戸倉山

2002年9月7日(曇〜雨)


 伊那富士と呼ばれる戸倉山(長野県)は、南アと中央アに挟まれていて、展望が素晴らしいという。山自体はハイキングという感じのようだが、久しぶりの山歩きでもあり、楽しみだ。
とはいうものの、朝からどんよりと重たい雲が垂れ込めている。今日もだめかなあ・・・。

 ファイルしてあった山渓の「週末の山歩き」に載っていたので、下調べも楽だった。アクセスは中央道「駒ヶ根」ICで降りて、天竜大橋を渡り、あとは「駒ヶ根CC」の標識を辿っていけば、間違いなく途中で「戸倉山キャンプ場」の標識に出会える。
最後はマイクロでは道幅一杯の狭い道になるが、小ぢんまりとしたキャンプ場に到着。バンガローの奥にトイレもある。

 さすがに遠く、渋滞もあったので歩き始めたのは11:00を回っていた。
道は整備されている。ツリフネソウの赤い花が綺麗だ。
 樹林帯の中、静かな山を登っていく。


<戸倉山の登山道>

途中には"二本松"や"馬止めの松"、"天狗伝説の岩"などがあって楽しめる。


<天狗岩を臨む>

足元は所々ふかふかの腐葉土で、クッション具合が気持ちいい。だんだんガスってきたけれど、やっぱり山はいいなあ、と思いながら歩く。今日は息も苦しくならず、楽しく登れそうだ。

 しかし、余り花はめぼしいものがないようだ。ときどき白い小さな花をつけた草が生えている。後で調べた所では、オオバショウマ(小さな玉のようなつぼみがかわいい)や、カシワバハグマ・モミジハグマなどが目立つ。
号目表示もしっかりしていて、地元の人に愛されている山なんだなあ、と実感する。金明水に来ると少し開けていて、マツムシソウが咲いている。


<金明水(水場)>

小さな東屋にはなんと天井にいくつもの大なべがつるしてある。これで芋煮会なんかやったらいいだろうなあ!水場もあり、景色も(きっと)よい(に違いない)から、絶好の場所だ。
このあたりからとうとう雨が降り始め、遠くでゴロゴロ鳴っている。また登頂間近で・・・?!と姫神山の恐怖が頭をよぎる。

 もうひと頑張り、合羽を着て汗をかきながら登っていく。
頂上には山名の標識、不動明王?の石像のほか、登山者ポストと、見える(はずの)周囲の名山の標識があって、みんな悔しがる。
しかし、ここは地図上の頂上ではなくて(?)少し先に三角点のあるピークがあるので、そこを目指す。ミニサイズの双耳峰になっていて、25、000図ではピークはここになっている。さっきの"山頂"の右手奥へ回り込むようにはっきりした道があるので、迷うことはない。

 ノンビリ登って1時間40分で山頂に着いた。(三角点まではあと5分)あとは霧雨の中、下山にかかる。ありがたいことに雷は収まったようだ。
濡れてすべるので慎重に降りる。が、視界もさえぎられ、あっという間に1時間で降りてしまった。
降りてくるとキャンプ場にはいる所に鉄線を張ってあることに気付いた。熊よけだろうということだった。食べ物を求めて熊が下界に下りてくるようになったのは日本中どこでも問題になっている。熊が悪いわけではないので、複雑な心境だ。
とにかくも、ひさしぶりの山を楽しんだ1日だった。


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