三ッ峠    2003年11月8日

コース:三ッ峠登山口9:45〜11:00三ッ峠山荘〜11:07木無山11:45〜開運山〜御巣鷹山12:23〜14:05清八峠14:15〜15:15下山口(東山梨変電所の上方)


 今日は三ッ峠へ。有名なのにやっぱり初登頂の山。下山ルートが長いので気を引き締めて参加する。
地図で登山口はどこかなあ〜と探していたが、三ッ峠駅からの長いルートではなく、御坂トンネルを抜けて天下茶屋を少し通り過ぎた地点からの短いルートと分かった。

今日は11月としては異様な暑さで、下界は25度になるという予報。この時期は本当に山での服装には気を使うが、まだ夏用のシャツでよさそうだ。

さて、新宿を7時に出発、登山口には9:15着。あいにく「10名以上のマイクロはこの先進入禁止」ということで、車を降りてもうしばらく車道を上がることになる。


マイクロはここまで。(登山口)

 乗用車の駐車場まで来ると9:30。トイレもあり、身支度を整えて9:45出発。人気の山だけあって、停めている車の数も多く、登山道も身軽な格好でスイスイ登っていく家族連れが目に付く。
コンクリートが打ってあったりする広い道だ。沢山の人が登っている。コースタイムは90分ほどのようだが、休憩を挟んでゆっくり歩いていると、道が左にカーブし、なだらかになってきたらもう頂上間近だ。

三ッ峠は木無山、開運山(1,785m、三角点あり)、御巣鷹山の3つのピークが連なる山。
この人出と、開運山の狭い山頂を考慮して、最初のピーク(?)、木無山(といってもなだらかな丘のような所)で早めの昼食となる。


木無山のなだらかな山頂部

 すぐ目の前にはアンテナや鉄塔が林立する開運山、少し奥に御巣鷹山が見える。今日は天気もまずまずで、登山者も多い。
クライミングのメッカ、屏風岩に張り付くクライマーも見える。残念なのは、気温が高いせいか、せっかくの裾野を長く引いた富士山がぼ〜っと霞んでいることだ。
年賀状の画像に使おうと思ったのに・・・。


開運山を臨む

 三ッ峠には山小屋が複数あって、トイレもあり、とても助かる。
ゆっくり昼食を終えて、次は最高峰の開運山をめざすが、土留めをした階段になっているものの、土砂が流出し、杭や丸太が地面から浮いた状態になっている。登山者の多さゆえだろうか。
狭い山頂には方位盤と三角点がある。屏風岩方向には鎖が張られているが、中に入って休んでいる人たちの姿も・・・。
雀のお兄さん位のかわいい小鳥が歩いている。あれ〜こんな所にイワヒバリ?それともアトリ??カメラを向けても逃げず、もう1羽飛んで来て2羽になる。


イワヒバリ(かな?)

(ちなみに、図鑑によると頭から胸にかけてグレー、雀より1回り大きい鳥は他にない。2羽が番とすると、雌雄の区別が殆どない点でも一致する。夏に高山で見かけるが、冬場は低い山の岩場で過ごすとか。となると、ちょっと細身の気もするがイワヒバリなのだろうか。)

 さて、御巣鷹山を経るといよいよ長いルートが始まる。ちょうど地図上をまっすぐ稜線に沿って北上する形になる。
しかし、地形図で見ると細かいアップダウンが沢山あり、しかも主なピークの標高は1513m、1531m、とだんだん高くなっていく。一番高いのが清八山(1593m)で、やっとそこから下り。
ということで結構大変なルートなのだ。

 今までのなだらかなルートが一変し、急降下で土も滑りやすく、落ち葉もあって緊張する。落ち葉の季節はこの点だけはちょっと大変だ。
木の枝を掴んだりしながら長い長い急降下は続く。やっと鞍部に出てもすぐに登り返しが待っている。まずは1513mの茶臼山。13:05着。

しばしの休憩後、また歩き出す。すると、あ、これは、ツクバネだ!
先月飯田の風越山で初めてみたツクバネだが、あの時はまだ若いのか黄緑だった。
これは見事に先端が黒く熟し、ハネの部分も薄茶になって、枝先にいくつもぶら下がっている様は、まさに「ツクバネ」。


ツクバネ(枝先に注目。)


ツクバネ(アップ)

 それにしても前後に誰もいない。こんな長いコースを選ぶのは物好きなのか。いや、本当に山が好きな人、と言っておこう。
普段と違ってまだまだ登りも残っている。季節はずれの暑さもあって、私もだんだんバテてきた。登りも急なのでまるでアキレス腱のストレッチ。
どうやら他のメンバー各位も疲れも手伝ってあっちこっちで滑っているようだ。真新しいスリップの跡があちこちにある。今日は転びたくないなあ・・・。

 地図上の目印、送電線が東西に横切る地点までくると、左右の視界が開けて気持ちがいい。(13:35)
しかし、今度は前方で工事の物音が。進行方向の清八山の方らしい。う〜ん、残念だ。何か作っているのだろうか。いや、壊しているのか。
巡視路が合わさるとそこにもブルド−ザー。工事の音は上からも聞こえてくる。
最後の登りと分かっていても、流石に疲れてきた。最後尾ということもあって、10秒位ずつ立ち休みをしながら、やっとの思いで登りついたのが清八山。(14:05)
しかし、稜線のすぐ左手で は、地図に載っているはずの電波塔がない。そのコンクリートの土台を解体しているようだ。大都市の工事現場みたいで、本当に興ざめ。

 10分ほど休憩で、振り返るとアンテナの林立した三ッ峠が高く聳えている。しかし、再度地図を見ても、まだまだ下山口までは距離がある。1/25,000の「河口湖東部」が丁度切れた所のやや先が東電の東山梨変電所。「笹子」の方で見ると大きな マークでそれと知れる。ここからもまた等高線は非常に密で、まだまだ気を引き締めないと怪我でもしそうだ。

ピークからちょっと右手に下ったところが鞍部で、清八峠となっている。そのまま進めば本社ケ丸、そのずっと先に鶴ケ鳥屋山。是非このコースも近いうちに歩いてみたい。
さて、降り始めると、案の定の急降下。滑る滑る。気をつけていてもいつのまにかへっぴり腰になってしまう。滑り台そのものだ。
足元ばかりを見つめて降りていく。時々大きな朴葉が散らばっていている。よく見ると、前方に目指す変電所の大きな建物が見える。ああ、あそこまで降りていくのか。だいぶあるなあ・・・。

山道は時々トラバースしながらも稲妻型に斜度を調節しながらも、どんどん降りていく。
どんぐりが沢山落ちている。あちこちにイノシシの掘った跡。柔らかい土だ。たまに逆行者とすれ違う。余りの人数に驚かれてしまうが。

 急降下がやっと少し緩むあたりで小休止。先頭から真ん中辺りまでが座っている姿を見たとたんに、あ!と思ったらスッテン。といっても、左足を膝から折りこんで、まるで二塁ベースへの滑り込みみたい。 あ〜あ、難所は終わって、今日も滑らなかったぞ、と内心ほくそ笑んだとたんのできごとだ。
転んだうちに入らないようなソフトランディングなのだが、ズボンの泥は誤魔化せない。まあ、大体皆さん今日は1度ずつは滑ったようなので、私も例外ではなかった、と考えておこう。(笑)

 日も傾き、そろそろ寂しげな気配が漂う時間となる。あとどれくらいかしらね、と話しているので、もう30分もかからないと思いますが、と答える。
最後の休憩を終えて歩き出すとすぐにやっと少し余裕の持てる傾斜になって、辺りを見回すと唐松林だ。葉はだいぶ落ちているが、もう工事の音も追ってこないので、秋の深まりを実感。


静かな唐松林

清八峠までで大分疲れてきたものの、一番心配だった足の方はどこにも痛みもなく、杞憂に終わったのが嬉しい。
そのうちに樹林もまばらになり、一層緩やかになった道をよそ見しながら歩いていたら、向こうに林道が垣間見え、さらにはマイクロの姿も。
あら、15分で着いちゃった。(15:15着)
デコボコ道ながら、何とか走れる山道を運転手さんが入ってきてくれたようだ。有り難や。
登山口の標識と登山届のポストもある。

着替えの済んだメンバーを乗せて、帰路に着く。疲れてウトウトしていると、地酒で有名な笹子の『笹一』へ寄るという。そういえば、今日は女性のMリーダーが笹一の新酒がメイン(?)の山行を出しているという話題になる。そして、のぼりも立っている『笹一』が見えてくると、 「あ、Mさんだ!」の声。・・・あ、ホントだ。Mさんが日本酒の小さなグラスを片手に歩道を歩いている。他のメンバーもニコニコ顔だ。
おーい、と手を振ると、バスに気付いて笹一まで少し戻ってくれた。

 このところ個人山行も含めてよくお会いするのだが、同じ会のメンバーに思いがけず会えると嬉しい。Mさんの腕にはお酒が2本入った袋が下がっている。
リーダー同士の会話をよそに、店内に入ってみる。観光地のドライブインのようだ。地元の農産物も少し置いてある。何をお土産にしようかと悩むが、うちは全員が下戸。ということで酒饅頭にする。
店頭でサービスしている甘酒を少しだけ貰って飲む。甘くておいしい。

帰りのバスのは甘酒と疲れで、あっという間にコックリ,コックリ。
でも、他のメンバーにも会えて楽しい一日だった。


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