風越山(1535m)    2003年10月17夜〜18日

コース:
押洞(おしぼら)登山口(「かざこし子どもの森公園」)6:07〜6:33石灯籠〜7:10秋葉大権現7:13〜7:33虚空蔵山7:43〜 8:28矢立木〜9:14白山社奥宮9:25〜9:47風越山10:20〜11:43延命水〜11:57秋葉大権現〜12:37石灯籠〜13:00風越山こどもの森公園



  飯田にある風越山(かざこしやま)へ。この時期にマルバノキが紅葉し、その珍しい花(ベニマンサクと呼ばれる)が咲くというので有名な山だそうだ。 遠いので新宿夜10:30発、いつものマイクロに17名。

2時には現地に着く。時間調整の場所を探しつつ、押洞登山口の『かざこし子どもの森公園』へ。綺麗なトイレと広い駐車場が嬉しい。


かざこし子どもの森公園

山渓のガイドブックには桜ヶ丘団地からの登山口が載っているが、押洞地区にある登山口の方が少し標高が稼げる。
登山口はこの公園から舗装道路のY字路を左手に登ってすぐ。ゴルフの練習場(鉄塔やネット)があるので目印になる。


登山口

6:06、歩き始める。舗装道路で、傾斜もあるので朝一番の歩き出しとしてはやや苦しい。植林の暗い林を歩いていくと、ようやく大きな石燈篭に出会う(6:32)。


石燈篭

ここで桜ヶ丘団地からの登山道と合流。また、風越山の案内図が立っている。
  ようやく山道というか土の道になってほっとする。花はアキノキリンソウ、菊が2,3種類。
信仰の山に相応しく、丁目石を兼ねて石仏が道端にたたずんでいる。どれも優しい表情で登山者を迎えてくれる。


石仏(観音さま)・・・ここは何丁目?

マラソンも行なわれるという広くて整備された道だが、ほぼ一定の微妙な斜度でずっと登らされていくのも、意外と苦しい。
目ぼしい花は?と歩いていると珍しい木に出会った。ツクバネというそうで、まさに枝先に羽根つきの羽根そっくりの実がぶら下がっている。
(私ははじめて見たが、このあともまだいくつか見かけた。)


ツクバネ(緑の照る照る坊主?)

少し歩くとすぐに様々な案内板が現れてなかなか楽しい。
そのうちに大きな分岐として秋葉大権現さまが現れる。(7:10)右は虚空蔵山に登るコース、左は巻き道である。我々は展望を求めて、虚空蔵山へ。


秋葉さまのある分岐

今日は天気がすっきりしないが、果たして南アルプスの大展望やいかに。
流石に山頂を目指しての急登にあえいでいると、先頭で歓声があがる。本日の目玉、ベニマンサク(マルバノキ)があるようだ。
ガイドブックの記事ではもう少し先に群生地があるらしいが、ここにもあるとは。
確かに紅葉も綺麗で、またよく見ないと見落としそうな小さな尖った星型の花が枝にくっついている。


ベニマンサク発見!

嬉しくなって足取りも軽く?虚空蔵山山頂に到着。秋葉さまから20分だ。
かなり広い山頂には半月形の方位盤があり、その半月の端から端まで180度全てに細かく山名が刻まれている。
仙丈ケ岳、北岳から塩見、赤石と、素晴らしい南アルプスが一望のもとに・・・連なっているはずなのだが。
今日は低い雲の中に隠れてしまって残念。


開けた虚空蔵(こくぞう)山山頂にて

虚空蔵山を後に、先ほどの巻き道と合流し、さらに少し先で今庫(イマクラ)ノ泉からの道を合わせると、長野県の天然記念物になっている「ベニマンサク」の群生地。立派な説明板が設置されている。


この先がベニマンサクの自生地

ベニマンサク(=マルバノキ)は、葉が紅葉するのと同時に花が咲く。名まえの通り、丸い葉が綺麗に紅葉しているので、それに見とれているとどこに花があるか分からない。余りに小さい花だが、よく見ると枝を挟んで背中合わせに1対になって咲いている。


紅葉しているマルバノキ(ベニマンサク)

高いところに咲いている花も多いが、手の届くような場所の花をみつけて、持参のルーペで拡大して見ると、非常に興味深い。
本日の第一の目的が達成できて、大満足。あとは展望が・・・。帰路に期待する。
次の目標は矢立木。どんな所なのかなあ、と思っていると、真っ白い大きな柱?が2つ並んで立っているのでびっくり。よく見ると大きな矢になっている。ちょっと唐突な感じは否めない。(8:28)


矢立木

今朝は6時から歩いているので、流石に少し疲れてくる。常に登りというのも変化に乏しく、休みたいという誘惑に負けそうになるが、 もう少しで奥宮に着けるかと頑張ることにする。
途中、これから向かう山頂方面の展望が開けた。白山社のあるピークとその奥の風越山の頂上が見える。もうすぐかな?


山頂方面を臨む

幅広かった道もだんだん狭くなって、立派な一ノ鳥居をくぐり、さらに岩の階段が続く。
石段を登って山門をくぐると、さらに石段があり、ようやく社が目に入る。白山社奥宮だ。


ようやく奥宮が見えてくる

彩色も見事な立派なお社だ。こんな山の上によくぞ造ったものだ。登山口から丁度3時間ほど。有難さも増すというものだ。
鈴を鳴らしてお参りする。そして、ちょっと休憩。


立派な奥宮

この先に実は難所があるらしい。地図でも、この先に急降下があり、それから登り返して風越山だ。もう一息頑張ろう。
さて、まずは急降下だが、実際には大した事はない。奥多摩でもよく見かけるような箇所。
次に急登は、ガイドブックには鎖場とあったが、実際にはトラロープが数本ぶら下がっている。こちらも木の根が沢山張っているので手がかり足がかりは豊富、 ただ滑りやすいので補助にロープを使う程度。


最後の難所。木の根に掴まって慎重に。

上りきればあとは平らな道が左折して、石仏を通り過ぎ、なおも少し進むとようやく風越山のピークに達する。三角点もあるが、展望はない。


こちらが山頂でございま〜す

9:47到着。ベニマンサクを楽しんだり展望を楽しんだりでゆっくり歩いてこの時間。朝早く立ったので、余裕の時間である。
とにかくよっこらしょ、と腰を降ろし、お店を広げて、早めの昼食。結構脚にはこたえる登りだったので、座るとほっとする。
しかし、だんだん冷えてくるので10:20には出発となる。
まずはさっきのロープの難所を下ることになる。下りの方がちょっと怖いかもしれない。雨の日は要注意だ。
全員が慎重に下り終えると、今度は足取りも軽く、奥宮を通り過ぎ、だんだん晴れて青空も覗くようになってきたので、展望に大いに期待が高まる。

途中、稜線上の分岐地点にちょっとした小高い"展望台"がある。上がって見ると、今度は見事に南アが。
白根三山や、その先に連山を眺め、地図とにらめっこして山座同定を楽しむ。


南アルプスの連山を望む

振り返れば、丸く大きなどっしりとした山は恵那山らしい。もし冬で雪がついていたら、これは絶景に違いない。
これで2つ目の目的も達成できて、みんなも大満足。
下りになると一層スピードアップでどんどん降りる。今度は虚空蔵山を巻いて、延命水へ。(11:43)
これを過ぎると今度は秋葉大権現の分岐(11:57)、それから一度休憩を挟んで石灯籠に到着(12:37)。あとは植林の道を朝の「かざこし子どもの森公園」へ戻る。
ゴルフ場の前を通るとすぐだ。日差しがまぶしい。でもまだ13時。
帰りには天竜峡をちょっと散策し、また飯田インターに戻ってきて、目の前の「りんごの里」へ。
ご当地の名物りんごや農産物を買い込む。軽くなったザックが一気にまた重くなる。しかし、目の前には風越山が立派な全体像を見せている。 何とかいい場所で、と思うが、勝手な写真ストップも叶わないので、リンゴの里から電線の向こうに臨むしかない・・・。


風越山

久しぶりの遠出の山だったが、いい山との出会いを感謝して、バスに乗り込んだ。あとは爆睡・・・。


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