三峰山〜鉢伏山   2008年9月6日

コース:ビーナスライン三峰展望台(駐車場)11:55〜12:20三峰山12:25〜15:20二ツ山15:35〜17:25鉢伏山17:30〜17:45駐車場


今日は花の百名山(マツムシソウ)として知られる鉢伏山へ。ただし、三峰山からの縦走という渋好みのコースである。
あいにくの事故渋滞に巻き込まれ、到着が大幅に遅れ、歩き出しは正午近い。連日の雷雨に怯えつつも晴天となり、気持ちのよい笹原を登っていく

笹原にはちらほらと、ハクサンフウロ、ハナイカリ、ワレモコウ、ナギナタコウジュ、アキノキリンソウと初めて見る赤い花。それらが遠慮がちに顔を覗かせる。


  ハクサンフウロ(白山風露)、   エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、   シャジクソウ(車軸草)

すぐに三峰山(1887m)に到着。山頂は展望もよく、大きな案内板があるが、これから進む鉢伏山へのコースは最近整備され、歩きやすくなったという。距離は9キロとあり、高低差が少ないもののそれなりのルートではある。

ここから向きを西に変え、ケルンに従ってジグザグに急降下するが、要所にロープも張ってある。ちょっと足場が悪く、笹に足を取られて歩きにくい。

その後は笹原や樹林の中を行くが、余り展望は無く、静かな山歩きだ。

二ツ山までは笹の煩いコースと思ったら、それほどでもない。が、笹の丈は短くコースも標識もしっかりしているが、余り歩かれていないため滑りやすく、木の根や石車に神経を使うため、周囲を見晴らす余裕が余り無いのはちょっと残念。

笹がびっしり生えているためか、花は殆ど無く、時折トリカブトがすっのびているくらい。(ツクバトリカブト)

痩せ尾根を歩いたり、尾根をはずしてのトラバースが続いたりして歩き続けると、ようやく目の前に山が現れる。二ツ山だ。これが一気の直登で、滑り台さながら、笹を掴み、緩むこと無い急傾斜が標高差280m程続くのはきつい。
途中で何度か息を整えつつ登るが、体調不良者も出るほど。今日の最大の難所だろう。鋭い爪跡の残る木があるが、これは熊の爪とぎか。
滑り落ちる前に次の足を踏み出して、何とか開けた山頂に飛び出すと、先頭の人たちは疲れた顔で座り込んでいる。

二ツ山(1826m)

大休止でみんなに少し笑顔が戻り、さあこれからお花の待つ鉢伏山へ。
降りていくと意外と笹が深く、藪漕ぎも。あれれ、こちら側の方が歩かれているかと思ったが・・・。

少し花が増えたかなと思うが、歩き出しの笹原と同じ感じ。先ほどの登りで疲れたせいか、僅かの登りも堪える人。
ようやく視界が開け、気持ちのよい涼風に吹かれてやっと元気を取り戻す。が、相変わらず足元が危なく、転ぶ人も。

鉢伏山にだんだん近づくとやっと花の数は増えるが、なぜか種類は限定されている。ハナイカリ、トリカブト、ウメバチソウ、ヤマハハコ、ヤマノあとはコギリソウ(山鋸草)、トモエシオガマ(巴塩竈)がごく僅か。でも、マツムシソウはどこ?

鉢伏山手前は砂利道のようになり、向こうの斜面に鹿を発見。

今日は写真の枚数が極端に少ない。もう足元の不安もなく、広い道になったので数少ない花を丁寧に写しながら歩いていくとやっと1本マツムシソウを発見。しかし、花びらが欠けて綺麗ではない。


  ハナイカリ(花碇)、   ウメバチソウ(梅鉢草)、   ツクバトリカブト(筑波鳥兜)

鉢伏山に着くが、何とマツムシソウはもう1本見ただけ。全く咲いていない・・・というより、草自体が見当たらない。どうしたのだろう。

鉢伏山山頂付近

本当に寂しい草原に、トリカブトばかりが妙に目に付く異様な風景。どうやら犯人は増えすぎた鹿らしい。
もう花の百名山とはとてもいえない惨状に、リーダーも愕然。こんなに花が(少)ない山は初めてだ、と。

低山高山を問わず、増えすぎた鹿は想像を遥かに越える被害を出しているようだ。後で調べると、少なくとも2年以上前にマツムシソウは全く見られない状況になっていたようだ。レンゲツツジの葉はまだ大分見られたので、ツツジの時期には楽しめるかもしれないが、秋の草は・・・。
花が見られなかったのはとても残念だが、二ツ山の登りもそれほど辛くはなかったので、久しぶりの静かな山歩きを楽しんだ。が、お花という点では予想を裏切られ、がっかりした人が多かったことだろう。

帰りは渋滞での遅延が幸いして諏訪湖の花火大会を垣間見、さらには甲府あたりからも花火が見られた(*中央市『与一公まつり』らしい。)ので、夜空に咲く花を楽しんで、良い想い出とした。

追記:
山の中で沢山見られた葉が三角の地味な花はミヤマタニソバでした。
その他、フウロに関しては、ハクサンフウロだけでなくほかにもあるようでしたが詳細な画像がないため、不明です。


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