白神岳・二ツ森   2009年10月9日夜〜11日

コース:駐車場7:30〜登山口〜二股コース分岐〜9:16水場9:21〜マテ山分岐〜11:33昼食11:50〜稜線出合〜12:45白神岳13:05〜14:43マテ山分岐14:50〜15:22水場〜15:55二股分岐16:00〜16:30登山口〜16:40駐車場   


白神山地のブナの黄葉を見たいと、所属山岳会の山行に参加。例によってマイクロバスで都内を21時に出発する。
台風は東北を逸れていったが、ちょっと山の様子が気になる。
深夜のトイレ休憩で、外の寒いこと。着るものがちょっと薄かったかなと心配になる。もう10月も半ば、秋田・青森県境ならば尚更だろう。 明るくなってもまだひた走る。空気層が逆転して綺麗に霧が発生している。

「放射霧」

日もすっかり昇って、遠路遥々、登山口の駐車場に着7:30前。広い駐車場にはもう停まっている車がある。立派な建物と案内板が設置され、建物の裏手から歩くとすぐにまた改めて登山口がある。(以前はここが登山口・駐車場だったが、訪れる人の多さから新たに広い場所を下に確保したからという。)
さて、ここから白神山地に入る。まずはオヤマボクチか、大きな花をつけている。

登山口駐車場 オヤマボクチオヤマボクチ

足元は強風で折れた枝や濡れ落ち葉。やはり強風が吹き荒れた様子。少し歩くとすぐに暑くなる。
余り展望は利かないが、樹林の中を黙々と歩いていく。

二股コースとの分岐には標識があり、渡渉があるので初心者は「マテ山」コースを行くようにと標識がある。(「虫」偏に「聖」で「まて」山。)案内板には強面の熊が。

二股分岐と標識(の熊をアップ→)ガオ〜!

ここで左手に斜面を登っていくと、途中何箇所も水場があり、最後に広い標識のある広い水場に出て休憩。紐つきの大きな柄杓があるが、とても重いとか。
心配されたお天気は、今のところ何とか下山までは持ちそうな感じ。

マテ山への分岐に向かって急登を行くとようやく稜線に出る。お花は無いので余り変化を感じないが、稜線歩きに変わると少しだけ視界も広がる。豊かな森の中を歩くのは気持ちがいい。

マテ山分岐 ツルリンドウツルリンドウの赤い実

標識は随所にしっかり設置され、この山の人気を物語る。当初は五能線の「陸奥黒崎駅」が登山口だったのが、この世界遺産登録で、駅名が「白神岳登山口駅」となったらしい。山中の「陸奥黒崎登山口」の「陸奥」の文字が少し削られているのはそのせいだろう。

比較的歩きやすい稜線を行くが結構時間がかかり、途中で昼食休憩。そろそろ海が見えるので嬉しい。
再度歩き出すとすぐに海岸までの雄大な展望が広がり、急登も楽しんで歩けるようになる。周囲もブナが主になって、黄色のグラデーションの優しい色合いで森が広がっている。

展望が開ける日本海を見下ろす 黄葉ブナ林と黄葉 

右手に白髪岳の山頂方面がよく開け、三角の小屋がはっきり見える(実はトイレ舎)。ここまで来ればあと一息。
稜線に出ると、左は十二湖への道。右へ山頂を目指す。避難小屋とトイレ舎の2つが見える。結構人もいるようだ。

山頂からの展望

山頂から海が見えるのは気持ちがいい。雲が邪魔して岩木山の山頂がかくれんぼ。写真を撮って、あとは下山。

下りは落ち葉と石車と急傾斜に思いのほか時間がかかる。マテ山分岐までが意外と長く感じる。足並みが揃って特に下りの速さには定評のある(?)我々も、滑った人の数は多い(私も貢献・・・。)ものの、怪我もなく、90分休まず歩いて流石に足に来る。
久しぶりに右ひざが痛くなって、ストックに頼りながら降りるのは辛い。それに、だんだん日も傾いて、少しずつ暗くなった足元に、更に慎重になる。
長いねえ、と皆が思っている頃、やっと分岐。稜線から下って二股分岐へ。

標識で距離を確かめつつ、まだあるね、と歩き続けるが、幸い今度は海に向かって開けた斜面なので、日差しを受けてまだ明るいのは助かる。
4時を回って大分日が傾いた頃、ようやく登山口に戻る。朝倒れていた木などは、片付けてあった。有難いことだ。

行動時間9時間、バスに乗って今度は立ち寄り温泉へ。海岸線を走ると夕陽が大きい。日本海に沈む太陽を眺めつつ、「ハタハタ館」へ。
なかなか良い温泉を満喫し、S旅館へ。魚尽くしの料理を楽しみ、各部屋に分かれる。私の部屋は4人で、親しい方ばかり。おしゃべりも楽しみつつ布団に入る。暫くするとものすごい雷鳴で目が覚めるが、明日はどうなのだろう・・・。

朝は5:30出発という予定だが、4時前にもう他の部屋ががたがたしている。これでは例によって5時に出発になるな、と思い皆を起こし、お弁当のおにぎりを貰いに行く。
4時におにぎり2個をペロッと食べられる自分にも驚きつつ、荷物を背負って外へ出ると地面がぬれている。それに、まだ真っ暗。

やっぱり5時には全員バスに乗り込み、今度は「二ツ森」目指して走り出すと、ようやく明るくなり始める。
今度はハイキング程度、往復でも2時間かからない山だ。林道が高いところまで通じているため、白神山地を体験したい家族連れなどでも登れるように整備されているらしい。
途中のブナっこランドを過ぎて、ひたすら林道を登っていくとこれまた立派なトイレ舎のある登山口に着く。まだ6時だ。

登山口 

振り返ると見事に虹が出ている。歩き始めると、まだ右ひざが痛い。整備された道を歩きながら、ぬかるんで滑る足元に気を遣う。

笹が多いが、ブナも多い。そのうち雨が降ってきて、とうとう合羽を着ることになる。最後の急登を登っていると、また背後に虹がかかっている。どうやらこの辺りは雨が降ったりやんだりを繰り返しているようだ。

左のピークが山頂 

山頂は狭いが、本当は素晴らしい展望のはず。でも雨が邪魔して余り遠望は利かない。
さあ、と下山するがこれまた足元の土留めの階段や、埋め込んだ切り株状の丸太が滑ること。足をかばいながら、ちょっと大変なルートとなった。

県境を越えてまた登山口に戻る。雨がやまない。
8時にはバスに乗り込んで、また海岸線に出ると道の駅。地元の農産物を買い込み、ずっしり重いお土産を手に、東京を目指してまた走る。
順調に走ったものの、やはり首都圏に入ると渋滞し、都内に着いたのは20時過ぎ。遠かったが、久しぶりの大遠征、遥々白神山地まで行ってきたという実感が沸いた。


戻る 山一覧へ