櫛形山脈   2004年5月28夜〜29日

コース:
森林公園〜登山口5:05〜5:18山ノ神5:23〜分岐〜稜線出合〜6:45櫛形山7:00〜7:35飯角分岐〜8:35『425m峰』〜9:25板入峠〜10:15ユズリハノ峰〜10:45鳥坂山10:55〜11:45白鳥山〜12:25宮ノ入登山口


日本で一番小さい山脈として有名な、新潟(中条町)の櫛形山脈へ。お目当てはヒメサユリ。
佐渡山行から中5日の夜行日帰りとあって、ちょっと疲労回復が間に合わない感もあるが、花を求めていざ!

中条町で案内のパンフを出しており、私はネットから印刷して予習したものの、最近買った「新潟  花の山旅」(新潟県山岳協会監修、新潟日報事業社刊)と一部コースタイムが大幅に異なる点が気になる。まあ、歩いてみれば分かるだろう。

例によってマイクロバスでは眠れなかった。しかも予報は雨とあって、歩き出しから濡れる覚悟で、着替えも一式持参。濡れるなら濡れたでいいや、と思っていたら、早朝の道の駅ではまだ降っていない。
支度をして、登山口に向かう。
マイクロはここへ停めるようにと町役場に言われたそうで、森林公園に向かう。関沢登山口(大沢尾根)からのぼり、櫛形山から稜線を歩いて白鳥公園までのコースである。
これは櫛形山脈の全部ではないが、コースタイム等から一般的にはこれを縦走コースと称し、町の案内図にそのように紹介されている。距離は10キロほど。

一般車ならもっと上の駐車場(大沢駐車場?)まで行けるようだが、マイクロの我々はここから。
バスから降りるとまずは大きな看板がある。コース図が載っている。


コース全体図(拡大版はこちら。)

登山口には「櫛形山・大沢駐車場→」という標識と、「山ノ神コース→」という標識の2つがある。


登山口

まだ5:05、静かだ。緑が濃くて嬉しい。シダの見事な群落が目立つ。葉がとても細かくて、繊細な切り紙細工のようだ。Gさんによれば、これは十文字シダと言って特別なのだそうだ。寝ぼけた頭と体で登っていくと、すぐに立派な山の神の社に着く。更に登っていくと先頭が立ち止まっている。分岐のようだ。

右へ行くと大沢の駐車場、道なりにいくと櫛形山縦走路となっているようだ。Iリーダーは地図とにらめっこの後、直進を選ぶ。この道は、案内図やその他地図に載っていない。しかし、しっかりした道なのでそのまま行くのがよさそうだ。ただし、このまま行くと、櫛形山より少し先の地点で稜線に出合うのでは?と思う。Mさんもそう思ったらしく、リーダーにその旨伝えるが、まあ大した違いもなさそうなので余り気にせず登ることにする。

先週の佐渡がフラワーロードだったせいもあり、今回は花が無くて寂しい感じがする。というより、花の痕跡が殆ど。スミレも閉鎖花をつけている。空も重く、いつ降るのか気になる。
あくびをしながら登っていくと稜線に出た。あれれ、やっぱり大分"行き過ぎ"てしまったようだ。櫛形山まで戻る必要がある。見ると結構登っている。あ〜ソンしたかな〜という気になるが、櫛形山はパスする訳にもいかず、諦めて黙々と急坂を登る。
登ったら山頂かと思いきや、まだまだ歩かされる。ただ、稜線なので見晴らしも良く、気持ちの良い銃走路だ。
もうそろそろ着くかなと思うと、先頭からは歓声が上がっている。着いたようだ。(6:45)


飯豊の山々と二王子岳の展望

曇天というのに意外と良く見える。大展望に大満足。やっぱり雪が残っていると格好いい。以前登った二王子岳も立派、その奥の大日岳、西大日岳は更に崇高に見える。さすが飯豊。


見える山は・・?(展望図)(拡大版はこちら。)

櫛形山568mなれど、この展望は素晴らしい。
眠気も疲れも吹っ飛ぶこの光景を目に焼き付けて、今度はヒメサユリを探さないと。
気分も軽く今来た道を戻る。(7:00)・・・先ほどの稜線出合まで15分ほど。(当初目指した『大沢尾根コース』より1本北寄りの尾根を登ってきたようだ。)そこから次のポイント、飯角分岐まで20分ほど。快調だ。しかし、めぼしい花は・・・。ツツジかな。


ツツジも美しい

地図を見ると、何故か飯角分岐から先にポイントが書かれていない。しかも、町のマップだとここから次のポイントである『ゆずりはの峰』まで3:30となっている。地形図を見てもそこまでのアップダウンと比べて特別に厳しい地形でもなさそうなのに、なぜそんなに掛かるのかが疑問だ。さらに、『新潟  花の山旅』では何とその区間のみ町のマップと違いがあり、100分になっている。2時間かからない、というのに3時間半??なぜこんなに違うのだろう。

誰にも出会わない。時々アカショウビンがキョロロロロ・・・と鳴いている。是非一度見てみたい鳥だ。キツツキの声もする。豊かな里山と言う表現がぴったりの、手ごろな山である。
相変わらずヒメサユリは、ない。足元にはイワウチワとイワカガミの葉が沢山。時々ショウジョウバカマの葉も。
薄日も差すようになって、今日は雨が降らないかもしれないね、ラッキーだね、とみんなが言う。しかし、湿度は高く、蒸し蒸しする。

アップダウンが多いとはいうものの、高尾山から陣場山のコースみたいな程度に感じる。みんなも結構いいペースで歩いているなあと思ったとたんに、ポツン、と来た。誰かが言った。「時計を見てご覧よ。」・・・9時だ。予報では9時から1ミリ程度の雨となっていたそうだ。そんなに律儀でなくてもいいのに。

空を眺め、大した降りにはならないと賭けて、上着と傘にする。
今日は花に会えないのかなあ、と足元を見ながら歩く。コースは大きく北へまがって、ゆずりはの峰を目指す。
すると、待望の歓声が。「ヒメサユリが咲いてるよ〜!」


ヒメサユリ

突然、登山道脇にうつむき加減に咲いている1輪。早速フラッシュの嵐を浴びている。
順番にカメラを向ける。リーダーが前の方から大声で「絶対に花に触らないこと!」と注意する。確かに、時々マナーの悪い人がいるのは残念だ。

たった一輪でも、花は素晴らしい。やっと宿題を片付けた気分だ。傘をさしてもウキウキ歩いていると、更にヒメサユリが咲いているではないか。しかも、花の状態は最高だ。


ヒメサユリ

ユリの花が大好きなGさんは大感激の様子。何とこの先には次々にヒメサユリが咲いているではないか。何だかとても不思議な気がする。もっと嬉しいことに、今度はヒメシャガが咲いているではないか。雨に濡れて一段と美しい。


ヒメシャガ

ゆずりはの峰に着いて小休止。傘を差しつつ、少し腹ごしらえ。ヒメサユリも連れ立って咲いている。
途中で雨が降ったり止んだり。花があれば順番にカメラを向けるというゆったりペースで歩いて、飯角分岐からユズリハの峰まで2時間半ほど。少人数で普通に歩いたら多分2時間前後だろう。いくらなんでも3時間半はかからない。これはあくまで初心者や年配ハイカーを意識してのコースタイムなのかもしれない。

いよいよ本降りになって鳥坂(とっさか)山着。ここでもう先は見えたのでしばし休憩。目の前に次のポイント、マイクロウェーブの鉄塔が林立している。急降下・急登は厳しいが、歩いてみればすぐだ。ただし、赤土の急傾斜に雨とあって、滑る滑る。
さらに白鳥山をめざすが、ヒメシャガ街道という感じだ。山頂には昔、鳥坂城があったそうで、途中順番に四の堀、三の堀、二の堀、一の堀を越えていく。といっても、今は小さな溝という感じだ。水も流れていない。

飛び出したところは展望台。立派な東屋がある。(11:45)
さて、ゴールの白鳥公園は?と歩き始める。すぐに標識と分岐がある。「白鳥コース」と「宮ノ入コース」だ。さらに、「白鳥コースは沢コースのため迷いやすい」等の立て札まである。そこで、我々は宮の入コースへ進む。私は追分コースへ進んだのかと勘違いしていたが、いずれにせよここはちょっと間違えやすい。
白鳥公園を目指す場合は『追分コース』へ進まなければならない。

後からコースの詳細図拡大版(こちら)を見て初めて分かったのだが、白鳥公園を目指すなら、白鳥山(『鳥坂城跡展望楼』だそうだ。)から一旦戻ったところに分岐があるようだ。展望台の東屋まで来てしまうと、下山路は2つしかない。(「白鳥コース」と「宮ノ入コース」)

・・・で、降りてみたら田んぼの真ん中だった。ここまでマイクロに来てもらって、それでも随分早く縦走完了!(12:25)  リーダー、皆様、お疲れ様でした。

道の駅で買ったブロッコリー100円は美味しかった。沢山のヒメサユリ、雨でも楽しい山行となった。


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