妙義山(中間道)   2006年10月29日

コース:
妙義神社9:10〜9:20登山口(登山ポスト)〜9:35第1見晴10:05〜10:30第2見晴〜11:30東屋(昼食)12:00〜大砲岩の鎖場〜13:10第4石門13:30〜13:45第2石門14:05〜14:10車道出合〜14:20中之岳神社


今日は妙義山の中間道へ。一度行きたかったが機会を逃していたので、今度こそと参加する。前夜は寝る前に雨の音がして、ちょっと心配だったが、朝出るときは何とか傘をささずに済み、ほっとする。

都心を7時前に出発し、順調に登山口へ。見慣れたギザギザの岩峰がだんだん大きくなって、妙義神社前の道の駅に入る。ここにマイクロバスを停め、神社に向かって歩き出す頃には青空が出て、気温もやや高め。

目の前に聳える岩峰が真っ赤に彩られ・・・の予定が、どうやら今年はまだまだ。厳しい冷え込みもないからだろうか。
神社の石段を登って更に進むと、登山届けのポストや標識のある登山口となる。うっそうとした樹林帯の中を登っていく。
第1見晴の分岐から、妙義への道すがら山腹に見えた、白い「大」の字まで行って見ようということになる。滑りやすい急斜面をよじ登ってまず尾根に出る。
左に折れて更に登ろうとすると列が渋滞。前からY子リーダの声。最後尾のTリーダーと相談の上、この先かなり滑るので危険と判断し、戻ることになる。

Y子リーダーは岩も得意。今回も当然の装備持参だが、勿論一般向けのコース上で必要な場合のみロープなどを出すということ。
せっかく妙義に来たのだから、妙義らしさをちょっと味わってみようという寄り道だったが、やはり私たちにはちょっと無理だったようだ。

それから少しずつ登っていき、第2見晴。まだ青々としたカエデを眺め、時々樹間に岩峰を覗き見るうちに東屋に出る。
時間的にもちょうどいいのでここで大休止、昼食となる。

さて、片付けてまた歩き始める。今日は1日ノンビリ登山だなあと思っていると、ここからは予想外の急登が続く。地図にこんな標高差があったかなあと思うが、一気に高度を稼いでいくようだ。
誰かが、あれ〜前に来た時はこんなに登ったかなあと呟くが、最近よく聞く台詞ではある。

10月も末というのに気温も高め、僅かの間に結構汗をかいている。急登も極まって、とうとう道がつけられなくなり、岩尾根の上の鉄の階段に変る。
延々続くこの階段、むしろ傾斜の緩やかな梯子と言う方が適切かもしれない。
手すりは両側にしっかりついているが、足元の「梯子」は数センチ幅、隙間がしっかり空いている。ゆめゆめ踏み外さぬよう・・・。

これを過ぎると岩がひさしになっていたり、足元が濡れていたりでそれなりに注意は必要だが、変化に富んで面白くなってきた。やっぱり妙義だけのことはある。


大砲岩手前の鎖場
この中間道が確かに登山道であることを実感しつつ、垂直に延びる岩壁に沿って道は続く。

しばらく歩くとは大砲岩の分岐に出る。このあたりは運動靴の家族連れなども散見するようになり、子供連れも歩いているが、本当に大丈夫かな。

大砲岩の手前には鎖が2本垂れており、勿論巻き道もあるのだが、時間もあるし、鎖も楽しもうということで降りてみる。
太くて新しい鎖だが、足元はちょっと滑りやすい。
まあ、滑ってもちょっとすりむく位で済みそうなので、誰かが、ここで鎖場の練習したらいい、と言う。確かにそんな雰囲気だ。


第4石門とそのむこうの大砲岩
遊園地気分で鎖場を降りるとすぐに第4石門の広場に出る。
とても広い場所に東屋もあって、もう中之岳神社から近いのか、観光客もたくさん。

ほら、と言われて振りかえると、なるほど筒を抱えた大砲そっくりの「大砲岩」が石門の向こうに見える。絶好の撮影ポイントだ。
この石門の基部を登っていくと更に絶景が楽しめる。みんな思い思いにカメラを構え、ポーズを取る。


鎖場を登る
なるほど、中間道と言っても楽しいなあと思ったが、本当の「お楽しみ」は実はこれからだった。短い鎖場を登って、第3石門への道を見送ると(通行止めになっている)、第2石門への分岐に出る。
ここでリーダーが、石門を登らずに降りてもいいと言うので、以前登った人は先に行くことになり、3/4程が残る。

どんなところかな、と行ってみると、見上げる岩壁から太い新しい鎖が2本延びている。それが細長い岩穴を通り抜けており、この穴が石門なのだ

鎖はどちらを登ってもよさそうだが、右は滑りやすそうだと登り始めたY子リーダは、足元が滑るから、と鎖の尻尾に手が届かない僅かの区間にもカラビナにロープをかけて垂らすことにする。安全第一、怪我のないよう。

さて鎖場を順次登っていくが、穴をくぐる箇所がネックになって渋滞気味。どうやら足がかりが無いらしい。
すると岩場はお任せのKさんが的確な指示を出している。これが山の会の良い所。
ようやく私の順番が来る。

いざ鎖を掴むと、しっかりしてるのは有難いが、垂れた太い鎖を引き上げるだけで重い重い。1区間ごとに1人になるように登っていくが、時々足元が滑り、ちょっと不安になる。
足でしっかり立とうとするものの、前がつかえると待っている間も鎖の重さを感じる。離す訳にもいかず、予想外に腕力が要る。
登り詰めてようやく「穴」まで行くと、何と向こう側もすぐに真っ逆さまに降りるルート!これこそ釣瓶落とし。
穴のところは、岩と岩の間が僅かに20センチほど。そこに片足が入れば楽だが、入らないと結構怖い体勢を強いられる。

何とか足を入れて、今度は下るが、これまた足場が中途半端で腕に力が入る。滑り止めさえついていれば、案外登山靴より運動靴の方が足さばきがいいかもしれない。

これを少し下って並行移動の「横バイ」に入る。剣岳以来の「横バイ」だ。
しっかり鎖はついており、ステップもあるが、半身で交互に足を出すのは不安定で怖い。時折足場に困りつつも、何とか進んで行く。


カニの横バイ

下りも絶壁
私が横バイに入るのを見て、「大丈夫ね?」と声を掛けてから、Y子リーダーはみんなのところへ戻って行った。残りは私とTリーダーのみ。(後で伺えば、「皆さんが鎖場を歩いている時は、心臓バクバクでした。」とのこと。ご心配をおかけしました。)

無事に降り切って振りかえれば、運動靴で軽装のご夫婦が悲鳴を上げながら必死に鎖にしがみついている。もしかして、山歩きなどせず、また鎖は初めてかもしれない。
鎖場も登りはいいが、下りは経験が物を言う。ちょっと気になったが、10数名が石門をくぐるのに大分時間もかかっているので、先を急ぐ。

すぐに合流点に出て、更に第1石門をくぐってればすぐに車道に出る。ここが石門めぐりの登山口となっているようだ。
車道を歩けばすぐに中之岳神社と駐車場がある。みんなニコニコしながらバスに戻る。

折角なので、ピカピカの巨大な大黒様が笑っている中之岳神社に参拝し、妙義山の無事故を感謝した。
折角なので、金ピカの金運御守(ご利益ありそう!)を求め、おみくじを引いて(今日は中吉。まずまず。)、バスに乗り込んだ。

妙義の中間道は、高低さを考えると、中之岳神社から登る方が楽かもしれない。
また、第2石門の鎖場も、こちら側から登れば、先に横バイを目にするので、登れるかどうか判断できるだろう。
このところ妙義では事故が多いので、コース整備や看板での注意喚起も行われている。くれぐれも安全第一で歩いたいもの。

それにしても、足は何とも無いが、翌日は肩や腕が筋肉痛だった。腕力の要る鎖場は大変。熟達者・岩登りのルートの鎖場も、どうしても腕で引き上げないと登れない所があると聞いている。岩場といっても様々。あの独特のギザギザは、やっぱり遠くから見て楽しむもののようだ。

ご一緒した皆様へ


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