金鰲山(慶州南山)   2012年3月10日

登山口9:40〜9:55石造如来坐像〜10:04「線刻六尊」10:12〜10:22「石仏坐像」〜10:40上禅庵10:50〜11:00展望台〜11:28「クモサン(金鰲山)468m」山頂11:30〜11:38展望台〜11:58お寺〜寄り道〜12:16お寺〜12:45登山口


私にとっては二度目の慶州、奈良の飛鳥のような雰囲気で、是非またゆっくり歩いてみたいと思っていた。
調べるうちに、手頃なハイキングコースがあると知り、山仲間との旅だったので早速出かけることにした。

宿は釜山、慶州までは高速バス、鉄道、KTX(新幹線)からの選択となる。時間も短く値段も格安なので、往路はKTXにする。釜山駅から30分もかからず新慶州駅に到着。
南山(ナムサン)は500m未満の標高ながら、新羅時代の石仏や遺跡が多数残る低山で、とても人気があるという。
これまた時間短縮のためにタクシーで登山口の三陵谷に向かう。(2000円弱)
登山口は多数あるが、最も石仏が多く見られ、人気のあるコースとか。着いてみると、大型バスが何台も停まり、まるで修学旅行のように高校生位の生徒たちが群れているのには驚かされる。
道路沿いに案内所があり、ここで登山地図や絵葉書を頂き、アドバイスに沿ってここからの往復に決める。

あたりを見回せば、善徳女王の大きな看板があり(コース上にある大きな磨崖仏がドラマに登場。)、また駐車場のこの広さからも人気のほどが窺える。
身支度を整えて歩き出すとすぐにブースが見え、何と女性のレンジャーが日本語で話しかけてくる。このコースの状態(迂回の必要がある)を伺い、更に折りたたみのマップまで貰って気分良く歩き始める。

松林の中、すぐに三陵が現れる。綺麗な円墳が三つ並び、その脇を登っていく。 他の韓国の山と同様、標識もしっかりしていて、距離も入っている。

今回は、468mのピーク「クモサン(金鰲山)」までのピストンとするが、時間もあるので途中の石仏を楽しみながらゆっくり歩くことにする。
団体がどんどん追い抜いていくが、彼ら以外にも大人のハイカーが多数。土曜日とはいえ、ここまで賑やかとは。
頂いたマップにも石仏のマークがあるが、随所に標識や説明板もあり、見落とすことはない。早速、首のない石仏が迎えてくれた。(石造如来坐像)



足元は石が多いが、他の山のように石段や階段で固められた道はわずかで、岩っぽい土の道を歩けるのは嬉しい。
僅かで線刻六尊への分岐となり、そちらへ進むと立派な仏様が脇侍を従え、それが2組刻まれている。立派なものだ。メインルートに戻るが、どうやら脇道が多数あるらしく、 六尊の上の方に登って行った人たちが戻ってこない。

私たちは勝手が分からず、とりあえず戻って進むと、今度はまた石仏坐像への分岐がある。左に折れて進むと、見事な石仏がおわす。これらが8〜9世紀に造られたことに衝撃さえ受ける。思わず手を合わせ、 今度は戻らずに脇道を抜けてメインルートに合流する。

少し段差はあるが、楽しい遠足だ。今度は初めて階段が現れ、いきなりお寺と休憩所のような建物が目に入る。「上禅庵(サンソンアン)」らしい。沢山のハイカーが群れているが狭い場所だ。

庵というよりお寺と言う感じだ。地元のハイカーがコーヒー片手に軒下で休んでいたので、私たちもちょっと休憩していたら・・・中から女性が顔を出し、凄い勢いで叱られてしまった。
内容は不明ながら、こんなところでコーヒーなんか飲むな〜!と言う感じだった。スミマセン。

慌てて腰を上げ、残りのコーヒーを飲みほして、少し急な階段を登っていく。お目当ての磨崖仏の写真が入った小さな案内板が目に入る。これこれ、これを見なくっちゃ!
大きく左に回り込んで登っていくと、すぐに稜線に出て、途中、ロープで封鎖してある階段の前を通過して、見晴らしの良い場所に出る。案内板もあり、小休止する人が多い。

のどかな田園風景を見ていると心が和む。

でも、もう稜線ということは・・・あの石仏は?
あれだけ大きな仏様に気づかないはずはない、と訝りながら、岩っぽいルートを歩いて行くと、あ、あそこ!
何とお目当ての磨崖仏は遥か眼下におわすではないか。途中こ分岐あったっけ??

あ、いや、先ほどのロープで止めている階段の道を降りるのか?(あれを跨いで降りる勇気はないし。)

とにかく、場所の見当もつき、またあれだけ人が歩いているのだから、必ず辿りつけるはず。ということで、帰りに道を探すこ とにして、せっかくなので山頂を目指す。
高校生の団体はいつの間にか姿を消し、一般のハイカーに交じって気持ち良く歩いていると、山頂に出る。クモサン山頂だ。

ここからさらに進むこともでき、最長で7時間コースにもなると聞き、次はそこまで足を伸ばしたいと思いつつ、まずは記念撮影。
ここにはコースマップもあった。でも引き返すだけなので余り役に立たないが。

問題はあの石仏。どうやらさっきの上禅庵辺りに分岐がありそうだ。帰りは岩場を避けて巻き道を進み、侵入禁止の階段前を通過し、よく注意しながら下っていくと、あっという間に庵に着く。
どこかに分岐がないかと探すが、それらしきものはない。
おかしいなあ。マップは概念図程度なので役に立たないし。・・・仕方く、掲示されている磨崖仏の写真を指さし、近くにいた男性に尋ねる。(ここはハングル勉強中のMさんにお任せ!)

すると、何と日本語が返ってくる。流暢ではないが、ご親切にも、分岐まで案内して下さるという。
わ〜よかった!とついて行くと、すぐに階段への分岐があるが、そこにはロープが張ってあり、通行止めのようだ。(標識によると、2012年2月25日から12月31日まで。)

ガ〜ン。・・・でも待てよ、上から見たら何人も石仏の前にいたのに・・・。もしかしてみんなロープを跨いで・・・?!

で、ここから先は・・・。スミマセン。私たち、・・・。

ともあれ、男性によくお礼を言い、その後はメインルートをガンガン降りて、あっという間に登山口へ。
往復で3時間と言われていたが、休憩時間も含めて3時間で降りてきた。さっきの案内所に顔を出してお礼を述べ、道路に面したカルグクス屋さんに入る。
まさにドライブインだが、手頃な値段でおいしい麺類を食べることが出来た。韓国の料理は本当に何でもおいしい。

あとは路線バスでバスターミナルに戻る。(ここを通るバスは全てターミナルに向かう。本数も多いので便利。1500W[110円位])
帰路はバスに揺られて釜山まで。1時間かからず到着。4500W[340円位]。交通費が安いので本当に助かる。バスは釜山市内の地下鉄の北の終点、ノンポドンに着くので、あとは地下鉄で市内に向かう。
とても楽しい山行だった。また是非、石仏が待つあの山に登りたい。きっとまた近いうちに機会があるだろう。


◆参考サイト◆
慶州旅行情報HP
プサンナビ「慶州三陵」HP
など。

*行き方*
慶州(キョンジュ)の市内バスターミナルより多数のバスの便あり。
500、501、503〜508番バスに乗り三陵[サンヌン]下車。1500W
(バスターミナルの隣に観光案内所があるので、そこで簡単なマップを貰い、日本語が通じるので、「三陵で降ろして下さい」とハングル書いて貰えばバスも利用できるでしょう。)

*KTX利用の場合*
ソウルからも日帰り可能です。ソウル・プサンの路線で新慶州(シンキョンジュ)駅になります。窓口で英語が通じます。
駅から直接三陵に向かうバスは無いので、時間がある方は、まず市外バスターミナル行きのバスに乗り(殆どのバスが通ります)、そこから乗り換えるとよいでしょう。
お急ぎの方は、沢山タクシーが待っているので、ガイドブックや慶州の案内パンフなどに載っているハングル表記の「南山」の「三陵」を見せれば連れて行ってくれます。大体2000円位と思って下さい。

(新
慶州駅の観光案内所[1Fにあります]は、週末の9時でも閉まっていて、がっかりでした。)

*その他注意点*
難しい個所も特に危険な個所もありませんが、岩っぽい場所でのスリップは危険なので、運動靴ではなく、靴底に凹凸のあるしっかりした靴の方が安全でしょう。
登山靴は不要ですが。[三陵コースの往復なら。]


大きな画像等はブログでどうぞ。


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