沼津アルプス   2007年2月3日

コース:
山口道バス停9:10〜9:20多比口(12m)9:30〜10:00多比口峠10:05〜10:15大平山(365m)10:30〜10:40多比口峠〜11:10多比峠〜11:25鷲津山(392m)12:00〜12:28志下峠〜12:40志下山〜12:47志下坂峠〜13:17香貫台分岐〜13:24徳倉山(256m)13:45〜13:47香貫台分岐13:50〜14:00香貫台入口(2.5m)


参考サイト:
★沼津アルプスの山行サイト:沼津市のHP

★車を利用して縦走するヒント&バス停「山口道」より多比口までの経路はこちらをご覧下さい。
沼津アルプスを南下して多比(海側)に下山する場合、414号線(バス路線)が慢性的に大渋滞するので注意。


今日は沼津アルプスへ。東名道を順調に走り、8時前にICを降りる。
車を市役所前の駐車場に入れ、8:49のバスに乗って山口道へ。大平会による奥沼津アルプスの案内図が出迎えてくれる。
お陰で迷わず多比口(登山口)へ。仕度を整えて歩き出すが、節分とはいえまだまだ寒い。

登山口に木の杖が立てかけてあるのは親切だ。足元は石がゴロゴロしていて少し歩きにくいが、薄暗い植林の中を広い道が続いている。
ここの標高は僅かに12m、最初のピーク大平山(おおべらやま)が365mだから侮れない。

峠が近くなってくると急登になり、トラロープが現れる。
空がだんだん広がって、あの辺りに出るのだろうなと思う頃には、山腹をジグザグに大きく曲がりながら、ロープのある踏み跡を必死に登る。
ようやく多比口峠に到着。10:00だ。


登山口

大平山
峠からまずは大平山を往復する。前回は南下コースの最終地点だったここで疲れてしまい、皆が往復する間ここで待っていたので、やっとリベンジができる。
どんなところかな、と急登を上がっていくと少しなだらかになっていき、その奥にぽっかり開けた広場、それが大平山だった。

ここから更に先は「奥沼津アルプス」となっていてかなり興味をそそられるが、それは次の機会に譲ることとし、まずは大休止。風もなく暖かく、樹林に囲まれたものの海も見え、ベンチもあって嬉しい。
例によって皆さんのザックからおいしいものが現れる。遠慮なく頂いて、少し荷も軽くなったところで縦走開始。足元に注意しながら多比口峠へ。そのまま次のポイント多比峠に向かう。

前回は2000年に徳倉山から大平山までの縦走(多比に下山)だったが、歩いてみると急降下(急登)が多いのは分かっていたものの、案外岩っぽく、またかなりの痩せ尾根で、認識を新たにする。

しかし常緑樹(ウバメカシやアオキ)が多く、木立の間なので怖さはない。それに、早速富士山が顔を覗かせているが、今日は雲1つなく、少し霞んだ空だがやっぱり綺麗だ。

コース整備は完璧で、掴まらずには降りられそうもないような急坂が連続する。転んだら大変、慎重に慎重に・・・。


急降下
多比口峠から多比峠まで30分。次のピークは鷲頭山。一段と高く聳えている。
というのも、え〜嘘でしょ〜という位降り切ってから登り返すためである。
鞍部から鷲津山までの登り返しは標高差150mもある。このびっくりするような標高差が「アルプス」の名の由縁であろう。

伊豆半島(大瀬崎)

頑張って登り切ると開けた山頂からの眺めは最高。
お昼時とあって、先客が多いが、ここで私たちもお昼にする。ポカポカ陽気で、目の前の海も光っている。

ザックを降ろして緊張が少し解けると楽しいおしゃべりも弾ける。
人気の山だけあって、どんどんハイカーが登ってくる。それに、今日は団体も複数。


鷲津山
さて、30分の大休止の後、本日の最高峰を後にすると、早速ジェットコースター並の急降下がどこまでもどこまでも続いている。
(地図によれば鞍部まで240m下る。)
一気に降りるのはとうてい無理で、とにかく転ばないように、しっかりしたロープを使う。後ろから団体が追ってくるが、誰もが難儀している。

マイペースで降りて後続を待つ間、目の前に広がる絶景をしばし楽しむ。


海の向こうに南ア連山、これから目指す徳倉山と富士山。

急登を降りると中将宮がある。ここは見覚えがある。
所縁の立て札を読んでいると団体が追ってくるので、先を急ぐことにする。
このあたりは稜線を離れ、展望もないのでどこにでもある里山の雰囲気に満ちている。

ようやく緊張を強いられることのない穏やかな道となって、小さなピークを越えながら最後の徳倉山を目指して歩くが、なかなかに距離がある。
カヤトののんびりしたルートを歩いていると眠くなるほど。

何か花でも咲いていないかと思って探していたら、本当に気の早い菫が一輪咲いている!
シュンランでもないかしら、と欲張るが、見つからない。

標高は200m台なので、風に乗って下から生活感たっぷりの音が運ばれる。それもまたこのコースの面白さ。
鷲頭山から75分程で最後の峠、香貫台分岐に至る。

なんと最後も見上げる程の急登。手すりは竹で頑丈に作ってある。


香貫台分岐
は〜っとため息をついて見上げるが、「あと5分だって。」の声。
え?と聞き返すと、「ここにそう書いてあるの。」・・・嘘でしょ!?

諦めが肝腎、ととにかく登り始める。うっかりするとズリ落ちそうだ。
その分だけどんどん高度を上げて行くが、なるほど、ちょっと登ると先が見えてくる。

もうすぐかな、と気を取り直して上がっていけば、本当に5分で坂は終わり。その先に、懐かしい徳倉山の標識。
そうそう、ここが『象山(ぞうやま)』、小学生だった私が遠足で登った山だ。

地元では徳倉山を象山と呼ぶ。下から見れば一目瞭然。
今日の最終目的地まで無事到着、記念撮影をして最後の大休止。

目の前には香貫山と富士山。


徳倉山からの眺め

まだ2時間余かかるので、ここから横山を経て香貫山まで歩くのは諦める。
前回(南下コース)は沼商側のトンネル脇から上り始めたので、ルートを変えて今回は香貫台へ降りることにする。

竹の手すりに助けられてさっきの急登を今度は下る。が、これも一瞬のこと、分岐から香貫台へ向かう。

ルートはよく整備してあり、地元の高校生あたりがトレーニングに使うのに良さそうな感じだ。
こんな素敵な山が地元にあるなんて本当にうらやましいね、高尾山よりいいよね〜という声。

そんな話をしながら降りていくと住宅街へ飛び出す。ここにもきちんと標識がある。

バス停はどこかな、と指示に従って歩いていくが、住宅街の中でちょっと迷う。
あとで地形図を見れば一目瞭然だった。(地形図で「徳倉山」の文字を左に辿り、標高50mの線と接している道(住宅街)に出る。ここから曲がりくねって降りる。)

バス停はすぐ分かったが1時間に1本だったので諦め、下香貫方面にあるいて広い道に出てから沼津駅行きのバスに乗る。

あとは駐車場に戻り、7時間で700円を払って千本松原に立ち寄る。
自分が運転してこの辺りを走るのは初めてだ。しかし、父の運転で来た時と殆ど変らぬままの姿にちょっと感動する。

護岸の分厚いコンクリートの上に登り、富士山と松原と山々を眺めてから市内を抜けてICに向かった。

さて、沼津アルプスのコース取りは南下と北上とそれぞれに利点があるが、今回のような北上の方が少し良いように思う。
景色については、富士山は各山頂で見ればよいのでどちらがいいとも言えないが、志下峠を挟んで南の鷲津山〜大平山はアップダウンが非常に厳しいので、それを体力のあるうちに歩いた方が良さそうだ。

北半分の徳倉山〜志下峠は平坦な距離が長く、ノンビリしてしまうので、後半のアップダウンに気力・体力を温存するのが大変かもしれない。
もっとも、沼津商業側から徳倉山に登るのも急登だった記憶があるが、その後2時間位は対して苦労なく歩けるはずだ。

また多比口峠から多比に降りるのもかなりの急坂で、小石が滑って怖かった記憶がある。
いずれにせよ、小さいながらもピリリというより”大辛”の山なので、侮らないよう。そうすれば、たっぷり楽しませてくれる素晴らしい山だ。

混雑するだろうけれど、桜の頃に再訪したいものだ。


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