国師ケ岳・北奥千丈岳   2004年10月4日

コース:大弛峠から往復


残暑厳しい中、週末に限って冷たい雨となる。
新宿から2台の車で一路大弛峠を目指すが、何だか今日は先導のIさんの車は行ったり来たり。
それでも何とか大弛峠を目指して林道を登っていくと、ますます雨が強くなる。ガスもかかって視界が悪い。

個人山行なだけに、Mさんも「これは今日は金峰山は無理ね。雨もだんだん酷くなるし。」「今日は温泉めぐりかな?」などの発言が続く。
確かに、この冷たい雨の中を合羽を着て稜線を歩くのは気が重い。
でも、全く歩かずに観光+温泉というのも流石に勿体無いし、と参加者一同も思案に暮れる中、周囲はいつしか霧も晴れて、紅葉や黄葉の始まった山道の色合いに気持ちが慰められていく。
山はもう秋が深まっているのだなあ、と改めて季節の移ろいを実感する。

こんな山の中には不釣合いの立派過ぎる舗装道路で2300mまで上がると、大弛峠。着いてみると、それでも数台の車が止まっている。とにかく、目の前の大弛小屋まで行ってみよう、ということに。
金峰までは2時間半あり、それは諦めようということで意見が一致したものの、折角ここまで来たのだから、という気持ちはみな同じ。
駐車場から20秒?!の小屋の前に案内板が立っている。
『北奥千丈岳40分・奥秩父の最高峰  2601m』の文字に「じゃあ、空身で北奥千丈まで行ってみよう!」・・・一旦車に戻り、合羽を着なおして、小屋の裏手を登り始める。

あいにくの雨とはいえ、樹林帯で風も無いので、木の香りが立ち込めている。
懐かしい香りをかぐと、ああ久しぶりなんだなあ、と強く感じる。
雨だからこそ、木々の緑や黄葉や苔が美しい。

まずは木道の連続。真新しく立派だが、濡れていると気を遣う。それに、段差があって結構息が上がる。
「夢の庭園」と名づけられた日本庭園のような眺めは、多分晴れたら絶景であろうバックが霧に立ち込められていても、やはり美しい。
それでも、岩の間を抜けながら、青い空の向こうの展望をチラッと想像する。

意外と急登なのかもしれないが、息が切れる。
木道は飽きたなあと思う頃、ようやく山道に。多分、一般の人がここまでは入るから、こんなに整備されているのだろう。確かに、運動靴なら「夢の庭園」は楽しめるだろう。

雨の中、傘をさしながら黙々と歩いていると、いつしか分岐に出る。
右は北奥千丈へ、左は国師へ。どちらもほぼ等距離だ。まずは、奥秩父最高峰の北奥千丈へ。
雨の中写真だけ撮っておく。


<北奥千丈岳にて>

長居は無用、また分岐に戻るが、先に戻るというIさん、Aさんと別れて国師へ向かう。こちらは山梨百名山だ。

ここでも記念に1枚撮って、あとは降りるだけ。でも、私にとっては実はこの2峰のほうが嬉しい。金峰は前に回り目平から登っているが、国師や北奥千丈は未踏だ。大弛からの金峰は今後もあるだろうが、甲武信岳方面にでも縦走しない限り、この2峰はなかなか機会がないかもしれない。
その意味では、楽して登れて満足だった。

みんなもそこそこ満足した様子で、あとは三富の湯に向かった。ここでも何故かIさんは先導しながらも道を間違えたと思い込んで、一旦戻ってしまい、同じ道をまた戻ることになった。
雨で景色が違って見えたのかもしれない。
この温泉、なかなか渋くていい感じだった。露天風呂に、何と帽子を被っておばあちゃんたちがずらっと長湯している光景はちょっと珍しい。ゆっくり浸かっているところをみるとよほどいいお湯なのかもしれない。

休憩室は持ち込み可で、かなり遅い昼食を楽しんだが、大きな字で『禁酒』と壁に掛けてあるのが微笑ましい。
Mさん持参の恒例の厚焼き玉子をご馳走になりながら、菓子パンをかじってお昼とする。
Iさんは何故か全員分の「金峰山」のバッジを配る。後で聞くと、どうやら百名山のバッジをコレクションしているとか。有難く頂いておく。

帰りの車中は眠くて眠くて、あくびも連発。ちょっと疲れが溜まっているようだ。
Oさんの車はお気に入り?の綾小路の毒舌テープを掛けて中央道をすっ飛ばす。渋滞らしい渋滞も無く、また飛ばし屋のOさんとあって、夕飯前には家に着いた。

久しぶりには丁度いい山行になったが、逆に今度の守門岳が急に不安になってきた・・・。


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