ミツバ岳〜世附(よづく)権現山   2008年3月30日

コース:
滝壷橋8:30〜9:40ミツマタ群落〔撮影タイム〕〜10:00ミツバ岳(834.5m)10:15〜11:20権現山(1018.8m)11:55〜756mピーク〜13:20〔661mピーク〕(*寄り道後、再出発)14:45〜〔560m地点〕〜15:25浅瀬入口[バス停]

(*権現岳〜浅瀬入口バス停までは標識あり。)

「権現山0.3km、丹沢湖2.5km」地点=11:57
「権現山0.5km、丹沢湖2.3km」=12:16
「権現山0.9km、丹沢湖へ1.9km」=12:37
「権現山1.5km、丹沢湖1.3km」=13:13
「権現山1.7km、丹沢湖1.1km」=13:20(寄り道〜14:45再出発)
「権現山2.0km、丹沢湖0.8km」=15:00、
「権現山2.2km、丹沢湖0.6km」=15:03=「展望所」
 東電の施設=15:05
「権現山2.7km」と「展望所→」=15:20、
「権現山2.8km」=15:25=登山口(落合トンネル入り口)


08年の初山行は、この時期ミツマタの群落で「知る人ぞ知る」丹沢の山。
このルートのうち、権現岳までは昭文社の地図「丹沢」最新版(2008年版)にも載っていない。(滝壷橋の位置はあり。)また、権現岳〜浅瀬入口のコースは破線で、「道標はあるが不明瞭、初級者通行不可」と書かれている。
ただ、所属山岳会でも滝壷橋〜ミツバ岳〜権現山〜屏風岩山〜大滝峠〜大滝橋の山行実績があり(私は不参加)、また経験者が一緒なので心強い。
ネット上にもかなりの情報があり、このコースを問題なく歩けるものと判断しての計画である。

早速『新車』で東名道を走り、渋滞もなく丹沢湖へ。車を登山口の滝壷橋に近い駐車場(複数あり)に停め、支度をして歩き出す。

滝壷橋を渡るとすぐに登山口。ご丁寧に電柱に小さくマジックでミツバ岳とある。

最初からなかなかの急登が続く。最初にちょっと立ち止まったのは、誘われそうな水平道。しかし、そちらへ進むと尾根を外してしまう。
そこで、そのまま斜面を登り踏み跡を辿るとすぐ左奥にシカ除けの柵が目に入る。よしよし、これで情報通り。
この柵に沿って、赤テープを追いながら登っていく。

この先は迷うことなく急登を頑張ると「水源の森林づくり」標識があり、ちょっと休憩。
明瞭が尾根線を辿ると上部では伐採作業が行われており、先行者も見え隠れする。また、尾根の右脇に歩きやすい(作業)道ができている。
なかなか緩まない急登だが、だんだん見晴らしは良くなる。そろそろ頂上が見えるはず、というころ、前方に黄色いぼ〜っとした塊が。あれがミツマタ?!
思わず駆け寄るとそこから先はミツマタの大群落。先行者たちもカメラを向けている。

ミツマタは和紙の原料だが、ジンチョウゲ科で、なるほど花が似ている。つぼみのときは白っぽいが花が外側から開いていくとどんどん中の黄色が見えて、最後は球状で遠目にも濃い黄色になる。

ミツマタを追ってノンビリ撮影していると、そのうちに頂上へ。
ミツバ岳山頂

たくさんの登山者が休んでいるが、素晴らしい群落はシカ柵の奥に。見晴らしも良いせいか、残念ながら柵が壊(さ)れて、その中で休憩している。
期待の富士山は雲に隠れているが、満開のミツマタからはあたり一面に芳香が漂い、初めての大群落には息を呑む。

もう今日の目的は達成したね、と歩き出すと植林の中にも大群落がいくつもあるが、まだ蕾が多い。この先まだ1〜2週間楽しめるのではないか。
この一面の大群落が満開になっらと想像すると、是非又来年も、と思う。

やがて権現山への登りになると、枯葉の隙間からヒナスミレが顔を覗かせている。
概ね植林と雑木林の境を歩いているが、迷う箇所はない。権現山は山頂が広く、かなりの登山者が三々五々休憩している。私たちもここでお昼にする。
権現山の山頂

さて、ここからは、いよいよ破線コースである。二本杉峠方面へ縦走する人たちが多いのか、静かである。
気を引き締めながら進むと赤テープがあり、更には立派な標識まで。
「権現山0.3km 丹沢湖2.5km」

前方には樹間に丹沢湖が見え、なかなか良さそうなコースだ。
転げ落ちそうな急斜面を下る

が、今度は相当な急坂となり、木々に掴まりながら慎重に降りていく。青緑の岩が目に付くようになると更に急になり、足にも力が入る。
これを降り切ると756m(「権現山0.9km」)地点。振り返れば確かに、権現山が高い。ここにもまたミツマタがあり、楽しませてくれる。

そのうちにまたシカ柵と出会う。ここから暫くはこの柵に沿ってまっすぐ進む。藪椿が綺麗だ。
シカ柵に出会う

暫くの間、シカ柵を忠実に辿り、岩があったり、柵が倒れている箇所のみ、最低限の迂回をして、コースを外れないようにすれば「丹沢湖1.3km」標識に出会う。

次の標識は「丹沢湖1.1km」。余りのあっけなさに拍子抜け。地形図は何度も確認しつつ歩いているが、特に迷う箇所があるとも思えない。・・・ここで余りの順調さについ魔がさしてしまった。
魔の赤テープ?!

目の前に広い尾根があり、誘うように赤テープが点々と延びている。これはひょっとして、湖畔の車道へのショートカットなのでは?と。地形図には、なるほど661m地点から世附大橋方向に、綺麗に伸びた尾根がある。これだな・・・。
詳細は書かないが、途中までは順調に進めるが、「水源の森林作り」標識より先でテープを見失い、沢音の聞こえる崖近くまで降りてしまい、進退窮まる直前で「撤退」。
典型的な遭難へのパターンに陥ってしまうところだった。必死の登り返しの末に、661m地点まで戻る。
(この際、途中で何度も画像を残していたので、戻る際も、時間と地点の確認ができ、大いに役立った。)

小雨も振り出した頃、潔く標識に従って降りていくと、10分ほどでシカ柵と別れ、右手の尾根の、はっきりした赤テープに導かれて下っていく。
シカ柵と別れる

今度は目の前に永歳橋が見えてくる。更にテープを辿るとまた「丹沢湖0.8km」標識が現れる。

あとは順調に下って東電の施設を過ぎていく。
杉の植林の中を、緩やかなジグザグを繰り返し、シカ柵を何度も戸でくぐり抜けながら歩けば、浅瀬入口(登山口)に降り立つ。
たくさんのHPにあるように、ここ(と権現山山頂のミツバ岳方面)に「初心者の通行不向き」看板があるが、途中の標識の多さを考えると首を傾げる。

無事の下山を素直に喜び、トンネルをくぐって車に戻る。

★アドバイス★
このコースを歩く場合には十分な下調べと1/25000地形図での位置確認が必要です。
浅瀬入口から登る方が迷いにくいと思いますが、権現から下るのも問題ありません。
大原則として、この周回コースは
 ・急登の連続である(ミツバ岳〜権現山を除く)
 ・雑木と植林の境目(尾根線)か、シカ柵に沿って歩くことが多い
 ・赤テープを信用しすぎないこと(伐採の目印としての赤テープもたくさんあります)
が特徴です。
ミツマタの時期は新緑前で見通しが利くため、位置の確認が容易ですが、悪天候・葉の茂る時期はもっと迷いやすいと思います。
くれぐれも慎重な行動をお願いします。ただし、特別危険な箇所はありません。


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