笠取山  03年5月24日

作場平口10:20〜一休坂分岐10:45<ヤブ沢>〜林道合流11:45〜11:55笠取山小屋12:40〜13:15頂上13:35〜13:53水干分岐〜14:00水干14:10〜15:45中島川橋


今日はマイクロバス2台で多摩川の水源となっている笠取山へ。去年リーダーとなられたIさんの例会山行。新宿を7時に出発し、中央道を経て塩山から柳沢峠、更に山へ奥深く道は伸びていく。

高度を上げて、ワインディングを繰り返しながら進む。車窓からの眺めが樹林のみになっていくと桐の花やニセアカシアの花が美しく、どんどん新緑の山の期待が高まる。
それにしても随分奥へ分け入っても、狭いながらもどこまでも舗装道路が続いているのには驚く。
ドライバーさんはカーナビと地図で道を念入りに確認しながら進む。

そうするうちにようやく作場平橋に着いた、と思ったらびっくり。何と乗用車だけでも10数台がぎっしり駐車しているではないか。更には綺麗なトイレもあり、ここが山の奥とは信じがたい光景だ。人気の程がうかがえる。

ストレッチを十分にして、いよいよ出発。人数が多いので2班に分かれて進む。


登山口、というより入り口。

緑の山は美しい。空気がしっとりしておいしい。地面もふかふかで、歩き始めからとっても嬉しい気分だ。しかも、タチツボスミレが沢山咲いている。私たちは第2班、Tリーダーが先頭だ。 写真を撮るので私はこの頃大体最後尾を歩いている。今日は岩・沢専門?若手リーダーのKさんがしんがりを務めている。お初ながら、見るからに頼もしい感じ。


気持ちの良い樹林歩き

さて、ペースも速くないので、もう私の目は登山道(というより遊歩道?)の両脇を彷徨っている。
今日も珍しい花に会える予感で一杯だ。
あれ、休憩だな、と思うと丁度一休坂とヤブ沢の分岐だった。
登山口から25分ほど。今日は楽なヤブ沢沿いを行くようだ。随所に丁寧な案内板が設置されている。


案内板<クリックで拡大します>

ヤブ沢は沢沿いだけにお花も多く、種類ごとに固まって沢山咲いているのが嬉しい。
スミレは相変わらず途切れずに群生している。ありふれたタチツボスミレなのがやや玉に瑕、だけどこれだけ沢山あると紫が綺麗だ。

コマドリや他の鳥たちも鳴いている。巣箱も沢山設置してあり、手入れの行き届いた山だとよく分かる。
沢沿いにはニリンソウのようで一輪ずつ咲いている白い花がある。・・・何だろう?今日もTさんが一緒なのだが、如何せん列の前方を歩いているのでその場では尋ねられない。
花はハクサンイチゲそっくりのやや小ぶりの綺麗な白い花だ。

更にキョロキョロしながら歩いていると、時々、あれ?!と思う花が。
地味な花ながら一度見てみたいと思っているチャルメルソウではないか?と思うのだが、実物を見たことがないし、大きさの見当もつかないので自信がない。
しかし、どうもみてもこの独特の形は・・・と気になり、思い切って座り込んで、じっくり見てみる。
ホントにかわいい格好をしている。レンズを向けるが、余りに小さくて細いのでなかなかピントが合わない

花がチャルメラのような形をしているからチャルメルソウというらしい。(後で図鑑で見ると、これはコチャルメルソウの方らしい。)色は地味だが、ユニークで楽しい花だ。


コチャルメルソウ

こんな風にゆっくり花を探しながら楽しく歩けるペースが何より嬉しい。
休憩のときにTさんのところへ行って確認する。さらに、別の小さい白い花はワチガイソウのようだ。
よく似た花が沢山あるのでお詳しいTさんも迷っている。それにしても、ニリンソウのような花は何だろう?

休憩を挟んで道は林道にぶつかり、右へ折れて笠取山山荘へ向かう。もうすぐそこだ。
腹時計もお昼!と叫んでいる。立派な小屋とトイレもある。思い思いにシートを広げてゆっくり昼食タイム。
今日は贅沢な山行だな、と思う。Iリーダーの細かい配慮がうかがえる。

さて、お店を畳んでいよいよ急登が待つという笠取山のピークを目指す。
小屋とトイレ棟の間を登っていく。すぐに見晴らしがよくなり、「分水嶺」の立て札が。ちょうど水神社と笠取山への分岐になっている。
その先に、ようやく笠取山が姿を現した。

防火帯として見事に帯状に木が刈られている。が、なるほど急登に違いない。
一気に上がってく道なのでしばらくは辛いかも・・・。


目の前に聳える笠取山

今日はやや曇っており、気温も暑からず寒からず丁度いいので、こんな急登には一番楽な天候だろう。

まるで脚のストレッチをするような容赦のない急坂をゆっくり登っていく。
最上部はやや岩も出てくる。見上げると先発隊(第1班)が斜面にへばりついている。
それだけに、振り返ると流石に絶景かな。曇天に近いのであまり遠望がないのは残念だが。

さて、意外に早く登りきると山梨百名山のおなじみの標識。


『山梨百名山』笠取山

探せば石楠花も少しだけ咲いている。まだ少し時期が早いようだ。しかし、蕾の数は少なめ。


シャクナゲ

絶景を楽しみ、集合写真を撮って、下山にかかる。あの坂を降りるのはイヤだな、と思っていると、地図では破線だが、そのまま進んでいく道がちゃんとある。
岩の間を縫うやや足場の悪い狭い道だが、今までが余りに楽な道だっただけで、ここが普段歩きなれた山の道、と言えばそれまでだ。
木の根に気をつけてどんどん降りていくと水神社への分岐に出る。どの分岐にもきちんと標識があり、親切だ。


水神社への分岐

ここからやや戻るようにして多摩川の水源となっている最初の1滴の場所、水干(ミズヒ)へ向かう。
等高線沿いに歩くようにすると先発隊が休んでいる。
この上に社があるよ、と言われて見上げると数人がすでに上がっている。


急斜面の上に水神社あり

折角なので私も上がっていくが、足場が非常に悪く、滑るし急斜面なので慎重に、慎重に。すれ違いはコワイ。
上にはコンクリート製のちょっと味気ない小さな祠がある。一応拝んで、更に注意しながらゆっくり降りる。ここで落ちたら大変!

さて、すれ違いもできないので2班の最後尾から元へ戻る。すぐにさっきの分岐へ着いて、あとは「もう入り混じっていいですよ。」ということで、1班にいた皆さんとおしゃべりしながら楽しく歩く。
下山には黒槐(エンジュ)尾根を降りる。この「槐」(エンジュ)はなかなか読めない。でも木の名前のようだ。
さて、樹林の中を歩いていると、地味な花が。これはクリンユキフデ、とSさんが教えてくれる。
タデの種類かな〜と思って見ていたが、見過ごしてしまいそうな花だ。

道は整備されているので全く危ない箇所はない。最後の方は高原の散策路といった趣だ。
そのうちに、突然マイクロバスが見え、林道に降り立った。


中島川橋の登山口

シャクナゲはまだ少し早かったが、花も多く、何より緑が本当に嬉しい山だった。是非また、今度は母も連れて行きたい山だった。


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