奈良観光と吉野山   2007年4月7〜8日




*1日目*


奈良公園

例によって夜行バスで奈良着。ガストをみつけて朝食。これから長い一日が始まる。
今日は丸々観光、まずは東大寺から。


東大寺大仏殿

境内の桜も盛りで、大仏殿→二月堂→三月堂と歩く。三月堂の見事な仏像には改めて感動するが、建物がこんなに小さかったか、と記憶の曖昧さに驚く。


春日大社

ちょっと心配な空模様ながら、若草山を眺めながら春日大社へ。
それからかなり歩いて興福寺。まずは国宝館で阿修羅に再会。天燈鬼、龍燈鬼など何度見ても素晴らしい。

興福寺では大掛かりな再建工事が始まっている。平安京遷都の710年から数えて1300年に当たる2010年を目処に、中金堂の再建を開始しているのだった。

雨が降ってきたにもかかわらず、このあたりは観光客が多い。
五重塔を眺めてから近鉄奈良駅へ。西ノ京へ向かう。


薬師寺

薬師寺は大きく姿を変えていた。まず、公開中の、玄奘三蔵院の大唐西域壁画(平山郁夫画、平成12年完成)から。
真新しい伽藍には中央の「須弥山」と題された3枚(実際にはヒマラヤの山々)の他、どれも素晴らしい壮大な風景画が描かれ、ガラス越しながらも感動する。

それから再建なった西塔、金堂などは私が昔訪れた時(大学時代?)にはまだなかった・・・。
まだまだ再建計画は進行中のようで、古都といえど着実に変貌していくようだ。


法隆寺

次は近鉄筒井駅からバスを利用して法隆寺へ。
入口の松並木が記憶にもしっかり残っている。流石に世界最古の木造建築、どれを見ても風格がある。
百済観音などが収められた建物は、これまた新しい建築物。確か前回はかなり年季の入った木造建築の片隅にこの仏様がぽつんと置いてあったような・・・。
世界遺産への登録もあり、どのお寺でも整備が進んでいるようだ。

予定の寺社を全て回って、橿原神宮近くの宿へ向かう。明日は念願の吉野だ。

*2日目*

橿原神宮前を始発から2本目の列車に乗り、7:20吉野神宮前駅着。ここより予約のタクシーで奥千本口へ向かう。
お花見の時期は終点の吉野駅前へは規制のため車が入れず、タクシー乗車も一駅前のここから。

この時間でも自家用車は各駐車場に溢れている。予報は晴れながら、霧に包まれちょっと気になる。
しかし、上千本あたりから一気に青空が覗き、眩しい日差しに歓声を上げる。
奥千本口には既にハイカーがかなり集まっている。タクシーは小型で3470円也。

<奥千本>

下車したのが金峰神社。といっても拝殿があるのみ。左手すぐに義経かくれ塔だが、私たちはまずは西行庵から。


奥千本のコース

案内は各所にあり、迷うことはない。西行庵までは少し歩くが、下り坂には手すりもあり、足元の土の感触を楽しみながら到着。
周囲に桜はなく、その代わりに高尾山と同じような花々が足元を彩っている。

周回コースで金峰神社に戻って、義経かくれ塔。天気もどんどん良くなってきて、早く桜を見たい気分だ。


奥千本・高城山展望台

はやる気持ちを抑えながら高城山(たかぎやま)展望台へ向かう。
ここからは大峯方向の山々が顔を出し、まだ周囲の桜の蕾は固いものの、小休止とする。

ガイドにはWCとあるのに上には見当たらない。コンクリートの急坂を戻って少し進むと、展望台の前庭から続いてきたコースが合流し、そこにトイレがあった。
牛頭(こうず)園地と言うらしい。椿が綺麗だ。

しばらく舗装道路を歩いていると水分(みくまり)神社。


水分神社

境内は狭いが、古い社は豊かな色彩を施した跡が偲ばれ、必見である。
ここには桜もちらほら。

<上千本>

桜に包まれた吉野山はいずこ、と思いつつ次の展望スポット、花矢倉展望台へ。
吉野山の全景が初めて姿を現す。おお!!

山頂に向けて扇状に桜が広がり、前方の扇の要として大きな蔵王堂がはっきり見える。あそこまで降りていくということだ。
下、中、上千本は桜に包まれている。

ここからしばらく曲がりくねった車道を歩きながら、だんだん桜が頭上にも溢れてくるあたりで、車道からハイキングコースへの分岐があり、如意輪寺へと標識がある。
そこまで行くと下千本へ戻るのにかなりの登り返しとなるので、とりあえず途中まで行ってみようということに。


桜の下を縦横に道ができている

前日の雨もあり、足元はぬかるんでいるが、何となく嬉しい展望の山道である。
あっちを向いてもこっちを向いても桜、桜、桜!

三脚を立てたカメラマンも沢山。頭上には何機もヘリコプター。きっとニュースで流すんだね、と言いながらヘリに手を振るSさん。
桜ばかりが気になるが、足元をよく見れば、オドリコソウやニリンソウも一杯。ついでにワラビも・・・。

左手の斜面も右手の斜面も桜が満開。しぜんと顔もほころぶ。このあたりを歩いている人は大体足元も運動靴で、観光客はほぼ皆無。
あちこち歩いて一体何枚写しただろうか・・。

満足してから中千本に戻ろうということになり、「五郎兵衛茶屋」などという標識を頼りに道を進むと、ようやくメインコース(尾根を行くコンクリートの道)に合流。既に沢山の観光客で溢れている。

<中千本>


咲いているのは山桜

メインストリートから左手に入った広場から降りる石段で、見事滑落!
注意しようと思った時には既に遅し。
滑り台のように3,4段分落ちたが、その時についた右手が痛い。あっというまに腫れ上がり、熱を持ってきた。
これはマズイと思いつつ指を動かしてみて、何とか骨折は免れたことを確信する。

やはり底のしっかり凸凹になった運動靴で来るべきだった・・。

観光スポットのほうは、竹林院の庭園は有料なので門から覗いて、もう桜は堪能した、とパス。(ここで朝のタクシー運転手さんと遭遇。)
観光客に揉みくちゃにされながら吉水神社へ。一旦下って谷にむかってせり出しているので展望が素晴らしい。

人だかりがしているのは、展望スポットがあるから。一目一千本という文字につられて顔を出すと、なるほど!である。


吉水神社より「一目一千本」

神社は義経・静、後醍醐天皇ゆかりの間があり、襖絵も素晴らしい。(必見。)
一方、手の方は腫れがひどくなって親指を動かせない。どこかで湿布を買えるだろうか・・・。

<下千本>

このあたりはもう両側が商店街。人ごみの中、桜は殆ど見えないが、お土産もゲットしたい。
葛の老舗、八十吉であれこれ買い物し、ここでしか味わえない極上の葛きりを味わうことにする。
黒蜜もいい味で、何より上品な干菓子の味に、食べた後またお土産を買い足すほど。

打撲の方は、運よく葛きりの器に氷が入っていたものを使い、袋にいれて冷やしながら歩く。


蔵王堂

とうとう「終点」の蔵王堂に到着。上千本からも大きく見えた堂宇は巨大。
本当は中に入って仏像などを見るべきだが、もう桜も仏像も『満腹』なので、次のお楽しみとする。

最後はケーブルに乗って吉野駅へ。13:30を過ぎている。吉野滞在6時間。(ただし、昼食はまだ。)

急行とはいえ実際には各駅停車で乗り換え駅の橿原神宮へ。(ここから難波へは「急行」らしい。)
ここで遅いお昼休憩をとり、マツキヨでようやく湿布を買って貼ると、す〜っと腫れと痛みが引いていき、ほっとする。

ここからまた急行に乗り、途中の風景を楽しみながら、1ヶ月ぶりの京都へ。
私は初めての「のぞみ」。8時過ぎに東京に着いて、満足の旅を終える。

*吉野のアドバイス

・早朝タクシーで奥千本まで上がるのがお勧めです。
・奥〜上千本は山用の靴をお勧めします。
(慣れていれば底の浅い運動靴でも歩けますが、私のように、あとで思いがけず滑ることにもなりかねないので・・・。)


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