移ヶ岳(うつしがたけ)・片曽根山(かたそねやま)・三春の滝桜   2006年4月15日

コース:
移ヶ岳:瑞峰平駐車場10:45〜西側登山口〜10:55神社11:10〜11:55移ヶ岳12:17〜東側登山口〜13:00駐車場
片曽根山(田村富士)、お人形様、三春の滝桜


復帰第2弾は福島の山。滝桜にも期待が高まるが、毎日サイトで情報を確認するが、今年は例年になく遅れていて、やっと蕾がピンクになるところまで。
それよりは、懐かしいみなさんとの再会を第一の目的に、集合場所へ急ぐ。

今回はご常連が多くて嬉しい限り。補助席まで使う人気のコースとなっている。バスに揺られる内に、4時台に起きたツケで睡魔に襲われるまま。
常磐道をひた走り、気がつくと季節が1ヶ月ほど逆戻り。ちょっと殺風景なセピア色の世界に驚く。
移ヶ岳は994.5mの立派な山だが、700mあたりまで道路が延び、殆ど遠足気分で登れるらしい。

私たちの代わりに、マイクロバスが喘ぎながら坂を上がっていく。それにつれて流石に展望も開け、安達太良の山はまだ真っ白な雪を戴いてどっしりと立っている。

着いたところは実に綺麗に舗装され、整備された瑞峰平の駐車場。
トイレもあるし、ベンチもあって、訪れる人の多さを物語っているようだ。
身支度を整えて、早速歩き始める。

思いのほか広い緩やかな道が目の前に伸びており、まだ芽吹いていいない裸の木々の向こうに安達太良を透かし見る。
あっという間に移ヶ岳神社。

お賽銭を入れた後、ちょうどよい広場でもあり参加者の自己紹介タイム。
じっとしていると寒さを感じる。
そうだ、桜もまだ咲いていないのだもの。

今日の顔ぶを確認後、ルートに戻る。相変わらず歩きやすい道が続く。ここで待望のスミレ発見。斑入りのシハイスミレ?なかなか華麗な姿にカメラマン殺到。

さて、コースにはしっかりした標識が設置してあり、迷うことは無い。
分岐を2つ過ぎると山頂への登りにかかる。急に道が狭くなり、滑りやすい山道となる。ロープが随所にかけられ、有難く利用する。
まだ体が山モードになりきれていないので、安全第一。

急登や滑る道を進んでいくと、また平坦になるが日陰には落ち葉の下に凍った箇所もあり、気が抜けない。
楽しいハイキングだけでは終わらせてくれないようだ。


移ヶ岳からの安達太良山

それでも、慎重に歩けば、直下の分岐を経て山頂へ。狭いながらも360度の展望は見事。
ここで昼食。狭い山頂でみんな譲り合って場所を確保。
今日はポットも大きめ、熱いお湯が嬉しい。

展望を楽しんだ後、下山。
降りてすぐの分岐を右折、しばらくはまた要注意の道を行く。
ロープもあるし、氷も残っている。
一部はロープを巻いた木が折れていて、掴まると諸共に転落しそうだ。声を掛け合って、慎重に足を進める。

それも束の間、UというよりVターンをするとまた長閑な道に戻る。すぐに東側の登山口に出て、あとは舗装道路を戻って駐車場へ。楽しい周回コースはもうお仕舞い。

次はJAショップを経て、片曽根山へ。ここは田村富士とも呼ばれる形の良い山だ。
前回寄った時は寒風が吹きすさび、背中を丸めて歩いたが、今日はお散歩気分。
駐車場から3分でもう頂上だ。

車道が上まで伸びているのは、有難いやらちょっと迷惑やら。歩く方も勝手なものだ。
先ほどの移ヶ岳が綺麗に姿を現す。
展望台まで少し足を伸ばせば、展望が楽しめる。ただ、標高は718mと、移ヶ岳よりは大分低い分だけ、やや迫力が不足か。

集合写真を撮って、階段を数歩でバスに乗り込む。
さあ、いよいよ三春の滝桜へ。といっても、花には期待できないが、せめてその枝ぶりの豊かさだけでも・・・。

途中、「お人形さま」に寄る。何かな、と小高い丘に登ると、これはびっくり。大きな『なまはげ』のような人形が睨みつけている。和製トーテムポールといった感じ。
大変由緒正しきもので、この地区には3体あるという。

これは「屋形のお人形様」で、背丈4m、お面は高さ125 cmの木彫りのもの。
ベンガラの赤、胡粉の白、砥の粉の茶、松煙墨の黒で彩色されている。
現在の面は昭和35年製で、以前の面は船引町歴史民俗資料館に収蔵してあるとか。
人形は右手にナギナタ、左の腰に刀をはさんだ姿となっている。

現存する幟に文化15(1818)年とあって、江戸時代この街道沿いに悪病が流行したため、魔よけとして立てられたという。
旧2月15日の「お衣替え」を、現在では旧暦の3月15日に行っているそうで、ついこの間替えたばかりだったようだ。(田村市HPの「船引のお人形様」の「屋形のお人形様」より。)

なかなか興味深く、現在まで続いていることからも篤い信仰を感じる。
こういうものを大切に受けつぐことは大切だと思う。

さて、滝桜はというと、もう3時を過ぎるというのに大型観光バスが駐車場に溢れ、上野公園の花見客を思わせる大変な人出だ。
観光客の群れに混ざって大分歩かされると、めざす滝桜が目に入った。
さすがに素晴らしい枝振りで、花が咲いておらずとも一見の価値がある。
紅枝垂桜ということで、蕾も赤みが強い。咲けば如何に美しいかは容易に想像がつく。

あ〜残念、と思うが、こればっかりは仕方ない。蕾を見て心眼で満開の桜を見る・・・。
桜をバックに写真が撮れるよう、広い舞台が2つも用意してある。ピークには本当に人が押し寄せるのだろう。この1本の桜だけで大変なことだ。

いつかまた満開の姿を楽しみに、福島を後にする。
今日は汗もかかない行程ながら、早起きと遠出とで、すぐに眠りに落ちる。
SAに降り立つとそこが満開の桜。道中も左右に桜を楽しみつつ、満足して帰路についた。


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