黒斑山   2006年9月24日

コース:
車坂峠10:01〜11:23トーミの頭11:38〜11:53黒斑山12:18〜12:47蛇骨岳12:50〜13:00仙人岳13:05〜13:30Jバンド下降点〜13:35鋸岳〜Jバンド下降点13:45〜14:25前掛山分岐〜14:39湯ノ平口〜14:43火山館(浅間神社)14:55〜15:29二の鳥居〜不動滝〜15:45一の鳥居15:48〜16:10天狗温泉(浅間山荘)


3週間ぶりの山は浅間山の外輪山、黒斑山(くろふやま)。YリーダーとTリーダーの名コンビによる里山シリーズの一環。
浅間山は活火山、噴煙を上げているものの、火山活動度(気象庁発表)では前日に活動レベルは「静穏」(5段階のうち1)に下がったばかり。ちょっと安心する。

都内を朝7時に出発、旧知の皆さんも多く、お隣になったNさんとおしゃべりも弾む。
高速道路網の整備によって小諸ICまでスイスイ進み、車坂峠をめざしてカーブする舗装道路をぐいぐい上がっていく。
辿り着いた車坂峠は標高が1973m、高原の風はひんやりする。

予想以上の好天に恵まれ、早速登りだす。案外速いペースでちょっと不安になるが、急登でもないので、そのうちに慣れてくる。
花は大体がもう終わりのようで、ヤマハハコが一生懸命咲いているのが目立つばかり。僅かな数のミニミニサイズのイワインチンが黄色い花をつけている。

少し頑張れば樹林帯を一旦抜け、振り返れば素晴らしい展望が現れ、気分爽快。抜けるような青空に恵まれ、絶好の写真日和だ。

見晴らしの良い斜面を抜けるとまた樹林に入るが、噴火時の避難用にかまぼこ屋根のシェルターがあり、それを過ぎれば外輪山見えてきて、一息で待望の浅間山が姿を現す。


登ってきた車坂峠が見える

『断崖』を行くルート
開けた鞍部には登山者が溢れ、目の前の噴煙を上げる浅間山(実は前掛山)に歓声を上げる。

が、左手には何と断崖を行く恐ろしげなルートが。あそこを無事に歩けるのだろうかと不安になる。

が、近づいてみれば、滑りやすいことを除けば問題なし。


トーミの頭から鋸岳方面を臨む

ルートの様子

黒斑山を目指す登山者の長い列がこの急坂を登って行く。
団体もいてルートは渋滞しているが、停まったときは撮影タイム、噴煙を上げる浅間山を写したり、断崖の下を覗き込んだり。
それから覚束ない足取りの人たちをちょっとお先に行かせてもらい、岩が積み重なる展望のピークに到達。ここがトーミの頭。更に黒斑山頂上をめざす。

今度は樹林の中を歩けば、すぐに黒斑山。
浅間山が目の前に美しい姿を表し、前掛山がまさに縦縞のエプロンとなっている。


黒斑山から見た浅間山
山頂を少しはずして銘々に場所を取って楽しいお昼。おしゃべりも弾むひと時。
さて、今日は更に進んで鋸岳まで縦走し、Jバンドから湯ノ平、火山館を経て浅間山荘(天狗温泉)へと、まだまだ先は相当長い。少し軽くなったザックを背に、更に進む。

私の持っている古い地図では破線だが、今は前掛山頂まで解禁され、外輪山の先端である鋸岳まで歩く人も多い様子。なだらかな気持ちよい道が続いている。
オヤマリンドウがあるが、もう枯れ始めなのか冴えない色だ。

右手には噴煙を上げる浅間山、左手は大展望、全般的にはやや下りとなっていて、楽しいコースだ。
30分で蛇骨岳。ここでも変わらず北アルプスから御嶽まで大展望。今日は本当に恵まれた1日だ。


黒斑山から先のルート

仙人岳をめざす
気持ちよい稜線歩きを続けるうちに仙人岳。
足元はだんだん砂礫混じりになってかなり滑り易い。ここからはみんなかなり慎重になる。
それでも転倒者複数・・・。

どこが鋸岳かなと思いながら歩いていると、岩場をちょっと下ってJバンド下降点に出る。どうやらこの先が鋸岳のようだ。

ここにザックをデポして、少し岩場を登る。標識があったのかどうか分からないが、少し先で浅間山に向かったルートは途切れている。

振り返ると今までになく荒々しい「ここはどこだっけ?」という光景が広がる。


鋸岳から振り返る

Jバンドを行く
デポしたザックを背負いなおし、一体どうやって降りるの??という岩稜の絶壁を降りることになる。Jバンドと呼ばれる地帯である。

急坂の足元はザレているし、右手は断崖絶壁、見上げれば今にも崩落しそうな岩・・・。
『なんちゃってグランドキャニオン』の気分。

が、慎重に足を進めれば大丈夫。しばらく辛抱すればすぐにジグザクの傾斜も緩み、ストックを出せるようになる。

降り立ったところは湯ノ平。あの岸壁を降りてきたのか、と思わずルートを凝視してしまう。


Jバンドを振り返る
今度は目の前の浅間山が大きい。前掛山まで登るのか、斜面を大きく横切ってルートがついており、人が何人か歩いているようだ。
できれば浅間山まで登りたいねという声も聞こえる。しかし、あの登りは結構きつそうだ。

平原を歩いていると所々に大きな岩が鎮座している。改めて噴火の威力を実感。これが飛んで来たら・・・。クワバラクワバラ。

トーミの頭への分岐(湯ノ平口)に出ると立派な標識がある。
曰く、「浅間山は活火山です。前触れなく噴火することがあるので、火口付近は立ち入り禁止です。このため登山は前掛山までです。登山可能区域であっても危険ですので、自己責任で登って下さい。下山は必ず小諸口へ。」(英語も併記)

生きている山だからこそ、登りたいのかもしれないが、有毒ガスで死ぬ人もある。
でも、前掛山までいったら浅間山にも足を伸ばしたくなることは必定。実際、行く人もあるらしい。
が、事故が起これば結局人に迷惑をかけることになるのだから、規制にはやはり素直に従うべきだろう。


Jバンドから見えた『亀』岩。
あ、こんなところにガメラが!?
樹林に入り、名残のマツムシソウやタムラソウ、アキノキリンソウなどを見ながら歩くと火山館に出る。浅間神社があるが、前を通り過ぎて、トイレと休憩。丸太のベンチに腰掛けて地図を確認。
鳥居をくぐって沢沿いのルートを降りる。
すぐに硫化水素の強い臭いがしてくると、土手から沢に熱水が噴出している。付近はオレンジ色に染まり、レモンイエローの硫黄が小山になっている。さっさと通過しよう、とTリーダー。

あとはひたすら下るのみ。大分歩いたなと思うがまだ二の鳥居だ。
ここで二又に分かれるが、不動滝のコースを取る。少し暗い樹林の中を降りていく。
相変わらず下りは速い。今度こそ一の鳥居。ここでさっきのコースが合流する。他のグループが降りてくるので、追いつかれる前にまた歩き出す。
あとはほんの少しで浅間山荘(天狗温泉)、下山口に到着。お疲れ様!(注:連合赤軍事件の浅間山荘とは別。)

途中目にしたのは、ハクサンフウロ、トリカブト、ワレモコウ、リンドウ、アザミ。花には少し遅かったが、変化に富んだ充実のコースに大満足の1日だった。


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