天狗山・男山   2008年5月16日夜〜17日

コース:馬越峠5:35〜6:35天狗山6:55〜[休憩20分]〜9:05男山9:30〜11:00御所平


以前から歩いてみたかった天狗山〜男山。ツンと尖った二峰は川上村からとても目立ち、岩峰ならではのスリルも期待できそうだ。
Hリーダー以下、今回は14名、ちょうど良い人数だ。日帰り圏内だが、今回は夜行とし、早朝から歩くことになっている。
問題はお天気。予報では、朝から雨→午後から雨、と多少改善したものの、どうやら降るのは確実のようだ。

さて午前2時には信濃川上駅に着き、しばらく仮眠の後、5時に登山口をめざす。
心配の雨は、夜が明ければ空は明るく、全く降る気配もない。これなら問題なく行動できそうだ。(ふふふ、やはり私は晴れ女?)

さて、何度もカーブを切って林道を登り、着いたところは馬越峠(1650m?)。峠を挟んで2,3台ずつの駐車スペースがあり、「天狗山自然環境保全地域」の標識。
雨が降る前の下山を目指して、早速歩き出す。急登だが、何と今日もヒメスミレサイシンと会えるとは。しかも、こんなに沢山、と感動していると、今度はツバメオモトまで。 まだ蕾に近いがかわいい株だ。

ヒメスミレサイシン ヒメスミレサイシン ツバメオモト ツバメオモト

これで、夜行明けの重い体も、すっかり元気を回復。さあ、他にどんな花が咲いているのだろう。・・・日も差してきて、高曇り。急登も苦にならない。

葉を広げたこの群落は?と目を凝らせば、僅かに赤い蕾の形と色からベニバナイチヤクソウに違いない。咲いたら一面のお花畑だろう。
登るにつれて展望も開け、一時間ほどでもう天狗山(1882m)。これから登る男山の背景に、まだまだ雪を頂いた八ヶ岳が聳える素晴らしいパノラマだ。

 天狗山より男山・八ヶ岳

朝食を兼ねての大休止、私はコーヒーと洒落込む。これだけでもう満足満足。

さて、ここから先は道は左へ急降下、一気に下った後で岩壁を右へ回り込んでようやく稜線に出る。足場の良いところで振り返ると、なるほど天狗山はそそり立つ岩峰だと納得。

さて稜線に出ると今度は明るい樹林帯。急に歩きやすくなって、一面のスミレ畑となる。タチツボスミレだが、アカフ・タチツボスミレのほかに、真っ白なスミレも。
タチツボスミレの白花タイプ、オトメ(乙女)スミレらしい。(希少でもないらしいが、私は初めて。)そして、ヒゲネ・ワチガイソウ(髭根輪違草)も。

オトメスミレ オトメスミレ ヒゲネワチガイソウ ヒゲネワチガイソウ

細かなアップダウンをこなしていくと、今度はシャクナゲの木が多くなり、進むに連れて岩場を越えてやせ尾根になってくるとシャクナゲの花も見られるようになる。
左手には瑞牆山や、金峰山が頭を覗かせ、足場を確認しながらも素晴らしい展望に何度もレンズを向ける。
男山も大分近くなってきて、振り返ると尖った天狗山、前には男山と被写体には事欠かない。

瑞牆山方面の展望  男山と八ヶ岳

大深山遺跡からの道を合わせ、男山直前の小ピーク手前で大休止。ここを巻いて行くと、岩の基部にヒメイチゲとツルネコノメ。

ツルネコノメ ツルネコノメ 花のアップ

最後の急登の手前に下山路(御所平への分岐)があり、帰りはここまで戻ってくることになる。
さあ、もう一息で男山(1851m)山頂だ。

高低差は少ないものの、岩場もあり、変化に富んだ縦走路の後に、この大パノラマ。

男山からの天狗山  八ヶ岳

今日は朝から雨、何も見えず写真も撮れずに歩くことを覚悟していただけに、本当に嬉しい。

さあ、あとは下るだけ。
先ほどの分岐に戻り、ジグザグに降りていく。急だが危険もなく、スミレ類もいろいろある。ヒメスミレサイシン、タチツボスミレ、アケボノスミレ、僅かにエイザンスミレの咲き始めと、涸れて痕跡になったヒナスミレ。

それからフデリンドウと時折ヒゲネ・ワチガイソウも。

フデリンドウ フデリンドウ

急降下が終わると今度は広い林道歩き。新緑の向こうに男山が顔を出している姿はなかなかのものだ。
「あんな高いところに登ってきたんだよ。」「凄いね〜。」と思わず自画自賛の声が。

樹林の向こうに男山

車も走れそうな広い林道は随分と長い。しかし、まだまだお花は一杯。あちこちにワダソウ(和田草)が咲いている。葯(ヤク)の赤い色がチャームポイントだ。

小さなイカリソウもあちこちに咲き、更にはアマナ、そして何と見事なササバギンラン(笹葉銀蘭)も。

ワダソウ ワダソウ アマナ アマナ ササバギンラン ササバギンラン

楽しい散策もようやく終わり、無事下山、待っているバスに乗り込む。
しかしまだ11時、これから「滝見の湯」に寄り、入浴+昼食タイム。
ゆったり2時間過ごした後で山ウドをお土産にバスに戻ると、ようやく予報通りに雨が降ってきた。

今週もお花に展望と、楽しく充実の山行だった。


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