南木曽岳   2005年10月14日夜〜15日

コース:尾越(蘭キャンプ場)の駐車場〜6:30登山口〜6:45周回コース分岐6:55〜8:50南木曽岳9:20〜9:40見晴台9:50〜11:30周回コース分岐11:40〜登山口〜駐車場


中仙道の妻籠に近い南木曽岳に登る。マルバノキの紅葉と星型の花、そして大展望がその目的である。
大日連峰から1ヶ月ぶりとあって、余り自信がない。でも、コースタイムは短めだし、と気を取り直す。

毎度おなじみのマイクロの夜行である。バスに揺られながら、ふと目が覚めると、もう高速を降りて山道に入っているようだ。
細くくねった凸凹の道を揺られていくようになると、あたりは漆黒の闇。ヘッドライトに照らされてまっすぐに伸びた木々が浮かび上がる。<

登山口に着いたことを確認すると、またしばしの眠りに落ちる。
そろそろみんなが起き出して、スパッツをつけたり朝食を取り始める。どうやら外は雨が降っている様子。晴れ女見習いの効力は失せたか・・・。

諦めて雨具をつけ、外に出る。山中ゆえ視界は狭いが、何と東の空に虹がうっすらとかかっている。
え?こんな時間に、あの方角に?

キャンプ場から先は車止めがある。しばらくは林道とあって、三々五々歩いていく。足元は花崗岩の崩れた砂のようだ。空は何となく明るくなっていく。時折もうマルバノキがあるが、紅葉はイマイチ。

車も通れる広い道をゆっくり登って行くと左手に登山口の標識がある。「南木曽岳2.2km/蘭(アララギ)方面4.2km」となっている。
更に登って行くと堰堤を過ぎて周回コースの分岐に出る。「南木曽岳に至る2.1km」とあるから、1km歩いてきたのか。ここはコースが一方通行に決められており、時計回りに登っていく。

コースはだんだん尾根に向かって行く。途中何故か金太郎にゆかりのポイントがある。

要所要所にはしっかりと標識と案内板が設置され、手入れが行き届いている様子。
コウヤマキなど木曽の銘木がたくさん生えているらしい。


周回コース分岐

恵那山(奥の後ろの山)を望む
事前にネットでルートを調べたが、それぞれ大きく異なっている。町が案内をネット上で公開しているが、データは細かいものの、地形図とは異なり、いま一つ釈然としない。(後日確認してみると、2005年の昭文社の地図のルートが正しそうだ。)

小雨が降ったり止んだりのはっきりしない天候の中、足元はとにかく木ばかり。
整備されていることは大いに感謝しなければならないが、如何せん木なので滑る滑る。
それに、手すりが欲しいようなちょっと傾いた水平の梯子も。
鎖場があると聞いて、今日はストックをおいてきたことが悔やまれる。

実際には鎖場らしい鎖場はなく、「上の鎖場」という最大の難所には、迂回路として新しい立派な階段が設置してある。天候からも人数からも、有難くこちらを利用させて頂く。
振り返ると恵那山が大きい。
ルートはずっと尾根を辿って行く。


マルバノキと花
マルバノキも目を見張るような紅葉、とはいかないが、綺麗に咲いている。実(み)は、何とかわいいハート型だ。雨も何とかおさまって合羽の足元が上がりにくい。
この立派な迂回路を過ぎれば、山頂は近い。

まあ地図を見れば分かることだが、今日は急登の連続で、息つく暇も無いという感じだ。
(結局、登りのコースも1278m地点辺りからは忠実に尾根線を辿っている。)


マルバノキの紅葉

山頂
山頂は樹林の中で展望がないが、大休止となる。(8:50)今日は天候が悪いせいか、ほぼ貸し切り状態である。もっとも、周回コースなので、すれ違う人がないせいかもしれない。
静かでいい山だ。

ここからは急に緩やかな起伏となり、小さなアップダウンがあるが、笹原となって見晴らしもとてもよい。
綺麗な避難小屋がある。


避難小屋

笹原を行く
このあたりは急に遠足気分で楽しく歩ける。

御嶽も見えて、アルプスの大展望にも期待がかかる。
足元にはツルリンドウの赤い実がたくさんついていて、何だかクリスマスの飾りのようだ。
花も咲いているが、これはツルではなさそうだ。(普通のリンドウ?)


ツルリンドウの実

リンドウ

中央アルプスの大展望
頂上から登り返した展望台では、曇天にもかかわらず、いや曇りだからこそ、間近の中央アルプスが更に近くに迫ってくる。まさに大展望だ。

大きな案内板もあって、カメラ部隊が大活躍。
もう一度大休止となる。

これだけの展望があれば、何度も登る価値がありそうだ。欲を言えば、晴天だったら・・・。でも、それは贅沢というものだろう。


御嶽山
まさに後ろ髪を引かれる思いで展望台を後にする。
とあるサイトで見た地図では、このままなだらかな稜線伝いに1473m地点あたりまで進んでから合流点にもどるようになっていたが、いざ下山にかかると、とんでもない急降下の連続となる。しかも、それが木の梯子の連続だから、濡れているので慎重にならざるを得ない。

時折鎖もかかり、覗き込むと遥かに下を行く先頭が真下に見え、もし足を滑らせたら・・・と思うと背筋が寒くなる。何だか、スキー場で『超上級者向け斜面』を上から覗き込んだような気分。
今度は垂直に近い梯子が延々と延びている。安全を考えると、みんな後ろ向きに降りている。この梯子の長いこと長いこと!!降りても降りてもまだまだ梯子は続いている。・・・途中で何度か休みながら、やっと降りたった。
証拠写真を、とも思ったが、上までフレームに入らないし、降りてくる人に迷惑なので諦めた。
(訪れる方は、聞きしに勝る急降下と覚悟召されよ。)


下山路
地図と地形を比べると、どう見ても1473m峰方面とは違う。明らかに向こうにそのピークが見えているのだから。これは1675m地点を過ぎた辺りからまっすぐに下降しているに違いない。(後日確認すると、やはりそうなっていた。この頃は地図読みがだいぶできるようになったかも。)
途中で谷間にずっとマルバノキがあって、全部が紅葉したら本当に美しいだろうなというポイントがあったが、今年はどうもいま一つの様子だ。

雨は降ったり止んだり忙しい。
それでも、ようやく周回コースの分岐に戻ってほっとする。
ここからはあと一息で登山口。・・・広い林道へ戻るとほっとする。あとはお待ちかね、妻籠見物である。

広い駐車場にバスをとめ、傘をさして見学に行く。1時間ほど時間があり、散策したりお店を覗いたりして楽しむ。
雨の妻籠も趣があっていいなあ・・・。


妻籠宿
五平餅を食べたり、和の小物を物色したりして、つかの間の休日気分。
山も観光も楽しんで、また車中の人となる。

山にご一緒した皆様へ


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