝。

そのあと、新しいしっかりした木の橋を2つ渡る。

その先には、トチの巨木が2本。

本当にどっしりと山に根を下ろし、 圧倒される姿だ。

他にも大きな木は沢山あって、豊かな森である。
沢筋を離れ、いよいよ登りが始まると、蒸し暑い。

コースタイムでは池まで2時間になっているが、
人数も多いし、歩き慣れない参加者もいて、ややゆっくり。

まだ朝早いので誰にも会わない。

夜行明けだし急登で、ペースは上がらない。
これ幸いと、花を求めてキョロキョロ、カメラを向けて楽しむ。

道はよく整備されているものの、山のつもりでないと厳しいだろう。

ピンボケになってしまった・・。

珍しい花だと思って調べてみたら、
アオホウズキというらしい。

うつむき加減のかわいい花だ。

(図鑑だといろは薄い緑のようだ。)

登山道の脇に沢山咲いている。
蕾がいくつかあった、ササユリ。

せっかく咲いていた1輪も、
花は谷間の方を向いていて、
残念。

適宜休憩を取りつつも、夜叉ヶ池に到着。
静かな池だ
湖面に頂が写っている。

池の周囲にずらっと並んだ白い塊は、
紫陽花かと思ったら、
モリアオガエルの卵だという。

それを狙って、池には小さいイモリがた〜くさん。
結構かわいい。

池には夜叉ゲンゴロウ(体調1センチほど。)が、
ス〜イスイと泳いでいる。

    しばしの休憩後、池に残る数人を置いて、三周ヶ岳に向かうことになる。

池の木道を進み、ちょっと上がると稜線に出て、
見事なお花畑に歓声が上がる。ニッコウキスゲ、イブキトラノオ、アザミ。

さあ、ヤブ山という噂の三周ヶ岳へ。
まずはちょっとした岩っぽい稜線を上がり、
笹薮の中を歩いて行く。

笹はだんだん深くなり、周囲も見えない。自分の足元もよく見えず、案外痩せ尾根だったりするので気が抜けない。
虫もうるさいので、ネットを被ることにする。
(笹や枝が顔面を襲ってくるので、虫のためだけでなくともネットがあったほうがよい。)

まずお一人が池に戻る、と離脱。
それから寄ってくる虫と背丈ほどの笹と格闘しつつ、ちょっとした岩場を登って、しばしの稜線漫歩

・・・を楽しんだかと思うとまた笹に埋没。

何となく空模様も怪しくなり、随分先?に目指す頂が見えてきた地点で、諦めて降りる人を募ると10名ほど。

このヤブと、遠そうな山頂に諦めてのことだろう。

(一番奥が三周ヶ岳。)
残った27名で、どんどんピッチが上がる。
池からのコースタイム1:30ではとても到達できないかに思えたが、
小さなアップダウンを順調に超えて行き、空も明るくなって、何と1:25で到着。
足並みが揃うと凄いものだ、と感心。

頂上は小さな小さな広場で、1等三角点がある。

寄ってくる虫に閉口し、時間を気にしつつ下山開始。
この頃には登山者も大分上がってくるようになる。

それにしても笹を分けて歩くのは大変。
道ははっきりしているものの、両側から深い笹が覆いかぶさってくるので、一瞬ルートを見失いそうだ。

滑ったり石車に乗って落ちたら大変!と一層慎重に歩く。

岩場も何度か越えるが、最後の岩場は後ろ向きに、3点確保で。

手がかりは豊富にあるので落ち着けば何でもない。

地図を見ながら、そろそろ池かな〜と思ったが、まだ「起伏」を2山越えないと池が見えてこない。

ようやく池が見下ろせる絶景のポイントに来ると、稜線には沢山の人が上がっている。ここは絶好の撮影ポイントだ。



まさに神秘的な夜叉ヶ池。

池に戻ってお昼を食べ、下山。
ところが、夜行の疲れもあるし、足元が滑りやすく、急坂はコワイ。足取りは自然と遅くなる。
これが雨だったら本当に怖いだろう。
梅雨というのに晴れ女各位の威力で(雨乞いの池に行ってきたのに)晴れているのは有難い。

つづら折になるともう沢沿いの平坦な道は近い。
沢音が励ましてくれる。
滑る足元に気をつけつつ、トチの大木に別れを告げてればもうすぐ登山口だ。

また橋を2つ渡って、滝を見て、充実の1日を振り返る。

それにしても大遠征の1日だった。


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