菊花山〜御前山   2012年11月18日

大月駅8:40〜8:55無辺寺〜9:30分岐〜9:45菊花山9:55〜10:55分岐11:10〜<八五郎クドレ探検>クドレ手前11:45〜11:50駒橋分岐〜11:55御前山12:30〜12:45猿橋分岐〜12:50神楽山12:55〜12:57猿橋分岐〜13:35車道出合〜13:45猿橋駅


前から気になっていた山が、ヤマケイ11月号に紹介されていたので、出かけることにする。載っていたのは、猿橋駅〜御前山〜菊花山〜大月駅のコース。 特に菊花山に関心があったのだが、大月〜菊花山が物凄い急登と聞いていたので、ヤマケイとは逆に、それを登りに取ることにする。

久しぶりに地形図も印刷し、昭文社の地図もヤマケイのコピーも持って万全のつもりで大月駅からバイパス沿いに歩き始めると、早速「→菊花山470m」の標識。実はこれが曲者だった。ヤマケイで「神明神社」のところを入るように書かれていたのだが、それらしき神社を探しているうちに、お寺が見えてきた。あれ、と初めて気づく。「470m」の文字に引きずられ、無辺寺まで来ていたのだ。
途中にそれらしき登山口がなさそうに見えたのだが(iさん、Mさんは鳥居が見えたという)、ここからのルートもあるので、このお寺(無辺寺)から登ることにする。

階段を上ると、石段脇の木に「岩殿クラブ」の「菊花山・厄王山・九鬼山←→無辺寺」の小さな標識が。

それに従って、今にも崩れそうな急な石段を登り、そのまま直進してお堂に進むのが正解。 お堂には「菊花山」の額が。なるほど。登山道はそこから忠魂碑の先に続いている。
すぐに気持ちの良い道となって富士山がよく見えるのは嬉しい。黄葉も美しく、とりあえず急登はない。結果的に、ぐるっと回りこむルートを歩いているので、昨夜の大雨を考えると大正解のようだ。気持ちよく歩いて行くと、直登コースと合流し、そこからはなるほど、という岩混じりの急登が始まった。風邪の後のなまった体には堪える。岩にすがりつきながら何とか登りきると菊花山山頂。眺めがいい。岩の上に立つと富士山も遮るものが無く青空に映えて美しい。

休んでいると、女性の団体が到着。追い出されるように出発すると、直下は大岩を抱え込むように急降下、ここは慎重に。
また、その後も転げ落ちそうな急坂を木を掴んで何とか降り、ほっとする。ここからは一旦かなり下ってから登り返す。地図ではまっすぐ沢井沢ノ頭までルートが延びているのだが、そこは里山。あちこちによく踏まれた「分岐」 があって、つい誘われる。その都度、3人で相談しながらやっぱりまっすぐ進んでいくが、時折笹藪あり倒木ありで、いつの間にか踏み跡が怪しくなったり・・・。そんな時は周囲を見渡すと、すぐ脇によく踏まれた道があったりして侮れない。

暫く行くと今度は迷わずに稜線への道が延びていくが、稜線に出る直前に、御前山方向への分岐があり、 私達はそのままちょっと上がったところで一服。すぐに賑やかな声が聞こえてきて、先ほどの女性陣が到着。更に進んで馬立山方向に消えて行った。御前山に向かうとのことだったが、馬立山まで行くのだろうか。

少し休んでから御前山に向かう。ヤマケイには、南側が切れ落ちた岩山の写真が載っていたのだが、すぐに大岩が道を塞ぐように出現する。 あ、ここだ、と思うが道が左右に分かれている。まず道なりに右側に進むがすぐに道が下っていくので、山頂を巻くのかと思い引き返す。

すると、大岩の左にもしっかりした踏み跡があるので辿っていくと、登山道らしくない踏み跡に変わっていく。立ち止まって見渡すと、何となく岩に登っていく踏み跡があるが、その先は道が無くなっている。う〜ん、まあこの岩はここから登れそうだし、 と、よじ登り始める。このままどんどん上まで登れそうだが、どう見てもこれは正規のルートではない。

では少し手前の踏み跡が、この岩に登るルートかと思案していると、やはりМさん、iさんがこの岩をへつるように進み、ちょっと上の方を覗いてくれたが、「上には何もないよ〜。」
昔この稜線を歩いたというiさんも、「これは違う。こんな大変な所は通らなかった気がする。」というので、慎重に元の踏み跡まで降り、それから岩の手前の分岐まで戻った。

ここで改めて昭文社の地図を取り出しすと、小さな字で「八五郎クドレ 南側を巻く」とある。あ、これだ!

岩場を右側(南側)へ巻く

こう言うところは流石、登山地図だと思う。ほっとして元の右側(南面)の道を下ると、すぐにまた稜線に戻った。逆コースで来れば、迷わず左のコースを取るだろうが、馬立山方向から来ると迷うかもしれない。こう言う個所に標識を付けてくれたらいいのに、と思うが、それが無いのが里山の面白さでもある。(ただし、分岐には概ね立派な標識が設置されている)

所々痩せ尾根だが、すぐに御前山への分岐に到着、既に話し声が聞こえてくる。なるほど、南側が切れ落ちた岩峰になっているが、少人数なら山頂で休憩できる。
私達もここでお昼にする。風があるが、意外と暖かい。食べているとどんどん登山者が登ってくる。

御前山

マナーの悪い若者グループを睨みつつ、休憩を終えて神楽山へ向かう。リンドウが咲いていて嬉しい。リュウノウギク(竜脳菊)はもう終わりかけ。駅への分岐を見送って、少し神楽山に足を延ばす。 アンテナの立つ小さな山頂に展望はない。三角点にタッチして、すぐに戻り、分岐から猿橋駅を目指す。

分岐

さて、こちらも急坂と聞いているがどうだろう。
意外となだらかな稜線を進みつつ、所々落ち葉に埋もれた急坂を下る箇所はあるが、それぞれの距離は短い。今回は逆回りにして正解だった。逆光に透かし出される赤や黄色の葉にうっとりしながら歩くと、車道に出る。
後は、車道を進みトンネルを抜けて歩くと小さな猿橋駅が左に見えた。

今回は、時期的に落ち葉も積り、前夜の豪雨もあって、急坂ではかなり注意を払ったし、標識は誰でも判るような分岐にしか無いので、分岐では地図読みをしっかりしながら歩く必要がある。
また、痩せ尾根が多く、岩場もあるので天候など条件の悪い時はくれぐれも慎重に。凍結する季節は避けるべき。
しかし、展望もよく、また小粒ながら、久しぶりに五感を刺激される、中身の濃い楽しい山行だった。特に、「八五郎クドレ」の寄り道はちょっとスリリングで面白かった。こういう場所を「一応」登って確かめて見る私達も「山屋」だなあ、と妙に感心してしまった。
これができるのも、信頼できる仲間と一緒だからこそ。Mさん、iさん、お世話になりました。

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