竜爪山   2009年1月24日

コース:旧道登山口9:35〜9:55七丁目10:00〜10:40穂積神社10:55〜11:40俵峠分岐11:45〜薬師岳〜12:00文殊岳12:45〜薬師岳〜13:00分岐〜13:28穂積神社13:35〜14:25 旧道登山口


今日は静岡の竜爪(りゅうそう)山へ。薬師岳[1051m]・文殊岳[1041m]の双子峰で、東名からも分かりやすい。
本当は12月の忘年山行としていたのに、私の風邪で日延べになったもの。雪の心配がある1月半ば、あれこれ気がかりではある。

都内は雲が垂れ込め、雨の予報もあったが、静岡に向かうにつれどんどん青空が広がり、穏やかな登山日和になってきた。
富士川SAからは見事な富士山が。

順調に登山口に着くと、駐車スペースは既に満杯ながら、何とか場所を見つける。支度をしていると、登山者が挨拶をしながらどんどん登っていく。
時間短縮と凍結・雪を心配して新道往復を考えていたが、土砂崩れで通行禁止。

やむを得ず旧道の往復となる。見上げる山肌にも全く白いものは見えなかったが、安全のため、6本アイゼンを入れ、鳥居をくぐって歩き出す。

旧道登山口

丁目石に導かれ、左手に沢がある趣のあるコースだ。時間が許せば是非歩きたいと思っていたので、これも神のお導きか。
橋で沢を渡ると急登が始まる。細かく丁目石があり、中間点の穂積神社が三十四丁目という。今日もザックがちょっと重いが、先週も歩いているのでまずまずのペース。
左手は手入れの行き届いた杉の植林、右手は常緑樹の多い、明るい自然林。何だか高尾山みたい、いやいや植生は伊豆の山かな、とおしゃべりしながら楽しく歩く。

朝の予報では、都内は夕方にかけて雪がちらつくというので、帰りの東名での降雪が一番の気がかりだ。できれば早く通過したい。
それで、ついついペースアップ。本当は立寄りたい欅立山[888.8m、神社からピストンで1時間]はまたのお楽しみに。
所々は崩れかけた石段で、体が慣れてきた十丁目を過ぎると、ちょっとした急な岩場だ。トラ・ロープもあり、短い距離なので楽勝だが、もし凍結していたら緊張を強いられるだろう。

二十六丁目で新道と合流、なるほど広い道だ。ここから先も敢えて旧道(樹間の急登)を選び、向こうの鞍部の高い杉が神社だろうとあたりをつける。

 新道と合流地点  土砂崩れで通行止め

やっと少し傾斜が緩むと神社に出る。ほぼ1時間の快調ペースだ。

穂積神社

ここから清水や三保、伊豆半島が綺麗に見え、トイレもあって一休み。早速、みなさんのザックから果物やお菓子が出てくる。
風も弱く、日差しは暖かい。神社にお詣りし手水場に目をやると、台座にカエルの親子像。素通りは出来ません。

神社の裏手には堂々たる杉の大木が続き、歴史を感じる。この樹林を過ぎるといよいよパイプの階段が待ち受ける。早い下山者たちによれば、今日は雪の心配は無く、アイゼンも不要というので安心だ。

巻き道があるというのは、この階段を行かずに直進している道のことだろう。今回は友人のアドバイスもあり、展望の期待できるこの階段を行くことにする。
確かに味気ない鉄パイプの階段だが、今日はトントントンと上がっていける。でも、凍結していたら、本当に怖い場所になる。

期待の展望は、雪雲が富士山や南アルプスをすっぽり隠し、白い高嶺は見えない。が、見えている立派な周囲の山々は、安部奥の山だろう。富士山と愛鷹山がかなり離れている姿は何だか新鮮だ。

この階段、「どこまでも」続く。時々立ち休みをしながら登るが、少し風が出てくる。
薬師岳まで○分というこまめな表示が有難い。手すりを掴みながら喘ぎ喘ぎ登り続け、あと少しとなるが、階段が終わった足元は固く、凍結している。足運びは慎重に。

ようやく稜線に出てると俵峠分岐。温度計があって6度を指している。

ここからの好天時の展望は素晴らしいことだろう。雲に覆われた峰々をちょっと想像する。が、先を急ぐ身、すぐに歩き出す。これなら正午には山頂に着けそうだ。


わずかの登りで薬師岳、ここにも巻き道なのか、道が枝分かれしている。ぐっと下って少し登り返せば待望の文殊岳。ピッタリ12時だ。

明るく広い山頂からは素晴らしい展望だ。

ザックを降ろし、あっちこっちを眺める。既に数組の登山者がお昼の最中。日差しが暖かい。
テーブルと椅子が何組か置かれた広い山頂は休憩に最適。
北側には安倍川とその奥の山々。

腰を降ろし、ザックを開いて、皆さんからまたいろいろ頂きながら、リッチなランチタイム。しかし、風は冷たくなってきた。

手が冷たくなり、時間も少し気になるので、「短め」の45分で切り上げ、下山開始。先ほど見送ったトラバース道を行くが、食後には結構な急登。
薬師岳まで来るが、みんな素通りのちょっと気の毒な山頂だ。

 薬師岳

風がだんだん強くなり、顔を切るような寒さに、マスクでも欲しいほど。
随分気温が下がったはず、と峠分岐の温度計で確認すると、何と−2度。僅かの間に8度も下がっている。確かに、遠くの山々は厚い雲に覆われ、それで帰りの雪道がますます心配になってきた。

凍結した地面に注意しつつ、一気に下っていく。階段まで来ればその点は安心だ。
あっという間に巨木の杉並木、そして神社に到着。分岐から正味25分で降りてしまう。トイレに寄り、また旧道を降りる。

もう安心、と丁目石と滝を確認しながら歩いていく。

 「竜走の滝」(ここは竜「爪」ならぬ「走」。)

いつの間にか沢を渡って、もう鳥居。無事の下山を感謝し、水場で水をお土産にする。

途中の無人販売所でお目当てのミカンをゲットし、帰りを急ぐ。

ちなみに、東名は順調だったが、案の定、標高の高い足柄周辺は雪となり、ワイパーを使うほどだったが、それも神奈川県にはいる頃には上がり、あとは渋滞もなく、明るいうちに東名を降りた。

懐かしい『故郷』の山でありながら、登る機会の無かった竜爪山。やっと登れて、満足の山行となった。


ちなみに、往路は東名から降りて、静清バイパス(1号線)から竜爪山方面への右折地点(瀬名IC)でちょっと迷った。
瀬名の名前にこだわったために、カーナビの指示を無視し、少し手前で高架から降りる地点を何となく通過・・・。
気になって事前にあれこれ調べたものの、確信が持てず、その結果が通過。あれあれ、と思う間に、次のICとなり、無事戻れたが、まあ、そんな失敗は茶飯事。でも、いつも寛大なお仲間に慰められ、今日も気持ちよくドライブを楽しんだ。


戻る 山一覧へ