矢倉岳   2004年12月5日

コース:万葉公園から往復


12月というのに季節はずれの台風や、猛烈に発達した低気圧の影響で、数日前から天気予報には随分気を揉んだ。
気分も体調もいま一つで、何度もキャンセルを考えたものの、ここで休むと今月の山は全部見送りになりそうな気がして、何が何でも参加しようと決心する。

直前の予報では、夜半にかけて暴風雨(警報も。)なるも、午前9時には晴れてくるというものだったので、朝だけ我慢すれば、との思いで布団に入る。

が、起きてみると外は台風そのもの。暴風が唸っている。どうしよう・・・。今回は久々に母も一緒である。風の音を聞いていると、とても歩いていけそうにない。大体電車が動いているのかどうか。

ともかく駅まで行ってみよう、とスパッツに合羽の上下の完全武装で外へ出る。

唸る風に比べると雨はさほどでもない。
ところが、家から一歩出ると傘はお猪口になり、足が前に出せない程の暴風だ。もし外れた看板でも飛んできたら、冗談抜きで命が危ない。
数回ブロック塀の陰などで風を避けながら、やっとの思いで駅にたどり着く。電車は動いているようだ。

集合場所についてみると、気温は22度となっている。12月というのに汗ばむほどだ。
強風は上空を吹き荒れているが、何と青空が見えている。天気の回復は早そうだ。

バスに揺られて東名を行く。恐ろしい勢いで雲が流れて行く。
計画では矢倉沢から矢倉岳を経て万葉公園のコースだったが、この強風とメンバーの足並みを考えて、楽な万葉公園からの往復となる。(これを聞いてほっとする。)
万葉公園までマイクロで登っていくと、道は暴風で折れた小枝で一杯だ。まさに台風一過、山は荒れているのでは?と不安になる。

公園に着いてみると、右手に矢倉岳がよく見える。


矢倉岳

この山は富士山の展望で有名な山。年賀状に最適の写真が撮れるだろうか。

幸い、こちらからのコースタイムは短いので、気持ちに余裕がある。先頭のIリーダーとおしゃべりしながら歩いていると、母が遅れている。時々立ち止まって調節する。
道も平坦で、時間もあるので、木の根に気をつけるよう指示しておく。

すると、向こうから男性がやってきて、この先に木が倒れていて進めないので、戻ってきたと言う。
すぐ先だというので、とにかく行ってみる。
なるほど数本の木が根こそぎ倒れ、跨いだりくぐったりでは進めそうにない。

結局、左手の尾根から高巻いて、その先の登山道に降りようとするが、足元が柔らかく、母には厳しいようだ。
何度か足場を指示しながら、ゆっくり降りて行くと、皆が待っていてくれる。

倒木帯はもう1箇所あり、何とか迂回していくが、倒れる寸前の木も多数あり、足元にひび割れが走っているのは余り気持ちの良いものではない。

倒れた木の根は一様に浅く平らに広がっており、強風に耐えかねたらしい。この先にまだ何箇所もこういうところがあると難儀だと思ったが、幸いほかは大丈夫だった。

送電線の下をくぐるあたりで矢倉岳が目の前に大きく見える。
最後はちょっと急登なのだろうかと思うが、ゆっくり歩いてもらっているので、今日は母も大丈夫そうだ。

登り始めると一気に視界も開け始め、待望の富士山が現れる。
裾野を引く姿はやはり素晴らしい。たちまち撮影タイムとなる。

急登ではあるものの、随時足を停めて撮影したり景色を堪能したり。ゆとりの山行である。

山頂はカヤトの広がる見晴らしのよい場所だ。


頂上にて

振り返ると湘南が見える。江ノ島がちょこんと飛び出している。


海を望む

富士の右手には丹沢の連山、目の前には明星や金時山など、展望は素晴らしい。
早い昼食として、パンを齧る。
帰りも同じ道なので気持ちにも余裕がある。皆さんやIリーダー、お久しぶりのYリーダーに助けられ、何とか無事帰還。ちょっとしたスリル?と展望の山を堪能し、母も大喜びだった。

その後、某所で会員が集結し、久しぶりの再開を喜び合って、また散っていった。

お土産に求めた水仙が本当にいい香りで、楽しい山行の思い出となった。


矢倉岳からの富士山は本当に素晴らしかった。


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