簗谷山   2009年5月15日夜〜16日

コース:登山口5:43〜南尾根ルート〜6:11休憩6:25〜8:14山頂8:35〜ぶなの木ルート〜9:50登山口   


久しぶりの夜行で飛騨の簗谷山(1213m)へ。東京からは本当に遠い。
ICを降りてからも長く、飛騨金山の森キャンプ場から簗谷林道に入り、駐車場へ。夜明けと共に野鳥の声が賑やかだ。
午後から雨の予報も、何とか山にいる間は持ちそうだ。降りるとひんやりする。

案内板を確認し、周回コースで登り始める。自然林が美しく、余りお花はないが、静かな山だ。
ただし、自然が豊かなだけに、熊との遭遇情報もあり、鈴を鳴らしながら歩いていく。シハイスミレの葉が沢山見られ、春先は綺麗だったことだろう。
登り始めて45分ほどで「小鹿の涙」という小さな滝に出る。よく見ると、岩肌にはイワタバコの小さな葉が見られる。

小鹿の涙

ヒルがいるかとよく見るが、まだ大丈夫なようだ。そういえば、さっき鹿が走り抜けていったっけ。

ルートはしっかりしていて歩きやすい。すぐにヤマツツジのオレンジの花が目に付くと思ったら、シロヤシオが満開で真っ白だ。

 シロヤシオ

この花が見られるのは聞いていたが、予想以上の数で、花付きもよく、歓声を上げながらレンズを向ける。
老木もあって、足元には小さな木もたくさん。何年も楽しませてくれることだろう。

もう1つ目に付く白い木の花はマルバアオダモと名札がついている。登るに連れて景色がよくなるが、期待の御嶽山はどこ?
新緑というよりは若葉の樹林帯を登っていくと、まだ新しい枝が随分道に落ちている。上でだれかが食べ散らかして、枝葉が落とされたようだ。
これはやっぱり熊の仕業?と一層鈴の音も高らかに鳴らしながら歩いていくとついに緑のフンに遭遇。しかも熊笹の中で何かが動く音が!

うっそ〜!と思って身を固くすると、猿の声。ああ、あの向こうの木の上で猿が枝を揺すっている。
な〜んだ、猿か、とほっとする。

左から尾根がぶつかってくると頂上。三角点があり、望遠鏡もあるがカバーがかぶせてある。晴れていれば大展望だろうが、今日は・・・と諦めつつ大休止をしていると、雪を頂いた御嶽の山頂がうっすらと姿を現した。さすがに立派だ。

 山頂   御嶽山

満足して腰を挙げ、今度はぶなの木ルートを下る。ヤマシャクヤクの情報があり、目を凝らすが見当たらない。
ブナの木が多く、大木や風雪を感じさせる幹、うろになった幹など樹林だけでも充分堪能できる。少し急とはいえ、危険のない分かりやすい道だ。

花は、タニギキョウ、クワガタソウ、まだ咲いていないフタリシズカ位でちょっと寂しいが、自然林の豊かさを満喫して歩くのは格別だ。
そのうちにようやくヤマシャクヤクの木をみつけるが、どうやらもうとっくに終わってしまい、実をつけている。花の時期が短いので仕方ないかもしれない。

それでもお目当ての花にめぐり合い、森林浴を楽しんで、遠いこの山まできた甲斐はあった。
この静かな山の自然がいつまでも残るようにと祈りつつバスに乗り込んだ。

帰路は「寝覚めの床」と、奈良井宿の二百観音などを見て、権兵衛峠のトンネルを抜けて、渋滞も無く都内にもどった。


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