丹沢縦走2006   2006年11月11日〜12日

コース:
11日:大倉バス停9:50〜10:55見晴茶屋〜12:10堀山の家12:30〜13:33花立山荘13:40〜14:20塔ノ岳
12日:塔ノ岳6:30〜7:20竜ヶ馬場7:27〜7:50丹沢山8:00〜8:40太礼ノ頭〜9:15円山木ノ頭9:20〜9:47本間ノ頭〜(11:15昼食11:45)〜11:52金冷シ〜12:11高畑山分岐〜12:53御殿森ノ頭分岐〜13:32三叉路バス停(宮ヶ瀬ダム)


久しぶりに丹沢の縦走山行へ。
朝、最寄り駅のホームに立っていると、ご近所のY子さんとバッタリ。Aリーダーの山行に行くという。今度またご一緒しましょうと挨拶して途中で別れる。
次に小田急線の列車を待っていると、ホームでMさんとバッタリ。嬉しいことに同じ山行とのこと。道中を楽しく過ごす。

集合場所に着くと、Tリーダーより荒天のためコースを変更して、大倉尾根からとのこと。大倉尾根といえば『馬鹿尾根』とも呼ばれる、階段が多くて長いルートとして有名だ。

幸か不幸か私はこのルートは初めて。皆さんから「長い長い」といつも聞かされているので、少々不安になる。その上、当初の予定の寄〜栗の木洞〜鍋割山〜塔ノ岳のルートに比べて標高差が大きい。(1000m以上ある。)

しかし、天気予報で荒天が予想され、雨が降っているにも拘らずキャンセル者は2名のみ。残り20名は雨にも負けず、低気圧にも大倉尾根にも負けずに塔ノ岳に登るのだ・・・。

渋沢駅からバスに乗れば、あっという間に大倉。随分立派な施設にびっくり。流石、丹沢登山の玄関口と言うべきか。

覚悟を決めて雨合羽を着る人、とりあえず傘で歩き出す人、様々だ。

雨の中、さあ出発。すぐに山道に入る。視界は不良。滑る足元ばかり見ていると折角の紅葉も目に入らない。小屋が沢山あるというので、ペース配分し易いだろうと思う。
すぐに汗が噴出してくる。体温調節の時に、半そでTシャツ1枚の上に合羽を着て歩くことにする。

黙々と歩いているがまだ暑い。ゴアの帽子を脱いで傘をさし、雨具もファスナーを開けて風を入れながら歩くことにする。ようやく涼しくなってきた。

そのうち、Kさんが不調を訴え、サブのHさんと一緒に後からマイペースで登ることになる。勝手知ったるコースなればこそ。
Tリーダー率いる本隊は、階段の続く尾根道を少しペースを上げて登っていく。時折は平坦な道もあるのだが、そのうちにまた土止めの急登を延々登る我慢の道である。

だんだん雨足が弱まって、今日初めてカメラを取り出す。ガスが辺りを包んで展望がない。しかし、所々に赤や黄色の葉が見事だ。

雨もほぼ止んだ頃、堀山ノ家に着き、昼食タイム。傘を広げずに食べられるのは有難い。長い登りもようやく先が見えてきたところ。地図を広げて少しほっとする。

雨で大荒れと思い、ポットも持たずに来たが、Mさんから熱い飲み物を頂いて、やっと一息つく。
かなり汗をかいているが、水分は余り補給しておらず、ザックは余り軽くならない。パンを齧り終わってまた歩き出す。ここから急登が続く。どこまでもどこまでも続く階段。話もできず、吹き付ける雨にどんどん顔をうなだれる。
何度か立ち止まりながらようやくの思いで花立山荘に到着。皆さんも結構辛そうだ。
ようやくの休憩に汗をぬぐい、水を飲む。


堀山ノ家前にて

もう一息、と歩き出すが、今度は強風が吹き付ける。ようやく金冷しに出て塔ノ岳への階段を登る。もう階段はいやだ〜と言いながら歩いていると先頭がストップ。何事かと見れば丹沢名物?の鹿が登山道を悠然と歩いている。立派な角の生えたオスだ。近くにメスも数頭。
人を怖がることは無いが、刺激しないよう、注意しながらまた歩き出す。

一段と強くなった風にあおられながらもようやく屋根が見えて、山小屋に到着。びしょ濡れだ。

濡れた雨具をハンガーに吊るし、荷物を整理する。疲労もあって動作はスローモー。
小屋の人がストーブを入れてくれたので、みんなその前に張り付く。

どんどん団体が到着してスペースが一杯になる中、大型ストーブの前で手際よく雨具を乾かしている人をみて、早速真似をする。
強力なストーブの火力でどんどん乾いていく。

何とか畳んでしまえるほどに乾かしてから二階の部屋に上がり、一休み。雨脚は強くなってきたようだ。
定番のカレーの夕食を済ませ、早めに横になる。明日は晴れるだろうか・・・。

満員の山荘から団体が順次出発して行く。まだ真っ暗な窓の外に素晴らしい夜景が広がっているが、確かに一見の価値がある。

大山の向こうの朝日
だんだん明るくなり、荷物整理をしたりストレッチをしたり。今日は天気も良いだろう。
朝食はおでん。温かいのが嬉しい。
外へ出ると横浜方面にはまだ重い雨雲がかかっているのか、時折雷が光る。

振り返れば真っ白な富士山。急激な冷え込みで一層雪が積もったようだ。
それにしても刺すような冷たさ。地面には真っ白な霜。山頂はもう冬。


竜ヶ馬場から塔ノ岳方面
さあ出発。長丁場だ。
今朝は霜の降りた木道を慎重に下りていく。吹き付ける風が冷たい。途中で何度も富士山を写す。

竜ヶ馬場まで来て一休み。振り返れば山頂にちょこんと尊仏山荘が見える。ようやく日が差してきて、気温もこれから上がるだろう。

ここからは丹沢山を経ていよいよ三峰へ。
三峰と言っても実際には5つあり、順に瀬戸沢ノ頭(1375m)、太礼ノ頭(1352m:西峰)、円山木ノ頭(1360m:中峰)、無名の頭、本間ノ頭(1344.9m:東峰)となっている。

最初の2つのピークはあっさり通過。

ちょうど中間点になる円山木ノ頭へは登り返しがきつい。その前に小休止。寒さ対策に、ザックの中から暖かい手袋やスカーフを取り出しておく。

頑張って本間ノ頭まで来れば『三峰』も完登。その後は尾根を辿る道が続いて行く。
この辺りも標識が整備され、丹沢山まで何キロ、宮ヶ瀬まで何キロとなっている。その合計は常に11キロ。

落ち葉が積もる道は、隠れた木の根と小石が曲者。時々その犠牲者が・・・。

転ばないように注意しながら歩き続け、そのうちに平坦な尾根道の続くあたりで昼食タイム。
ようやく落ち着いて辺りを見渡せば、綺麗な紅葉も。それに、だんだん大山が高く見えてくる。


大山
今日もMさんから暖かい飲み物を頂いて、体も心も温まる。
さあ、まだ先は長い。片付けたら出発だ。落ち葉が積もる道は、隠れた木の根と小石が曲者。

予想通り、僅かで松小屋ノ頭と金冷シ。
ここから先は食後で眠くなりそうな私たちをちょっと緊張させる箇所が続く。

ちょっとした岩場や崖に張り出した梯子、そして崩れた崖の上を越える箇所もある。バランスよく慎重に・・・。


小石に注意

梯子も沢山

安全第一
高畑山の分岐から先は山腹のトラバースが続き、結局もう1つもピークは踏まずに歩ける。傾斜も緩やかになり、また話し声が聞こえてくる。

気温も上がって1枚脱いだり手袋をはずしたり。
そのうちに、とうとうダムが見えてくる。

その割には距離は縮まらないが、あと3キロ、2キロとなって針葉樹の暗い林を行くことになる。
だんだん下界の物音が聞こえてきて最後の分岐。右は宮の平バス停とあるが、左に進んで少し行ったところで三叉路バス停に近い車道に下りた。

距離は長いが比較的静かに歩けるコースだろう。
それにしても何人かとすれ違ったが、このコースを逆にダム側から登っていくのは相当の覚悟が要りそうだ。


宮ヶ瀬ダムが見えてくる

  ご一緒した皆様へ



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