刈羽黒姫山・八石山   2006年5月26日夜〜27日

<コース>
刈羽黒姫山:磯之辺(キャンプ場下のトイレのある広場)5:22〜6:31鵜川神社〜6:40黒姫山6:53〜6:59鵜川神社7:08〜8:00キャンプ場〜8:05キャンプ場下のトイレのある広場
八石山:八王子(ステーキハウス)9:28〜10:06姥岩〜10:24展望小屋10:32〜10:50八石山(中八石、518m)11:20〜11:40展望小屋〜12:00姥岩〜12:23ステーキハウス


今週は刈羽(かりわ)三山のうちの黒姫山と八石(はちこく)山。新潟県の山へ。和歌山県や滋賀県への遠征続きだったせいか、新潟がとても近く感じられる。

夜10時前に出発し、うつらうつらしているうちにバスが大きくループを描いて走り、六日町ICで下りたことを感じていた。
2時過ぎに時間調整のため道の駅「じょんのび里」に停車。夜明けを待つ。

目の前に黒姫が見え、今日もよい天気になりそうだ。残雪があると聞き、今日もスパッツをつける。
今日はいずれも標高は889mと518m、時間も短めと思い、先週の雨でドロドロの登山靴を手入れしたばかりとあって、つい『高尾山』仕様の軽登山靴に、ストックもなし。早速不安を感じる。

磯之辺までバスで上がっていくと、まだ中越地震の爪あとが残り、崩れた斜面や道路の修復中の様子。キャンプ場の前の道路は、何と先週雪崩で塞がれたままとのこと。手前にバスを止めて、徒歩で越えて行く。

舗装道路を少し上がると右手に「新潟県森林浴の森百選」の標識があり、トイレがある開けた場所に出る。その更に上がキャンプ場の様子。
早速斜面にはカタクリの姿が見える。

上っていくとすぐに整地されたキャンプ場となるが、今は使われていないらしい。イワカガミやオオバキスミレなど花は一杯咲いている。
カタクリはまだ朝早いからか開いていないが、スミレサイシンの花が大きい。
さらにはオオイワカガミ、ナガハシスミレ(天狗スミレ)、ショウジョウバカマ、チゴユリなど雪解けの花が溢れている。

山道らしくなるとすぐに、杉の木の下に石仏がある。このあたりはカタクリもまだ眠っているようだ。体温調節を兼ねての休憩で何枚か写す。
<雪国の春を彩る花々>


カタクリ(まだ開いていない。)


オオイワカガミ(葉が大きい。)


イワカガミ


エンレイソウ


ナガハシスミレ(天狗スミレ)


スミレサイシン


スミレサイシンのアップ


オオバキスミレ(大葉黄スミレ)

タニウツギ

ユキツバキ?


雪が残る登山道
夜行明けの眠くて重い体でも、これだけ花があると嬉しくなって目も覚めてくる。適当に枝に掴まりつつ、快調に登って行く。タニウツギもピンクの花をびっしりと咲かせ、椿もツツジも咲いている。途中でニシキゴロモをみつけるが、まだ固い蕾のようだ。

そろそろ雪が登山道(かなり幅は広い)を覆い始めすが、凍結していないのでそのまま歩ける。

鵜川神社に出ると、石仏が沢山並んでこちらを向いている。そこからすぐに山頂となる。少し奥に三角点があり、小屋もある。展望は少し開けたところから。4重ほどに霞んだ山並みが連なっている。

下りはストックがないのと軽登山靴なので慎重に。最初のうちは問題なく歩いていたのだが、掴まるところがなくなると下りは滑って怖い。
目の前でMさんが10mほど滑り落ちる。ご本人は何でもないというが、如何にも危なげな足取り。(Wストックなのに何故?)


帰りには咲いていました。
リーダーも安全第一で、雪を避けて歩こうとするが、どうしても雪渓を横断する地点では慎重になる。
まさか雪がこんなにあるとは思わずに、この靴は滑って本当にイヤだ。
嫌な予感は見事に当たり、『人の振り見て・・・』と思う間もなく、滑り台を下りるようにつるっと滑って3mほど。
前のNさんにぶつかってもなかなか立てない。

あ〜お尻が冷たい・・・。やれやれ。

後悔先に立たずとはこのこと。着替えは持ってきているので、トイレ休憩の時にこのズボンは「証拠隠滅」するしかない。


じょんのびの里から見る黒姫山
それでも何とかキャンプ場まで下りてきて、花一杯の黒姫山に別れを告げ、次の八石山に向かう。

途中再度「じょんのびの里」に寄り、朝取りの山菜を仕入れる。
ウドに蕨にフキ。どれも安くておいしそうだ。
300円でフキとウドをゲット。

じょんのびの里からは黒姫山が綺麗に見える。かなり上まで車で入れたので標高の割には楽だった。
それにしても良い天気だ。

さて、八石山はなぜか登山口にステーキハウスがある。そこに車を停めて歩いて行く。そろそろ日も高くなって、暑い位だ。

ステーキハウスのすぐ先にコース案内図が掲げられている。



八石山を望む。(左手の尾根を登って行く。)
ホトトギス、ウグイス、カッコーが鳴いている。
すぐ近くの山なのに、こちらは雪もなく、登山口のタニウツギや桐が綺麗だが、カタクリはもう完全に実だけになっており、スミレも伸びて閉鎖花、イワカガミも葉が光って綺麗だが殆ど終わっている。

歩き始めは山の中のハイキング気分だが、すぐに並行している林道に一度出てしまう。
あれっと思うと先に標識があり、また山道に入って尾根を登って行く。

目指す頂は右前方によく見えるが、花が余りないので登る足取りがちょっと重い。

そのうちに階段状の上りになり、短いロープ場を過ぎて、「姥岩」が見える地点に出る。地形図では「姥岩」、案内板では「婆(ばば)岩」となっている。

ここからは聞きしに勝る急登で、3点確保、両側にロープがあり、登りはまだ木の根や枝もあり何とかなるが、この直滑降のような急登がどこまでも、どこまでも、どこまでも!続く。

やっと一段落かと思いきや、すぐにまた長いロープ場、そしてもう1度。ここをまた下るかと思うとゾッとする。
痩せ尾根だし、掴まるものはロープしかない。

やっと緩やかになると展望小屋がある。階段を登ってみるとなかなかの景色だ。
私たちが登ると、先頭は既に歩き出している。ただし、反対方向へ・・・。(たまにはそういうこともある。)

さて、気を取り直して中八石へ向けて歩き出すと、ベテランNさんが、小屋の下の大きなタンポポを見て、「あら、これは日本タンポポだわ!」だという。
萼片で見分けるそうで、この頃は珍しいそう。

八石山はピークが3つあり、上八石(494.9m)、中八石(=八石山、518m)、下八石(513m)である。登り詰めた尾根は、上八石のピークの少し手前にあるが、寄らずに中八石をめざす。

稜線伝いで、楽かなと思うと、少し下ってからまた登り返し、それなりに歩かされる。そして、山頂へ。ここからは360度の絶好の展望が得られる。



黒姫山

米山
目の前にさっき上った黒姫山、その少し右手に米山(これで『刈羽三山』。)も見える。
日差しが眩しい。もう夏のようだ。

ここで昼食タイムとなり、ゆっくり展望を楽しむ。展望台もあり、佐渡が見えるか?と目を凝らしている人もいる。
この山は花より展望、それもまた楽しからずや。

食べ終わって、さああの尾根を何とか無事に下らなければならない。嫌だなあ・・・。



真っ逆さまに落ちて行く下り
稜線伝いの小さな起伏を越えて、またタンポポの咲く展望小屋へ。
ここを過ぎるとあの真っ逆さまの道が待っている。いや、一気に下るというよりは落ちて行くようだ。

覚悟を決めて下りて行く。転んだら大変だし、怪我もしたくない。ゆっくり足場を確認し、所によっては後ろ向きに下りながら、要所では有難くロープを活用させてもらう。

婆岩までは細心の注意が必要。ここまでの3箇所の急降下を終えるとようやく婆岩。
それからまた短いロープ場、急な階段と下りると、道は緩やかになって、やっとおしゃべりの余裕が出てくる。

そのうちに林道に合流、また山道に戻って、ステーキハウスに戻る。

ホトトギスが「特許許可局!」と鳴いていると、Sさんが「下手なウグイスだねえ。
鳴き方を教えてやらないと!」と言うので思わず「あれはホトトギスなんですよ。」と教える。
Sさんは、なあんだ、それはホトトギスに悪いことを言ったね、と笑ってくれた。

バスに戻って、次はコンビニ、そして道の駅へ。


ステーキハウス(登山口)に戻る
今日の2山は、歩く時間は短いものの、『変化に富んだ』ルートで、たっぷり歩いた気分にさせてくれた。

関越道では、越後三山が綺麗に見え、充実の山行を締めくくってくれた。

今日は足並みも揃って、花と展望をそれぞれに楽しみ、しかも順調にこなして、いつになく早い時間に東京に着いた。

教訓:やっぱり登山靴は重くてもいつものを履いていこう。


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