加入道山   2009年5月5日

コース:[道志の湯の先]駐車場8:00〜8:30東屋8:40〜9:55稜線出合〜10:10加入道山10:50〜11:00稜線出合〜11:08大理石採掘場跡11:12〜11:40展望台11:50〜12:00東屋12:10〜12:30?駐車場   


GWでいつものメンバーが揃うのが5日のみとなって、混雑を避けて登れる近郊の山は?と考えた末、一般道で行く加入道山〜大室山を選ぶ。加入道山は西丹沢側から登られることが殆どのようだが、駐車場もあるようなので道志側からの入山を考える。
昭文社の地図(2008年版)では大室山から道志みちに直接降りるルートはみな破線になっているし、車のこともあるのでコースは大室山まで行ったら戻ることにするが、長丁場なので天候や体調を見て、加入道までで帰るという選択肢も。

前夜まで天候を気にするが、どうも午後から雨模様なので、集合時間を少し早め、加入道までのピストンということで駅で皆さんを拾って一般道を走り、道志へ。道志の湯の標識に従って左折し、道志の湯を通過するとしばらくで、道がY字に分かれ、よく見ると左へ上がる道に「白石峠・加入道山、登山道入口」の小さな標識があり、すぐに右手に広い駐車場が2箇所あり、かなりの台数を停めることができるのは有難い。

駐車場からすぐに標識が林立する登山口がある。すぐに横浜市の水源の森ということで市民による植樹が区名とともにずっと続いている。シカの食害を防ぐための白い柱状のガードが施され、ちょっと異様な景色である。

シカ除けのガード

シカ除けを2度くぐって山に入っていくが、登山口にはあった加入道山の文字が消え、「至る 白石峠」ばかりとなる。コースもずっと沢沿いの少し高い所をなだらかに進むので途中で心配になり、地形図とも昭文社とも微妙に(大幅に?)コースが違うのではないかという疑念が消えない。
それに、白石峠に直接出るコースは無いはずなのに・・・。
そんな思いで歩いていくとようやく立派な東屋が見えてくる。これが昭文社の「休」印の地点と納得し、またここから左に折れて山を登り始めるので、ようやく安心する。

 東屋から左へ折れる

新緑の芽吹きが時折の小雨に濡れて美しく、また誰にも会わないので静かである。熊除けが要るかなと思うが、そこは女性陣のおしゃべりで追い払うことにして、落ち葉で少し滑る道を登っていく。余り花はないが、チゴユリ、ホウチャクソウ、立派なタチツボスミレという程度。

展望台とベンチがあるが、これを過ぎてどんどん登っていくと時折道幅が狭くなってザレた箇所もある。急登を頑張っていると時折カッコウやツツドリ、センダイムシクイ?が澄んだ声を響かせ、野鳥の森の雰囲気だ。
時折立ち休みをしながら頑張ると、今度は城の石垣跡かとおもうような面白い地点に出る。ここを直登するようなテープ印がいくつか残っているが、登山道はこれを無視して巻いている。何かあるのかな〜?と思いつつ、折りたたみ傘を差したり仕舞ったりしながらの微妙な天気で、足元を注意しながら更に進むと、崩壊地のトラバースになる。

 崩壊地(*下山時の画像)

ざれて崩れた斜面、滑ったら相当に危険な箇所で、一瞬進むべきか判断に迷うほど。最初に下るのが本当に恐ろしいが、何とか進めるだろうと意を決して踏み込む。
ストックを頼りに少し進んでみて、足場を固めながら慎重且つ素早く横切る。何とか全員無事通過。しかし、その直後も登山道に突き出した大岩や木に注意しながらの柔らかい狭い急斜面を行く。すぐに丸太で土留めした階段とになり、それを少しでやっと稜線に出る。

標識は左へ加入道、右へ白石峠となっている。気を使う箇所を無事終えてほっと一息。山頂はもうすぐだが、ガスってきて、トリカブトの葉が伸びだした他は黄色いミツバツチグリのような花と、あとはワチガイソウが1輪。キツツキのドラミングが響く。
ガスの彼方に山頂が見え、無事登頂。すぐ下に立派な避難小屋が見える。

避難小屋

やはり午後からの本格的な雨が心配だし、あの崩壊地をまた降りることを考えて、今日はここまでとし、大休止且つ早めの昼食として、新緑の中、静かな休息タイムを楽しむ。

外は急に冷えてきて、1枚着こんで歩き出すと風が更に吹き付ける。フカフカの登山道に散り敷いた落ち葉で今度は滑る。
10分で分岐に出るが、またあの崩壊地を通過するまで気が抜けない。なんでもないトラバース道でも、下りだと滑ったとたんにサヨウナラ〜!となりそうな箇所ばかりで思わず身を固くする。

先ほどの崩壊地、今度は主に上りになるので、トラバースも少し気が楽だ。でも下を見ると怖いので、視線は常に進行方向に・・・。
まだまだ滑ると危険な下りが続くが、さっきの石垣状の岩場に来たので、踏み跡もあるし、と元気な3名が登っていく。何かあった?と尋ねるが、何もな〜い!とのことで、降りてくるのを待ってまた正規のコースに戻る。
(後で調べると、大理石の採石所の跡だそうだ。しかも、10年以上まえには化石の発掘もあったとか。白石峠の地名も、白い石=大理石のことだとか。知らなかった!)

大理石の採石場跡

あとはおしゃべりしながら降りていくと、新緑が本当に目にも心にも優しく、何度かシャッターを切る。

山桜の名残もあり、えぐれた登山道には心が痛むが、概ね歩きやすいコースをどんどん降りて、今度は展望台に立ち寄ってみる。

展望台からの景色

目の前は道志みちを挟んでの菜畑山あたりだろうか。余り展望のないコースらしいが、ここは晴れていたら一層素晴らしいだろう。

それからすぐに東屋。ここまで来ればもう安心。あとはどんどん歩いて駐車場へ。ほぼ午前中で全行程終了。
道志の湯への駐車場に溢れる車にびっくり。また、まだ早いので、と道の駅まで足を延ばしたが、ここでも駐車場が満車という表示に驚く。
そろそろ本格的に雨が降り出し、傘を差して店に入る。山の幸を買い込んで、あとはまた一般道を都内へ戻る。

*道志側からの加入道山へのコースへの疑問を解消しようとあれこれ比較した結果、
まず、地形図ではルートが室久保川から1307m(白石峠)に伸びていくが、これは途中から先が廃道となっているらしい。900mあたりからもう1つ上の尾根線に沿って登っている模様。
大理石の採掘場跡は、道の駅で貰った、道志村ガイドマップの地図では1200m地点に「大理石」と入っている。稜線出合いは加入道山と白石峠(1307mのピーク)のちょうど中間点(双方へそれぞれ0.3km地点)になるが、村のガイドマップでは加入道山至近から分岐している。これはちょっと山頂側に寄りすぎのように思える。
登山口から東屋までは沢音を聞きながら歩くが、これが湯花ノ沢らしい。


*参考資料*
駐車場や登山口の位置などについては、後からヤマレコのkamogさんの記録を「発見」し、大いに参考になった。感謝の気持ちと共に紹介しておきます。
裏丹沢/道志森〜加入道山〜バン木ノ頭
2008年9月の記録で、要所が写真でよく確認できます。地図等との食い違いの指摘も明確です。

道志村発行の道志村ガイマップにある登山コースでは、大室山の茅ノ尾根コースが紹介されており、帰路道路からこの登山口が確認できました。大室山の山頂付近が迷いやすいとも聞いているので、これは上りに取った方がよさそうです。
道志の湯〜加入道山の、途中の崩壊地は山開きで整備されるかもしれませんが、どうやら例年崩れやすい地点のようです。悪天の時などは危険防止のため避けた方が良いと思います。
また、真新しい看板にあるコースタイムもかなり短めに感じます。(加入道から大室山まで1時間というのは、ちょっと短い?)
なお、道志村ガイドマップ(道の駅で入手)では、道志の湯側からの稜線出合い地点を白石峠としていますが、白石峠は加入道山へのルート上にはないので要注意。(西丹沢側から登りつめた地点が白石峠、稜線出合いからは0.3km「右」に進む。)


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