日光白根山   2003年9月7日

コース:丸沼高原〜ゴンドラ山頂駅11:05〜13:45白根山〜避難小屋〜15:25五色沼〜弥陀ヶ池〜18:05菅沼登山口


  白根山と言えば、2000年9月に一度撤退した山。今度こそ、という思いで参加する。 前回は日光湯元から前白根まで必死の思いで登ったのに、眼下の五色沼を目の前にして、烈風のため涙を飲んで引き返したのだ。
今回はそれに比べれば楽々コース。でも違うルートでトライする楽しみもある。

  しかし東京から日光は遠い。関越に乗り、沼田を経て丸沼高原(スキー場)まで順調に行っても4時間。
という訳で、ゴンドラ駅に着いたのが11時なので、当然下山も遅くなる。しかし、日帰りでというのは有難い。・・・誰でも考えることは同じで、何と参加者が40名を越える大所帯となった。
流石にこれは大変なので、新しくリーダーになられたNさんが「第2班」を率いることになる。

  ゴンドラを降りると登山口は二荒山神社という額を掲げた赤い鳥居をくぐって行く。


登山口

  しばらくは登山者だけでなく一般の観光客も歩けるように散策コースが儲けてあり、標識も細かい。ロープウェー駅で詳しい地図が配布されているので貰うと便利だ。
七色平の避難小屋への分岐まで30分。それからルートは"登山道"となり、斜度も増してく。
目につくのはハンゴンソウの黄色い花と、枯れたマルバダケブキ、そして大量のカニコウモリばかり。ちょっと寂しい。

  樹林帯の急登では下山者とのすれ違いも大変だ。こっちは人数が人数なだけに、いつも「お待たせしてすみません。」の連呼。
しかし、曇天でもあり、樹林の中は風が抜けると涼しい。大行列の最後尾の方を歩いていると、しばしば"自然渋滞"する。リズムが作れずちょっと苦しいが、今日もそれほど困難なルートではないので 私でもついていけるのは助かる。ラストは旧知のIさん、前はLilyさん、と楽しいメンバー。それぞれと様々な話をしながら歩く。

ようやく樹林帯から抜け出すと、目の前にガレた山頂らしき姿が急に迫ってくる。


前方に山体が現れる

  雲が晴れて日が射すと流石に暑い。

しかし急に下からガスが上がってきて、すぐに山の姿を隠してしまう。
出発が11時なのでもう一息で山頂というガレ場の手前のちょっとした広場で昼食となるが、時間は20分。忙しい。
どうやら先頭の男性がバテているらしく、食後の歩き始めに転倒したりと危なっかしい。大丈夫だろうか・・・。

  ガレ場になるとまたガスが濃くなり、下から強い風も吹き上げてくる。足元が滑って歩きにくい。でも、もう頂上まで30分位だろう。
ようやくガレ場を登ると岩陰にちょっとした窪地がある。そこを抜けるとようやく白根山の山頂が姿を現す。一旦下って登り返すルートだが、鼻歌で越えられる距離だ。


山頂への登り返し

  生憎もうガスに包まれて全く展望がない。標識の立つピークは狭いので、大所帯の我々は順番に上がる。


三角点のあるピーク

そのすぐ奥に、岩にささった「白根山」の標識あり。


何も展望がなくて残念!

そのまま座禅山へ越えるルートは荒れていて危険と判断し、少しだけもどって五色沼へ向かう。
かの男性はすでに相当ヨロヨロしていて、ひょっとしてロープウェイ駅へのピストンになるかと思ったが、ここから引き返すも菅沼へ降りるも変わりないとの判断で、 予定通りのコースとなる。

しかし、急下降でザレているので大幅にスピードダウン。最後尾の私たちは一体これから何時間かかるかと不安になる。
再び樹林帯に入り、やや緩やかになってようやく平坦な所へ出たと思ったら避難小屋だった。ここでトイレ休憩後、目の前の五色沼へ。しかし、既に時計は3:30を回っている。


五色沼の湖畔へ

曇空もあって、沼は寒々しい。湖畔の大きなマルバダケブキが群生していて黄色がやけに目立つ。
湖畔から登り返して弥陀ヶ池へ。16時を回っている。ここから菅沼登山口まで、昭文社の地図では90分となっているが、今までのペースからいってとても無理だろう。
最後尾では既に屈強の男性陣が、一体あとどれだけかかるのか、日が暮れてしまう、と不安を口にする。
コースタイム通りなら、とっくに下山しているはずの時刻になってもまだまだ先が長いのだから、その意味では仕方ないことだが。

こういう場合のリーダーの判断は実に微妙で難しいとつくづく思う。それに、全て結果オーライ、または結果だけで厳しく批判されたり。
人数の多さと、日光〜東京間の所要時間の読みが難しかったのではないか、と思う。

  ようやく下山コースに入っても、ペースは落ちたまま。無理もない。疲れもあるし、これからが事故多発の時間帯でもある。
ゆっくりでも安全に降ろすことがリーダーの一番の使命なのだから。
木の根もあるし段差もあり、石車ばっかりの下山路ほど歩きにくいものはない。それに、だんだん暗くなてくる。悪条件ばかりだ。
急坂の連続がやっと収まったころ、懐電(=ヘッドランプ)を用意、と指示が回ってくる。私も登山道で懐電を使うのは一体何年ぶり?という感じ。
つけてみるとやや暗い。電池が自然放電したのだろうか。足元を確かめながら更に足取りは遅くなる。
とはいえ、目がよければまだ懐電無しでも見える明るさではある。

いろいろ心配しながらも、とうとう道が平坦になり、広くなった。懐電も途中で切れてしまったが、予備にマグライトのミニミニサイズがあるのでそれをつけると、これで充分明るい。
電池の予備も持っているのだが、ザックの中だし、もう先も見えてきたと思って出さなかった。
懐電を持っていない人も少しいたようだが、これからの季節は必携だ。(というより会の規則で必携になっている。)

  しかし、予想外に時間がかかり、大変だった。(勿論一番大変だったのはM子リーダー。)
更に帰りの高速も渋滞して、何と池袋に着いたのは23時を回っていた。Kさんは電車がないのでタクシーだそうだ。それが15000円とか。う〜ん、痛い。
でも、私は何とか電車があったので助かった。家に帰れさえすれば、この山行が4000円で上がったのだから大満足と言わなければならない。
しかし、久しぶりの大人数、改めていろいろ考えさせられた。

皆さんお疲れ様でした。


戻る 山一覧へ