白砂山   2006年6月2日夜〜3日

コース:
登山口5:10〜5:30ハンノキ沢〜6:05地蔵峠〜7:30水場分岐7:40〜8:19堂岩山〜8:40(2042m峰の先の鞍部)9:00〜9:55白砂山10:20〜11:35堂岩山手前の分岐11:43〜13:00(1895m峰)〜13:44八間山14:12〜15:09富士見峠


◆資料◆
野反湖周辺トレッキングマップ
昭文社300名山白砂山(登る前に見ればよかった・・・。)
地形図:〜白砂山八間山  (注:経緯度を指定して当該地図のページへリンクすることは国土地理院HP閲覧に関して認められています。)

 白砂山は去年登った八間山の奥にあり、名前に惹かれて一度訪れたかった山である。長丁場だが、会の山行なら何とか歩けるのではないかと申し込んだ。
 都内を夜発つと、、野反湖の少し手前の道の駅「六合(くに)」で時間調整、仮眠タイムとなる。外は思いのほか寒く、東京とはまだ季節が随分遅れていることを知る。

明るくなって4時過ぎに起き出し、寝ぼけた頭で朝ごはん。こんな時間でも何とか食べられるようになったのはいつからだろうか。山を始めた頃は、朝食欲がなくて本当に苦労したものだ。今日は断続的ながらも眠れたので、長丁場を控えて少しほっとする。今朝は稲荷寿司。
ここでしっかり歩く仕度を整え、バスで野反湖の北端に近い車道に面した登山口に向かう。(湖畔の道路がオレンジ色から白に変る地点。)


<登山口>

気温は8度だとか。そろそろ暑い季節だから、と夏シャツに薄いズボンで来てしまったことをちょっと後悔しつつ、1枚羽織る。
登山口の駐車場には近頃皇太子が登ったことを示す石碑が立っている。これは即ち、登山道が一層整備されたことを表す印でもある。
有難いような、有難くないような・・・。

今日はマイクロバス2台、補助席も全て使っての大所帯である。先頭が歩き始めてもまだまだ順番が来ない。番号をかけて人数を確認して、ようやく私も歩き出す。
しばらくは静かなハイキング気分の道である。このあたりはまだ早春という感じ。

<ハンノ木沢の橋>
ハンノ木沢へ向かうと橋が壊れているので渡渉となるが、今日はまだ水量も少なく浅いので、橋がなくても渡れるが、時期により注意。

沢を渡るとやっと山道らしくなって、登って行く。
あたりは咲き始めたばかりの小さいスミレが咲いている。とても可愛い。とても小さいけれどこれは何スミレなのだろうか。

ほかにショウジョウバカマ、目立たないが大量にタケシマラン、そしてエンレイソイウも。
沢山のヒメイチゲがこの辺りはもう実になっていて、小さな緑の金平糖のよう。やっと茎を伸び始めたツバメオモトもある。
イワナシがピンクの花を沢山つけている。これが全部実になったら・・・。楽しい想像を巡らせている人も。
               

<ツバメオモト>

<何スミレ?>

<タケシマラン>

<ショウジョウバカマ>

<イチヨウラン>
ここから登り40分のコースタイムで地蔵峠を目指す。秋山郷へのルートとの分岐である。快調に登って行く。
坂を登りながら時々野反湖や付近の山が見えるのは楽しい。

今日も天気はよさそうだ。歩いているうちに暑くなり、ウインドブレーカーを脱ぐ。すぐに地蔵峠となるが、標識を確認し、そのまま登り続ける。

水場への分岐で休憩。今日は珍しく果物を持ってきたので、荷物を軽くすべく、早速回す。いつも頂くばかりなので、やっと少しお返し。

ここからは堂岩山(地形図では「どうがんやま」:2051m)に向けて一気に登りだす。雪が現れ始め、長い雪渓となっているが、登山靴で問題なく歩ける。ただし、だんだん急傾斜となり、滑ったら登り返しが大変、と雪に靴を蹴り込みながら確実に登って行く。

なかなか急坂でも休めないので息が上がってくる。
丁度尾根線を上がって行くのだが、時折テープなどのマークが見られる。注意して歩くよう先頭から指示がまわってくる。
今日は私もしっかりした靴とストックで準備万端、余裕がある。そのうちに列が止まって、何かと思えば雪渓の先端で藪漕ぎになっており、ルートを外れたのではないかということだった。

見ると、ちょうど並行して右の少し先の樹林の奥が少し開けているので、そのあたりに道がありそうだ。
しかし、地形的にも頂上間近で合流するはずだし、問題ないと判断してそのまま笹藪に突入、少し頑張ると、あっという間に広い登山道に出た。雪もなく歩きやすそうな道だ。
どこでルートを逸れたのだろうか。


<一番奥が白砂山山頂>
休憩もなくあっさり堂岩山を通過するとようやく白砂山までの稜線が姿を現し、稜線には殆ど雪もなく、少しほっとする。
細かいアップダウンがあるが、ミネザクラが沢山さいていて、見事。
足元には相変わらずヒメイチゲ、ミツバオウレンなど。更に、だんだんシャクナゲが現れ、咲いたものも。歓声が上がる。

気持ちの良い稜線歩きと周囲の山、ここまで歩いてきた甲斐がある。

朝5時から歩いているのだから、朝9時といっても既に4時間である。白砂山の手前の小さな鞍部で休憩。小さな雪田がある。
Sサブリーダーが雪を掘ってカキ氷を楽しんでいる。さすが、山を楽しむ余裕がある。


<シャクナゲ>

<山頂を望む>
さて、あと一息、ピークは目の前に見えているし、と「もう30分かな」などと大口を叩くと、さにあらず。
登ってもなかなか頂上に着かない。

今度こそ頂上のはず!と思っても斜度が変るせいで、やっぱり本当の頂上は見えていないのだ。
がっかりしつつ登り続けると、ようやく緩やかになったその奥に本当のピークがあった。
2度も裏切られる。といっても、これは地図が読めていない証拠。


<ミツバオウレン>

<シャクナゲ>
平らな頂上を持つ苗場山、綺麗な三角形の鳥甲山、朝早くから見えていた間近な山は岩菅山だそうだ。

山頂からの展望は、本当に素晴らしい。では、どうぞ。


<右端の雪のある平らな頭が苗場山、その左が佐武流?、うっすら三角の綺麗な鳥甲山、更に左は岩菅山?>

ここでようやくゆっくり腰をおろして昼食タイム。これまた珍しくも昨夜の残りの豚カツを持ってきたのでお隣にだけおすそ分け。
天気が良くなってきたので意外と水も飲んでいる。ポットのお湯もまあまあの温度で、コーヒーに紅茶と楽しむ。ここまで体調良く歩けたのが何より嬉しい。

さて、帰路も長いので、長居は無用、まさに長蛇の列が動き始める。壮観。
あの雪渓を降りるのは危険との判断で、八間山方面に回って降りることになった。
これまた長いルートだが、歩きやすそうな地形である。とにかく、下りなんだから何とか歩けるだろう。長い下りは果無山脈で経験済み、と変な自信を持つ。

分岐まで来ると、少しずつ曇ってくる。振り返るたびに白砂山がガスに包まれ始め、だんだん見えなくなってきた。
その分だけ涼しくなって、楽ではある。展望も十分楽しんだし、文句はない。


<帰りも長い・・・>

堂岩山の手前から標識に従って八間山方面へ。分岐から先は、果たしてハイキング気分の道だ。自然と足取りも速くなる。
お花は、と変ったものはなく、ただ日当たりが良いのでさっきまで蕾だった花が綺麗に咲いている。

<シラネアオイ>
そのうちに、リーダー待望のシラネアオイ発見との報が入る。列が止まったのも、写真ストップらしい。私もカメラを取り出す。周囲がガスに包まれて少しひんやりし始め、その中に瑞々しいシラネアオイの群落があった。足元に注意しながらレンズを向ける。(登山道を絶対に外れてはいけない!)
群落はしばらく続く。

花を堪能したあとは、ただ八間山を目指すのみ。

しかし、長丁場、そろそろ疲れも溜まる頃だ。休憩になると疲れた顔が増えてくる気がする。

もう少し、もう少しだから、と地図を見ながら答えるが、ガスが邪魔して確認できない。もう八間山かなと思ったらまだ手前の小ピークだった。がっかり。
堂岩山から八間山までのコースタイムは2時間となっているが、5時から歩いてもう13時近い。そろそろ疲れた顔が目立つようだ。
地図とにらめっこして、あれがこのピークのはず、それなら・・と「もう少し」などと言うものの、すっかりガスに包まれて視界不良、思いのほか山頂は遠い。
それでも、とうとう山頂の小屋が見えたと声がかかり、やっと開けた頂上に飛び出す。先頭部隊はもうザックを降ろして並んで腰を降ろしている。皆さんかなりお疲れの様子。


<ミヤマカタバミも可愛い>

<凄く小さいスミレの花>
ここから先は去年歩いた道。ほっとする。
ここで自己紹介タイムとなり、今日の行程を振り返る。
今日はピストンのつもりで来た上に、昭文社の地図を置いてきてしまったので、何とここから先の地形図がない。(あるのはコースタイムの入ったマップだけ。)
あと1時間だし、去年歩いているので自信はあるが、ちょっと反省。

<ヒメイチゲ>

<イワカガミ>
ここから先にはイワカガミが沢山。それから黄色の花は何だろう。
前回はレンゲツツジが見事だったなあと思い出す。ウラジロヨウラクも濃い色で、綺麗だったが、今日はまだ咲いていない。

記憶にある光景の中を進み、あ、あそこからガレ場を急下降だったな、と思い出す。
オノエランは咲いているだろうか・・・。
富士見峠が見えてくる。バスも見える。この長い1日も、もうすぐ終わりだ。残念ながらオノエランは見当たらない。でもイワカガミが綺麗だ。最後まで花が楽しめるルートだった。

今日は良く歩いた。行動時間は10時間。時間の割には何とかまだ余力がある(?)。これでだんだん夏山モードに入れそうだ。

ご一緒した皆様へ


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