黒姫山   2018年8月7日

コース:
大橋登山口6:11〜7:38新道分岐(食事休憩)8:00〜西登山道新道〜9:35しらたま平(大休止)9:50〜10:17大池分岐〜10:34山頂
山頂10:48〜11:28しらたま平(食事休憩)11:50〜12:54新道分岐13:00〜13:49古池14:00〜14:25西登山道入り口 [*14:52戸隠キャンプ場バス停]


今日は200名山の黒姫山、2053m。前回の「宿題」の山である。

昨夜大雨が降ったらしいが、私は気づかず。朝5時に起き、窓を開けると、外は濃い靄に包まれている。
天気予報を見ても、小雨または曇りの予報。ピンポイントでは不明。とにかくも6時に宿の車で大橋登山口まで送ってもらう。

平日且つこの天気で、他の車も、ましてや登山者の影も形もない。 新道分岐まで単調な林道を黙々と歩く。立派な林道で、幅も広く、砂利道。人影もなく、両側は背丈以上の濃い笹薮。熊鈴なしには歩けない。

新道分岐まで、ヤマケイでは1時間、昭文社では80分。途中で時折傘を出そうかという生憎の小雨模様。先が思いやられる。
この夏の酷暑で体も参っている。とにかく、無理せず、本降りになったら引き返すということに。
ちょうど6月の飯縄山と同じような天気なので、山はガスに包まれていても、本降りにはなるまい、という淡い期待を胸に、そろそろ山道となってきた大橋林道を登っていく。

幸い気温は低めなものの、凄い湿度で、身体はじっとりする。
「もう、背中のタオルがぐっしょり!絞れそうよ。」
私の方は新素材の下着のせいか、意外と頑張れている。だが、多めに背負った飲み物と、宿で受けっ取ったおにぎりも加わり、ザックは重い。

何度も林道と出合い、随時地図とスマホで現在地を確認しながら、標識のない分岐を右手に入っていく。これでよさそうだ。
が、本当に「貸し切り」状態で、静かだが、ちょっと寂しい山道をゆっくり上っていくと、ようやく新道分岐に出る。

さあ、引き返すならここ。だが、何とか行けるところまで、ということにして、ここで腹ごしらえ。 貰ったおにぎりを頂く。具の違う3つのおにぎり。これが朝渡されたのだが、ふっくら握ってあり、味も最高。小食の私が、朝バナナ1本食べたににもかかわらず、2個も食べられたのは奇跡(笑)。
ただし、問題はアブ。今回も猛烈な攻撃を受ける。ハッカ液を振りかけるも、すぐに反撃され、片手におにぎり、もう片手は常に虫を追い払う。なんとも落ち着かない食事タイム。

相変わらず展望もなく、回復の兆しもない天候だが、距離的には2/5ほど進んだこともあり、「大丈夫、お天気持ちますから!」と私が続行を主張。
食事で多少荷物が軽くなったこともあり、とにかく先に進むことに。



さあ急登かとと思いきや、拍子抜けするなだらかさ。おしゃべりしながら歩いていると、目の前に小さな鳥。よく見れば嘴が黄色い。雛なのかな。ミソサザイ?
近づいても逃げない。よく見ると、他の雛か、親鳥か、近くの笹薮にももう1羽。そうか、まだ飛べないんだな。
「ごめんね!写真だけ、ね。」ともう少しだけ近づいてパチリ。う〜ん、可愛い。

花の山かと期待した黒姫山。が、端境期なのか、それとも笹に覆われて減ったのか、めぼしい花がほとんどない。蒸し暑さの中、黙々と登る我々は、ちょっとがっかりモード。
「しなの木」という表札のあるちょっとした広場に至る。相変わらず「貸し切り」で、静か。自分の熊鈴だけがリンリン煩い。

標高が上がりだしたせいか、やっと暑さも和らぐ。カメラで写す気力もなく、そろそろ始まった急登をゆっくり登る。ここは無理せず、30分で5分休み。その都度水分補給。塩味の飴をなめつつ、また進む。
が、あたりがブナ林になり、それからいつのまにかトラバース道に入ると視界が開ける。おお、とうとう火口壁に出たか!

ここからはいきなり楽しい稜線歩きに変わる。残念ながら展望は皆無。でも、風も抜け、花も少し現れて、カメラ片手に会話も弾む。足元の花を探す余裕も出て、岩っぽくなってきたかなと思うと「しらたま平」に出た。
丁度休憩に良いちょっとしたお花畑。「いやいや、何とかここまで来たね〜!私たち頑張っちゃったね。」
腰を下ろして大休止。あたりは、名前の通り、シラタマノキやアキノキリンソウ、蕾のリンドウ、ヤマハハコ。コキンレイカ(白山女郎花)と、その白花バージョンのオトコエシ(男郎花)が綺麗だ。
オトギリソウも咲いている。あとは実になったタケシマランにゴゼンタチバナ、花が終わったズダヤクシュ、イワカガミ。まあちょっと寂しいが、もう登頂は約束されたこの地点。 やっと安心して座っていられる。

オトコエシ山頂

    一服したら、今度は大池分岐を経て山頂へ。少し登りつつ岩の間を縫うように歩いていくと、思いがけず声がする。山頂に出ると、中学生の男の子4人と引率の先生。反対側から朝4時から登り始めたという。
途中で不調者が出て、ゆ〜っくり登ってきたそうだが、もうみんな元気そうだ。私たちと入れ違いに降りていく。復路は同じコースと聞き、「ではまた後でお会いしましょう!」と別れる。
元気な男の子たちを見送り、ちょっとやすんでからまた引き返す。

今日は私は意外と快調。お腹も空いてきたので、しらたま平まで戻ってお昼にしよう、ということに。あの子たちもお昼食べているかな〜と戻ってみるが誰もいない。そうか、もう降りたのか。
順調なコースタイムだったので、ここで我々は大休止。いやあ、今日はホント、登れてよかったね〜!ということで、この喜びをSさん、iさんにご報告メール。

さて、身も心も軽くなって、しばらくはまた稜線歩き。
あ!目の前を何かが走り抜ける。ん??

おや、今度は小さな小さなネズミちゃん。
今度も蛇に睨まれたかの如く動かない。じ〜っとしているのでまた遠慮なくそ〜っと近づいて激写。これってカヤネズミ??とってもかわいい。
流石に雷鳥はいないけれど、雷鳥が出そうな天気の中、花よりも生き物に慰められる山旅。これも良きかな。

さて、急降下の開始。雨上がりで猛烈に滑る山道。ネマガリタケの切り株に、滑る赤土。怪我せぬよう、気を引き締める。でも下山には自信ありの我々。
絶対に途中で彼らに追いつくと思って進むが、新道分岐まで降りても姿はない。
まあ競争でもないし、マイペースで降り続ける。途中少し急坂があるものの、何とか凌いで道は広くなだらかに。沢音が聞こえ、その先に休んでいる彼らが見える。 お、追いついたぞ。

彼らは綺麗な渓谷で撮影中。ちょっと挨拶をして、先に行く。ふふふ、やっぱり追い越せちゃった。
古池

さらに沢音が大きくなって、下界が近づいたと思うと広い池に出る。古池だ。湖畔は木道。右回りに進むといきなりのお花畑!おお、待っていたのはこれよ!
湖畔にはコオニユリ、コバノギボウシ。遠くに紫の背の高い花。あ〜近くで見たい!・・・でも近寄れない場所にある。あれってお初の花だと思うけどなあ・・・。

後ろ髪を引かれつつ進むと、今度は何とナンバンハコベ。久しぶりだ。1/4周ほど進んだところで対岸に彼らが現れる。湖畔でまた記念撮影中。
さあ、もう下山もほとんど完了と思いきや、半周して池を離れるとまた笹薮の中の道。時折ツリフネソウと、赤い実のフユイチゴ。ちょっと単調なルートを抜け、ようやく登山口に出た。
ここから車道を歩いて戸隠キャンプ場に戻る。これがまた、意外と遠い。でもちょうど15:13発のバスに十分間に合い、長野駅に向かった。

長いコースタイム、異常気象の暑い夏。暑さにちょっと弱った体での久しぶりの登山は決して楽ではなかったものの、私は意外と辛くならずに登れて自信が戻ってきた。
これも頼もしい山友が一緒だからこそ。お花はちょっと期待外れだったが、200名山をまた一つ登れて、楽しい夏休みとなった。


コースタイム詳細:
登り4:23(うち休憩38分、休憩抜きで3:45。昭文社2011版で3:55)、下り3:37(うち休憩39分、休憩抜きで2:58、昭文社で2:45)、合計8:00(休憩抜きで6:43、昭文社で6:40)

いつもコースタイムを計算する際、昭文社とヤマケイのサイトのコースタイムが違うので、ちょっと細かく計算してみた。
この暑さの中、かなりゆっくり目に歩いたつもりだが、何と登りは昭文社のタイムをクリア!下りは予想外の結果となったが、まあこれは滑るため慎重に降りたから、ということで。(笑)
むしろ、こんな条件でも、私たちって意外と速かった?!(*^^)v
大いに今後の参考になった。ちなみに、万歩計では約29000歩!


詳細の画像はブログでどうぞ。


戻る 山一覧へ