ルート:(板井沢方面)登山口〜樽峠〜高ドッキョー〜徳間峠〜登山口(興津川方面)
<登山口>
道はきちんと手入れされ、始めは沢にからみ、その後林の中を登って行く。
道がつづら折になってしばらくすると上から本日初の登山(下山)者数名と出会う。ヒュッテ樽(無人小屋?)で泊ったという。途中にも水場があり、ヒュッテへの分岐のすぐ先にもふんだんに流れる水場がある。登山道からヒュッテは見えないが、静かで水も豊富なら楽しく泊れるだろう。
いい道だねえとみんなで話しながら登っていくうちに樽峠に出る。11:17着。途中休憩を入れても1時間弱。展望はなく、十字路になっている。
<樽峠>
樽峠11:33出発。ここからは稜線歩き。稜線は展望がないのが残念だが、林の中をノンビリ歩ける。小山を昇り降りしながらしばらく歩く。
<アップダウンは結構あり>
そろそろお腹もすいてきた。
目の前に高いピークが目に入る。
<978m峰へ>
しかしこれはまだ目的地ではない。頑張って登るとここが987m峰、12:25着。ここで12:55まで昼食タイム。
<たまに展望も>
ここからやっと高ドッキョーが臨めるが、かなり大きく見える。
アップダウンの多さがだんだん足に効いてくる。
最後の登りは相当な急坂で、ここには雪が残っている。
アイゼンは要らないが、滑ること。ストックがあると少しは楽だが、立ち止まると滑り落ちそうになる。
息も切れ切れに、ようやく頂上か、と思うとまだまだ先がある。何段構えかになっていて、もういや、っという頃にやっと到着。
東峰を経て待望の高ドッキョ―、1:43着。北側だけ少し開けている。いい感じだ。
<高ドッキョー頂上にて>
さて、汗が引いたら下山にかかる。1:55、下りも急だ。雪があるので慎重に。
地図で等高線だけ見るとこんなに急とは思えないが、滑り台のような坂が続く。あっちこっちでズルっという音がすると身がすくむ。こんなところで転びたくない。
やっと少し歩きやすくなって、周囲を見回すと植生が変わった感じがする。赤い木肌の細い木々。ひめしゃらに似た感じだなあ、と思うが確かガイドブックには「りょうぶ」とあったのような。綺麗な肌だ。
<急坂が続く下山路>
しかし、これで終わらず、まだまだザレた急坂が続き、ロープに頼りがりになる。
その上、さっきからおニューのデジカメのご機嫌が悪くなり、とうとうシャッターを開けても反応しなくなった。あ〜あ。この先にはキレットだ、ロープだ、岩場だ、とあったので、張り切って写すつもりだったのに。・・・仕方ないのでカメラはしまうことにする。
さて、ザレた急坂の次は痩せ尾根が来た。ほほう、これがキレット?と思うが、まだこれは序の口だった。
<最初の"キレット"?>
どん、と落ちる痩せ尾根が延々続く。あらら、舐めると怖いかも。
ここへきて流石に36名(但し2班に分かれて歩いている)ゆえに不慣れな人もいて、だんだん順番待ちが長くなってくる。前からもリーダーの「慎重にね!」「慌てないでね!」と声がかかる。
こんな山(失礼!)なのにこの痩せ尾根は高飛び込みの飛び込み台に立ったのよう。
手の届く範囲に立ち木がない!これは・・・コワイ。
雨の日は危険極まりない。
ずっと白い新しいロープが張られ、有難く利用させてもらう。一箇所だけ足場の悪い斜面があり、ここはよく見ないとズルッと滑る。ただし、すべっても下は地面。手だけは離さないように・・・。
大人数で危険箇所を通過するので時間がかかるが、それでも(多少転んだり滑ったり躓いたりが数名あったものの)何とか難所は通過、ちょっと休んで折りきると徳間峠、14:53着。頂上から1時間弱で峠に着いたのだから、上出来か。
峠から下は植林で鬱蒼としており、暗い。冷たい風が峠を吹き抜ける。
全員の到着を待って15:05、清水市側へ降りる。
ここからはもう危険箇所もなく、とっとと歩いていくだけ。傾斜はどんどん緩み、みんなも話に花が咲く。
そのうちに沢出合、興津川出合となって手入れのよい樹林の中を歩く。
鉄の吊橋(定員2名)を渡るが、揺れる揺れる!手すりは腕を一杯に伸ばさないと届かないのに。
足元の両側がすっぽり抜けいて、高度感があってちょっとしたスリルもある。最後まで"楽しませ"てくれるルートだ。
植林地帯を抜けると車道に出て、16:08下山完了。
バスが登山口で待っていてくれた。
このルートは、ガイドブックにもある通り、ピークが1133mながらなかなかタフなコースだ。
特に徳間峠〜高ドッキョー間は登りに取っても下りに取っても非常に厳しい。荒天時には止めた方がいいと思う。
登りに取った方が少し安全度が上がるかもしれないが、時間も相当かかるし、体力を消耗するだろう。
下りに取るとバランス感覚と、急坂の連続+ロープの連続で筋力も使う。疲れているので危険度は増す。
ただ、ルートは全行程よく手入れされている。まさに歩き甲斐のあるコースと言えよう。