北高尾山稜から景信山   2007年5月5日

コース:
小下沢林道〜9:35キャンプ場跡9:50〜10:15狐塚峠10:20〜10:55杉の丸11:03〜11:13クロドッケ〜11:20〔昼食休憩〕11:55〜12:15大嵐山〜12:45三本松山〜12:58関場峠〜13:38堂所山13:50〜14:50景信山15:10〜15:50小仏登山口〜16:00小仏バス停


★画像の上にマウスを置くと名前が出ます。

GW第2弾の山行は、ヤマルリソウやタカオスミレがやっぱり気になる小下沢へ。元キャンプ場までどうしても行ってみたくなった。そこで、キツイことで有名な北高尾山稜の後半部分を盛り込み、ほぼ周回コースを考える。メンバーは気心のの知れた6人、高尾駅で待ち合わせ。
Sさんの情報で、日陰沢の民家で満開というクマガイソウを見てから小下沢へ向かうことにする。
クマガイソウ日陰沢入口にあるこの家は、山野草で有名らしい。また、先月垣根越しにカタクリやその他の花を見た家と判明。

バスを降りるとなるほど溢れんばかりの山野草が咲いている。まず第一にクマガイソウ、それからエビネ、サクラソウ、ムサシアブミ、キンラン、イカリソウ、etc. 凄いお花の数だ。
この花は一体どこから・・と少々複雑な気持ちになりつつも、家の人に声をかけ、庭に入れてもらう。

それにしても見事なクマガイソウ。この花が山の中で咲き乱れる桃源郷にめぐり合うことは恐らくないだろう。花は見たいが保護も大切。
折りしも高尾山にトンネルを開けるという圏央道の建設も進み、至近距離まで巨大なループ橋が完成している。高尾山に不釣合いな巨大な建造物を見せ付けられると、自然と人間の生活との関わりをもう一度考えさせられる。

いずれにせよ、花は山に自生しているのを見て楽しみ、とるのは写真だけにしたいものだ。

さて、2度目の小下沢へ。1ヶ月前とは随分様子が変っている。梅林も葉が茂り、咲き乱れたスミレたちも今は葉を伸ばして様相を変えつつある。今日は一体どんな花が咲いているだろうか。

まず目立つのはツルカノコソウ。白い小さな花をつけている。
それから紫のラショウモンカズラ。林道を進むと数がぐっと増す。紫が濃く、目立つ花だ。
1本だけだったが、釣り糸を垂れる大きなウラシマソウ。
ツルカノコソウ ラショウモンカズラ ウラシマソウ
タカオスミレはもう終わっていて今日も会えなかったが、こげ茶の特徴ある葉があちこちに見られた。ヤマルリソウは僅かに1輪2輪と花をつけているので発見できたが、見事な大株がいくつかあり、可愛らしい実を結んでいる。来年こそ・・・。

さて、歩いて行くと超望遠レンズ搭載のカメラ軍団が何かを狙っている。鳥?それとも花?
何だろうと近づけば、オオルリだという。望遠レンズの筒先を必死に探すと、彼方の枝先に小さな鳥の影。逆光の上、遠いので色は分からない。
しかし、随分長いことじっとしているお陰で、液晶の大型ファインダーで見せてもらう。それに確か何かさえずっている。オオルリの鳴き声をもう一度CDで確認しておこう・・・。
花のみならず鳥も沢山暮らしている豊かな山なのだと改めて感じる。高尾山は侮れない。

沢沿いにまだニリンソウが咲いている。ノンビリと歩いていくうちにようやく広々としたキャンプ場跡に到着。休憩。ここから道は3つに分かれ、右は北高尾山稜へ、まっすぐは関場峠へ(但し現在通行止。)、左は景信山へのコース。次は左のコースも歩いてみたいもの。

さて、もう一度靴紐を締めなおして植林の中をジグザクに登っていく。暗く涼しいせいか、ここにはマルバスミレがまだいくつか咲き残っているのは嬉しい。
途中でしっかり踏まれた水平道とぶつかるが、これに惑わされず、そのまま右斜に上がって、稜線上の『狐塚峠』へ。ここまで25分。水を飲んでさあ、と歩き出すが目の前に早速小ピーク。ははあ、これだな、アップダウンの連続というのは。

急登を登るとチゴユリが咲いている。見慣れた花だが、嬉しいものだ。
チゴユリオカスミレ

登ったと思えばすぐに急降下、その前に又坂道が見えるせわしなさ。
が、道の脇に綺麗なスミレが咲いている。何スミレ?と近寄るが分からない。Sさんがアカネスミレだと言うが、じっくりみても微毛が全く無い。
花は濃い茜色だが、花見山で確認した微毛びっしりの特徴的なアカネスミレとは違う。

レンズを向けるがピンボケばかり。とにかく目に特徴を焼き付けて、家に帰ってから確認することにする。
(調べると、アカネスミレのうち、花の側弁以外に毛がない「オカスミレ」のようだ。)良い形の株に途中何度か出会う。目を引くスミレだ。

他に花は、と探すが目に付くのはカンアオイの類。地味だが立派な株が多い。念のため根元を探すが花はもう終わったようだ。

カンアオイ?カンアオイ?
カンアオイの種類は花がないとよく分からない。でも葉の模様が様々で面白い。途中咲いているものを見つけたが、何アオイか不明。もう少し勉強しなくては。

やや大きめのピークに出て『杉の丸』612m。標識完備で分かりやすいga, 地図で見るとまだ余り進んでいないのでちょっとがっかり。
外国人のハイカーが休んでいる。GWだからか、結構歩いている人はいるようだ。通好みのコースのようだが、ちょっと意外。

このような大き目のピークには名前(通称)があるようだが、標識に誰かがマジックで書き込んだ名前を頼りに地図と見比べる。
設置された標識には行き先だけを示している。通称でも構わないからピークの名前を入れてくれると助かるのだが。(もっとも、整備されすぎを嫌う向きもあるかもしれない。ここは『裏高尾』のようだから。)

気を取り直して進む。相変わらずのアップダウンで次はクロドッケ。だんだん植林から自然林に変ってきて、明るい開けたピークに出る。
ヤマツツジも咲いて、前後の稜線が見える絶好のピークだ。時計を見るとまだ少し早いものの、皆さん朝食は早いし、休憩には絶好の場所と見て、全員一致でここでお昼にする。

静かで明るい山の頂。思い思いにお弁当を広げ、また様々なお手製のおかずのお相伴にあずかる。まだ先は長いので、いつもよりは短めの昼食時間で切り上げ、坂を下って歩き出す。

オトコヨウゾメ木に咲く小さな白い花。オトコヨウゾメという名だそうだ。木々の緑に映えて綺麗だ。
地図上のどこまで来たのかなと思いつつも、アップダウンが少し緩やかになってきたことから見当をつける。右が明るい自然林、左が暗い植林。手入れがなされず荒れている。

時折オカスミレが私を呼んでいるが、他にニオイタチツボらしきスミレも。日当たりの良い場所を選んで咲いているようだ。
次の標識は『三本松山」。どこに松が三本あるのかと見回すが、纏まって三本あるわけではないようだ。

地図上の611mを指すのだろうか。(私の古い昭文社のマップでは三本松山の次に611m地点がある。)
「三本松山 611m」という手書きの札が木の幹につけてあるだけなので、真偽の程は不明。
(そういえば、1つ手前にきちんとした標識があった。それが三本松山で、ここが611mピーク?)

このあたりはなかなか爽快な稜線歩きが楽しめる。すぐに関場峠。随分歩いてきた気がする。右手に開ける景色は「ここはどこ?」というほど山深い感覚を抱かせる。「ホントに高尾山かしら?」・・・一同同感。

馬蹄形に周回するコースも中間点の堂所山へ。ベンチがあり、南面の展望が開けている。ここで大休止。頂いた果物が本当においしい。今日はよく汗をかいた。
ここにも外国人のハイカー。もっともここは陣馬山〜景信山への主稜線、今までとは桁違いのハイカーが歩く道だ。
水分を補給し、ザックを背負いなおして、ここからは全員が歩いたことのあるコース。何より、巻き道だらけなのが嬉しい。
道は踏み固められ、植林の中を行く道だが、距離の割に楽なので、また別の花でも、と探しながら歩く。探せばあるもので、イカリソウやエイザンスミレ、それにワダソウ。意外とあるものだ。

1時間で景信山。流石の私でも一体何度目かという御馴染みのピークだ。多数のベンチが広がり、トイレもあるのは有難い。最後の大休止。時間を見ればもう3時。あとは小仏目指して下山のみ。

階段を下りていくと、こんなところにもヒメハギやジュウニヒトエがポツンと咲いている。ハイカーの数がぐっと増えて、今日の高尾山頂の混雑振りは想像に難くない。
分岐から小仏へ。この道は久しぶりだ。小下沢への分岐を見送ってすすむと、道は深くえぐれていて痛々しい。石車に注意しながらも、下から中央道の騒音が響いてくれば、もうすぐ舗装道路。15:50、下山完了。あとはコンクリートの道を降りて行く。
藤や桐の花が綺麗だ。小仏のバスは毎時10分、40分発。見れば3台待っている。全員座って高尾へ。今日もよく歩いたものだ。

高尾で冷たい生ビール(+コーヒーフロート2名)で打ち上げ。利尻へ行くというMさんを励ましたり脅かしたりで、楽しく盛り上がる。
久しぶりによく歩いた1日だった。高尾山に感謝!



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