コース:白布峠5:00〜5:19登山口標識〜6:38馬場谷地迂回路入口標識〜7:00迂回路出口地点〜9:30西大巓(1982m)9:40〜10:45西吾妻小屋分岐11:10〜11:25西吾妻山(2035m)〜12:00凡天岩〜中大巓分岐〜13:35北望台(リフト乗り場 標高1820m)〜ロープウェイ湯元駅(天元台、920m)
今週はまた山の会での西吾妻山行。東吾妻山と一切経山、吾妻富士は随分前に行ったが、西吾妻山は初めて。高山植物の盛りに花を求めての山行とあって、期待は大きい。 幸い天気予報はよい方に変化し、晴天が望めるという。夜行のマイクロバスに揺られて、早朝の白布峠で時間調整。 外は結構涼しく、山には黒い雲がかかっているのが気がかり。最初のピーク西大巓(1982m)までは手持ちの昭文社の地図(99年版)では2時間半となっている。標高差もここが1404mなのでこの時間で大丈夫だろうと早速歩き出す。
ベニバナイチヤクソウや一面のノウゴウイチゴ、オオバミゾホオズキがお出迎え。
時間の割りにちっとも標高が稼げず、まとわりつく虫に閉口していると、馬場谷地湿原に至るが、湿原保護のため、今は中に入れないという。新道が出来て迂回するようになっており、出口のロープを張った地点から覗いてみた。いつか保護が行き届いて、一部でも植生を見られたらいいなとも思うが、マナーの問題もあるし、仕方ないことだろう。
ブナの大木が茂って静かなコースだが、余り歩かれていないのかもしれない。ひっそりとキソチドリが咲いている。 湿原の周囲は本当に小さな沢が沢山あり、ミズバショウが伸びきってお化けになっている。岩が滑るので歩きにくい。 やっとコースがはっきりした上りに変る。今度は大岩のゴロゴロした道で、特に小柄な女性陣はかなり苦労している。濡れた岩は滑るし、足元はビチャビチャなので、スパッツをしていても泥が跳ねて、既にドロドロ状態。 ちょっとガスってきて日差しがない分とても楽だがただ黙々と足を上げてガンガン登っていく感じ。時間がかかる割りにちっとも捗らない。 やっと高山らしい植物が現れると山頂直下。とたんに沢山の花が迎えてくれる。ザレた赤い土にもまけず、ハクサンチドリやウラジロヨウラク、ネバリノギランなどお馴染みが顔を揃え、それは豪華だ。しかし、ここまで4時間半かかっている・・・。
山頂まで誰にも出会わず。期待の展望は全く無いので落胆する人も多いが、この時期、暑くて大汗をかくのも辛いし消耗するので、私はこれで満足。
チングルマが沢山あるが、殆どはもう終わって長いヒゲを延ばしている。綺麗なのはウラジロヨウラク。アオノツガザクラやアカモノなど、小さな釣鐘型の花がかわいい。イワイチョウも沢山。コバイケイソウも咲き始め、アップで見ると何ともかわいい花だ。 湿原からは僅かな登り返し。奥に見える見事な黄金の絨毯はシナノキンバイだろうか。このあたりのヒナザクラはまだ固い蕾。これから楽しめるだろう。
ひと登りで西吾妻小屋との分岐。小屋にはトイレもある。臭いが木にならない人は中で、その他は外の木道を片側お借りして、昼食の大休止。でも座っているうちに、冷たい風でどんどん冷えてくる。長居は無用、と風除けを羽織って歩き出す。 西吾妻の山頂は狭く展望もないので写真を撮ってすぐに通過。ガスが濃く、時折小雨の中を人の多い凡天岩へ。西大巓側からはロープウェイとリフトで簡単に登れるので、向こうから来た人が多いのか、団体もいる。さっきまでの静けさとは対照的だ。
山の上だけがガスに包まれているのか、声はすれども姿は見えず。かなりの数が休憩している様子。展望もないので、ここは滑る岩場を回って中大巓を巻き、リフト駅に向かう。 長いコースもようやくリフト乗り場に出て終了。あとは文明の利器を活用してリフト3本とロープウェイを使って一気に下山する。リフトは大好きだ。開放感がいいのか、歩かなくて良い気軽さからか、とてもワクワクする。 途中で野生の猿が騒いでいたが、子連れだったらしい。リフトを利用すれば百名山の西吾妻山も簡単に登れるが、我々は頑張って白布峠から登ったため、達成感がある。この夏初めての高山植物を楽しみ、下りのリフトも満喫して、中身の濃い「夏山」を終えた。 |