十枚山   2008年4月26日夜〜27日

コース:関ノ沢6:00〜6:35「十枚山」標識〜7:05登山口7:10〜7:30分岐7:40〜8:30涸沢8:40〜9:30十枚山10:00〜10:25十枚峠〜10:50下十枚山11:30〜11:45十枚峠〜沢〜12:15沢12:25〜沢〜13:10分岐〜13:20登山口〜14:15関ノ沢


十枚山は静岡の山。梅ヶ島から入る。以前、真富士山に来たことがあるが、更に安倍川を遡って奥に入ることになる。
登山口近くまで舗装道路が延びており、予定ではマイクロバスでかなり上まで入るはずが、参加者が増えてバスが大きくなったため無理となる。
関ノ沢集落に入り、中学校を過ぎて500mほどでバスを停める。昨夜来の雨は上がり、新緑の始まった山肌には霧がかかって本当に綺麗だ。

夜行明けだし、今日は標高差もかなりある上に直登コースとあって、体力に不安が・・・。
6時から早速歩き始める。沢沿いの道にはウツギの白と、大ぶりのヤマブキの黄色が綺麗だ。しばらく歩くと橋があるが、直進か、橋を渡っていいのか地図で確認する。渡ってよかろう、と進むと発砲スチロールのお手製の標識で「十枚山→」とあって、有難い。
だんだん舗装道路は傾斜がきつく、どんどん曲がりくねりながら高度を稼いでいく。周囲は茶畑。
かなりのスピードに、ザックが重く足取りも重い。やや遅れながら、何とか待っている先頭に追いつくと、道端に「十枚山」の標識。
道端の「十枚山」

やっと山道になったかと思ったが、さにあらず。単なるショートカットに過ぎず、また車道に出る。
どこまでも続く急傾斜に、登山口に着く前にバテてしまいそうだ。
あえぎながらも、先頭はようやく植林の中へまっすぐに進んでいくと、ようやく「熊出没注意」黄色い標識と、「登山口」標識がある。
登山口へ   登山口

さて、本当の山道を歩き始めると十枚山への直登コースと、十枚山へのコースへの分岐に出る。予定通り、まっずぐ十枚山へ登ることになるが、聞きしに勝る急坂で、樹林帯をひたすら我慢である。
雨上がりで滑るし、花もない・・・。
どこまで登ったかなあと地図を見ていると、涸沢に出合い、ここで休憩。ややガレているが、やっとザックを降ろす。
あと1時間頑張れば何とかつくだろう、と自分を励ます。

サブを務める元リーダーのIさんとお話しながら、何とかバテないペースで歩き続ける。高度があがってきて、少し涼しくなるが、まだまだ傾斜は緩まず、一番厳しいところだろうと我慢、我慢。

写真を撮る気力も体力もなく、ひたすら足を運ぶうちになんとか山頂が近づいてきた。
もうすぐと思うが、最後の試練か、急坂が続き、足が攣った方に追いついたので、そのままご一緒しつつ、ようやく「本隊」の待つ十枚山に到着。
おお、なかなかの眺め!


これから進む下十枚山方面と、反対側の雪を頂く南アの山々が頭を覗かせ、ガスがなければ大展望だろうなと思うが、今日はこれで大満足である。
多分標高差1000m以上をクリアしただろうから、そのことだけでも嬉しい。ご褒美の大展望も、まずは腰を降ろして休憩してから。

さて、後は目の前の十枚峠から下十枚山を目指す。今度は下りの笹原で、気持ちよい小径だ。
今日は「貸切」かと思ったが、峠で山梨側からの登山者と出会う。

十枚峠〜下十枚山をめざす

登り返しは大変だが、少し登ると待望のお花!バイカオウレン(梅花黄蓮)がコケの上に咲いている。
バイカオウレン

引き返して峠で待つというお二人とサブのIさんを残して、最後尾をカメラ片手にノロノロ歩いていくと、更にバイカオウレンの花が迎えてくれる。
雨上がりの滑る木の根に注意しつつ、何とか慎重に登っていく。だんだん視界が開け、歩きやすい道になった頃、振り返ると十枚山と南アの連山が素晴らしい。

 大展望

どっこいしょ、と声をかけつつ登りきって下十枚山。ここでも大休止。山頂からは展望はあまりよくないが、2つの十枚山(下十枚山=天津山)を登れて本当に嬉しい。
随分待たせてしまった3人と峠で合流し、今度は下山である。沢を3回渡るらしい。

先ほどとはうって変わって、歩きやすい展望もよいルートだ。北八ツのような「苔庭」もある。

「苔庭」

さて、沢は3回。どれも水場で、周囲にはハナネコノメが沢山咲いている。
1つ目  2つ目  3つ目 

いずれも、沢に向かって下る道が少し注意が必要だが、ロープなどでよく整備されている。

 ハナネコノメ  

沢を全部渡り、歩きやすい道を進めば朝の分岐に至る。
空も晴れ上がり、日差しがまぶしい。ニシキゴロモが沢山さいている。
 ニシキゴロモ 

あとはあっという間に登山口。それから長い長い舗道歩き。照り返しが眩しく、固い地面が疲れた足に堪える。
日陰で一休みしながら、茶畑の中の急勾配を下っていく。

長い長い舗道歩きに疲れた頃、見覚えのあるウツギとヤマブキに迎えられ、ようやくバスが見えた。

帰路の温泉もなかなかで、久しぶりに充実した山歩きとなった。夏山に備えて、ようやく第一歩、というところだろうか。


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